ねちょねちょ系鯖缶

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波にさらわれた手紙があった
いつかも分からぬその日に消えた
綴ってあった何かもきっと、滲んでしまって
知れる機会すら無いのだろうな

その手紙は生温かった
それとはなしに、心地良かった
白樺みたいに、叶わぬ夢ともよく似てて
緒を捨てるその昔だろうとも愛せていたんだ

でももう無いから、手っ取り早く諦めて
そんで傷つかないようにって自衛虚栄補綴で凌いで
この先は続く道も無かろうと、そう、何事も無くいれたのに


君はそれを手渡した
紙切れに過ぎなかった
案の定、黒が溶けていた
だのに浮かんでいた
あの日書かなかった本心が



“生きたい”
“生きてて欲しい”
“死なないでくれたらもう構わないから”



あぁもう、はは、思い出したくなかったかもなぁ

8/3/2025, 12:21:34 PM