ねちょねちょ系鯖缶

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8/7/2025, 7:14:04 AM

廃線の勝手踏切に立休らう
星が見たいから
本当は渡りきりたくはあるけれど
しかし踏み出した先に、もし小石があったらば、
蹴躓いてしまうでしょ
かと言って、足元なんぞ見飽いてしまったから
今だけはと綺麗なものだけ眺めゆる

時が滞ったと錯誤する
それ程までに空はただただ空である
瞬く柄杓と十三にすら満たぬ麗月が
音もなく、目に釘打っていた
もう、動きたくないな

このまま、世界に揺れて溶けて溺れてしまえばいいんじゃないか
泡になりたい息すらも、全て押し殺せるなら楽だろか
重心をも掴むことなく沈んでいれれば相応しい

そうしてそうして耽って耽って
風に攫われること夢見ている
その日は来ないと、片隅に知っておきながら
侘しさを無駄で包むみたいに、虚飾にただ縋ったように


もし、本音がこれを望んでいるなら
掻き消せないのは痛手なのかな

8/5/2025, 1:56:53 PM

ぐるっと眩み八転び
横目で悟ったまたしてものやり直し
同じ焦熱を何度も何度も
同じ憂愁を何度も何度も

君はずっとそこにいる
僕はまだサイダーを握っている
もう飲めたもんなんかじゃないだろうこれが
腐敗した時間を証明してる

ねぇ、君の言ってた取り柄何だっけ
あぁ、おしゃべりなとこだっけ
じゃあさ、話そうよ

、なんか言ってよ
話聞いてよ
ねぇって、こっち見なよ

目ぐらいは、開けてよ


潮時か
持て余したそれを胃に棄てる
ぬるい炭酸と無口な君を
一つと残さず飲み干し砕く
もしかするならそれらは全て、誰かの塩酸に過ぎないかもな



あぁ、醒めちゃった
ただいま、夏
さようなら、夏

8/3/2025, 12:21:34 PM

波にさらわれた手紙があった
いつかも分からぬその日に消えた
綴ってあった何かもきっと、滲んでしまって
知れる機会すら無いのだろうな

その手紙は生温かった
それとはなしに、心地良かった
白樺みたいに、叶わぬ夢ともよく似てて
緒を捨てるその昔だろうとも愛せていたんだ

でももう無いから、手っ取り早く諦めて
そんで傷つかないようにって自衛虚栄補綴で凌いで
この先は続く道も無かろうと、そう、何事も無くいれたのに


君はそれを手渡した
紙切れに過ぎなかった
案の定、黒が溶けていた
だのに浮かんでいた
あの日書かなかった本心が



“生きたい”
“生きてて欲しい”
“死なないでくれたらもう構わないから”



あぁもう、はは、思い出したくなかったかもなぁ

7/29/2025, 7:45:09 PM

顔が石みたいだな
久しく思考を回しての第一声がこれだとは、笑えてくる
つかえて持ち上がれない頬に触れど、面白味もない伽藍としていた涙の跡だけ

なんでかな、訳も知らずに遥かの記憶が湧いて出る
前方の窓に附着した空が、ワイパーに掃かれて滴った
それが何故だか、泣いてるようで
あの日、お天道様も、もしかしたらば、
同じく目が渇いて、どうしようも無かったのだろか
これも、自己投影の産物に過ぎないだろうか

もしも、そんな話だけれどさ
ころころと乾いたこの現状に、純然たる花が咲く日があるならよかった
ふと湧き水がやって来て、広がって、生き易い世界が視界いっぱいに溢れいて
瓦解しきった荒れ地にさ、二度と相見えることの無いような、
そんな綺麗なオアシスがどこかに、たった、それだけで


諦めよう、夢見ていよう
絵空事だとかなぐり捨てたのは誰だったっけ?
冗談よしてよ、君でしょう
絶望も悲観も不安も焦燥も無感情も
全部沖虚で塗りたくろう
浮かんでいよう、浮かばれなくても
いつか、この全てを

嗤って笑って手放そう



【本作品以降、投稿頻度を落とさせて頂く可能性が御座います。平素よりのご愛顧心より深謝申し上げます。】

7/27/2025, 9:36:09 AM

君はいつも半袖を着ていた
訳を訊いた、分からなかったから
曰く、そこはかとなく、この世に透けられる気がしたからだと
自分を見失うようで、怖くはないかと、訊いた
君は答えた

逆だよ。自分なんて不確実なもの、信じるのが恐ろしいんだよ
そうしてすっと、弾けて消えた


うん、結局理解出来なかったや。
やはり僕ら二律背反だね
けれども君も、僕を解れやしないだろうから、
お相子ってことで異論は無いね?
君の墓場にそう告げ置いて、右手の甲を袖で隠した

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