顔が石みたいだな
久しく思考を回しての第一声がこれだとは、笑えてくる
つかえて持ち上がれない頬に触れど、面白味もない伽藍としていた涙の跡だけ
なんでかな、訳も知らずに遥かの記憶が湧いて出る
前方の窓に附着した空が、ワイパーに掃かれて滴った
それが何故だか、泣いてるようで
あの日、お天道様も、もしかしたらば、
同じく目が渇いて、どうしようも無かったのだろか
これも、自己投影の産物に過ぎないだろうか
もしも、そんな話だけれどさ
ころころと乾いたこの現状に、純然たる花が咲く日があるならよかった
ふと湧き水がやって来て、広がって、生き易い世界が視界いっぱいに溢れいて
瓦解しきった荒れ地にさ、二度と相見えることの無いような、
そんな綺麗なオアシスがどこかに、たった、それだけで
諦めよう、夢見ていよう
絵空事だとかなぐり捨てたのは誰だったっけ?
冗談よしてよ、君でしょう
絶望も悲観も不安も焦燥も無感情も
全部沖虚で塗りたくろう
浮かんでいよう、浮かばれなくても
いつか、この全てを
嗤って笑って手放そう
【本作品以降、投稿頻度を落とさせて頂く可能性が御座います。平素よりのご愛顧心より深謝申し上げます。】
君はいつも半袖を着ていた
訳を訊いた、分からなかったから
曰く、そこはかとなく、この世に透けられる気がしたからだと
自分を見失うようで、怖くはないかと、訊いた
君は答えた
逆だよ。自分なんて不確実なもの、信じるのが恐ろしいんだよ
そうしてすっと、弾けて消えた
うん、結局理解出来なかったや。
やはり僕ら二律背反だね
けれども君も、僕を解れやしないだろうから、
お相子ってことで異論は無いね?
君の墓場にそう告げ置いて、右手の甲を袖で隠した
向き合いたくはない、こんな日々なんだ
何をやったって絡まって空回って息詰まる
自己完結の出来る地獄は、誰の所在にすれば善いかなど
もう判り尽くしたことだっただろ
“ねぇ先生、質問いいですか
この先貴方に何を話すべきですか
僕はこれ以上でも以下でもありません、
よって、貴方が期待する壮絶な地獄も御座いません
貴方に出来ることはもう無いんだから、どうぞ他所へと行ってって ”
その先で、どうか永く幸せに
この言葉だけは押し付けれないや
本当は、当たり前にありたかったんだろな
あは、まぁ無理か
もしも過去へと行けるなら、未来の今を殺そうか
深く根ざしたアネクメーネを、種から砕いて終わりにしよう
「またいつか!」
はは、思ってもないくせに。のうのうと、
疾うに板についちゃったな
本当は、もう二度と顔を見ないでとか、考えたりさ
毎度毎度で間違えるんだ
距離に話題に身振り手振りもなんだって
自分の愚図さに嫌気は差してる
いや、それは、相手の台詞だろうけれど
出来うる限りの努力はすれど、
未だ好転の兆しは見込めない
これまで周囲にばら撒いてきたものなら迷惑失望不幸絶句と枚挙に暇はありもしないのに
自室は既に告解室と化している
面をも合わせぬ懺悔なんかに、何の意義すら無いのにな
なぁ神様、自意識過剰と言えばそうだろうけどさ
もしも、自分が会ってきた全ての人が
自分に出会わなければ良かったのにな
あぁ、そろそろ分岐路だね
お別れか
さようなら
叶うことなら、金輪際
またいつかに立ち会わないことを願っているよ
星を追いかけていた
おそらく、自らの目をも知るより昔から
きっと、彼らに自身を重ねていた
いつの日か輝けられると、何かになれると
筈だとずっと、聲を重ねて
意味が無くとも、手を重ねて
結果、果然その手に何もあってはしなかった
伸ばしただけで、光の粒すら遍く掴めず
ただ、余韻を求めて開いて閉じて
再々と、再々と
無駄だな
この行為に一切の生産性は見込めない
この無駄を排他してせめてもの努力をすべきだと
そう、分かっていれども、気付けば先には星がある
自ら呪った期待を未だ、噛み切れない儘でいる
どうすれば
このままであらずに済んでいたのか
知れていたなら、苦労しないな