ねちょねちょ系鯖缶

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腹と心臓が凍えた日
ゆうべの泡をかき集め、捏ねくり回して“ほし”にする
そのまま電光へと翳して仰ぎ
咀嚼と並んで味を無くす

「あの頃食べたガラスの味は、どんなものだか分からない
喉元過ぎれば熱さを無くす
喉元過ぎれば錆さえ潰す
鉄棒によく似たかの感覚は、思い出を置き去り時間に消えた

「星の光が思い出せない
点描以上に昇格されない
ノスタルジーに罹った世界でモザイクみたいに千々に散る
あんや指ってなんだったかと掴めないことを掴めない
等加速に失せゆく興
更にはうたう声帯の温度
何一つを為せず叫べず藻掻いた記録が日を跨ぐ

記憶の中で凍てつく星空
願い依がった星の感覚
どこか似ていた自堕落な生活
そのうち気がつくことがある

造っただけの現実に、 端から味がする筈なかった

12/1/2025, 12:41:07 PM