窓の外から手を出す
やぁ。さようなら
体裁の悪いあなたに捧げる
あなたの目に私はいない
私の目は虚像に過ぎない
互いを知るくせ何一つから目を逸らす
今あなたの目は白けている
さてここで、君は空白を見据えているかい
空白の定義?君が浮かべているので結構
それに触れる時、気づいてしまう
世の事柄の一切の、本質はほぼ同義であると言えること
そしてその全ての価値は皆等しく同等であること
あら、長ったらしいって?すまないね、口説くて
さらば友よ
ふたり詮無く旅立とう
日暮れの朝日が下り続ける
際限なく、歯切れの悪く
東の空だけ反り転ぶ
それをただ見る
只管眺める
砂の粒子を透ける地底を
水平に浮くカピバラを
先に続くその円環を
丹精籠った端正な
空間の白む未然な場所
そして全ては記号へと帰す
遠く遠くに歪みが散った
舞台袖にいた
手の中にある0を見遣った
もし、心の中の景色はあるなら
それがきっと信号だ
くるくるはばかる
地獄がまわる
草臥れただけのオルごール
かっかっこんここんここんこやこ
ぐさぐら唸る大気の不快さ
あら見て、居てるだろ?
ここにいるんだ知っていた?
何も見ないね知らないくせに
拒絶を受容と勘違うんだ
刈っちゃおいっそ
ここにある喜色も乾きもその全て
枯れたんだし構わないよな
死んじやったも同然だから
死骸は物質以下にはならぬ
さんぶんてきだ!
知った気にならないで
ならないか
湿度に彩られた街昏々たると光ってる
遠雷鳴りて前後不覚の真横を掴む
仰ぎ開いた腕を振り回し
ちゃかちゃか波紋を繰り返し
砂漠の浮き輪はどこだろう
足に広がる水星の温度が
死の質感によく似てる
クラムチャウダーが好きなあなたが手を伸ばせる程近くにないな
終幕
あぶくが沸いた
いつものこと
ならば善いか?
木が晴れるのはいつまでか
指先三つで応えてくれと
もう一歩だけ、その一歩はどこにあったか
かぴかぴ濡れた猟奇の隙間に
ころころがらがらぐるんぐるん
引力は結果か或いは過程か
人を騙すは真実か
数的思考は何を逃すか
船の横転は何を示すか
何1つさえを知れないように
洗面所の暗がりに揺れる
心臓の音が寄せては返す
洗濯機がぼこぼこ震える
触れる足音に耳を欹て
意味無く呼吸を消費する
喉元は詰まるわ視界は霞むわ散々だ
機能しない目を目蓋で覆う
疲れたと思う
それを話してだとか言われる
無責任だよね、出来ない理由も知ってるだろうに
それを希う自分も無責任かな
でも本当は、期待したんだ
どっかの誰かが救ってくれる、愉快な空想を
勿論そのように身勝手な噺が存在しないのは自明であるが
それでも、足元の本音を、
条件反射で繕った顔を、声を、
少し零した答えの鍵を、
知って欲しくなかったとは、言えないなぁ
まぁ、ごめん嘘なんだけど