赤虫って潰すなら、服から離すとよいそうです
潰した後の鮮やかが、洗えど中々落ちないのだと
よく車止めの裏や石畳に見ました
潰した帰りに言われたのが、それでした
後に生命を知りました
大事なものと聞きました
その日ふと思いました
何故あの人達は第一に、潰したことより洗い物を優先したのか
然程、大変な事柄ではないのかなと
次に、自らは自衛も儘ならぬ立場に在ると知りました
もし無理に力が揮われる時、生き死には相手の手に渡ること
同様なことを他の生命に為す場合、己の処遇に何一つ不満と言えぬこと
なので人は、人に優しくするんだと
しかし、窮地に立たされる時
きっと救えないほど殺します
けれどもならば、二度と恩赦を乞うこと叶わない
なんなら恩赦ありきの優しさを造る心理が許されない
そもそもどれだけ怯えに震えど、過去起こしたことが変わる道理がある訳ない
上下左右と前後に真裏
どこかしこだけを見ていたから、どこやかしこに目を塞ぐ
全てを見て見て
全てで縛ったこの口は
未だ息だけを嗄らす
いつかの言葉は正しかったと
洗えど背を這う紅の記憶
11/23/2025, 11:32:40 AM