人さがし

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9/24/2023, 3:09:58 PM

─形の無いもの─

何時からかは分からないけどさ、

君と居ると胸の奥で、何か感じるんだ。

それが一緒に居るに連れ大きくなってきてさ。

形の無いものから、何か分からない物が大きくなって。

最初はそれが何か分からなくて、病気かと思ったよ。

でもね、最近。やっと分かったんだ。

この胸の不思議な物が何なのか。

これはさ、『愛情』なんだって!

でも気づいた時には遅かったんだよ。

それが大きすぎて、僕を狂わせた。

君を殺したいと思うほどに。

だからさ、この大きい愛情を、受け取って?

そう言い包丁を持った友人に、僕は刺された。

友人はさ、一つ間違ってる。

その胸の感情はさ、愛情なんて綺麗なものじゃなくて、

独占欲って言う物なんだよ。

でももう、それを指摘することはできない。

君も僕も、もう手遅れなんだから。

9/23/2023, 1:01:36 PM

─ジャングルジム─

ジャングルジムから君を突き飛ばした。

君の涙が太陽の光を反射して、美しく見えた。

大きな音と同時に赤い液体が君から流れる。

高さが2メートル程あれば、小学生が死ぬには十分。

動物特有の血の臭い。鉄の臭い。

ふと香るその臭いに、人間もやはり動物だと思い知らされた。

学校から先生が走ってくる。その顔は今まで見たことの無いものだった。

君が悪いんだよ。僕に言うから。

辛いなんて。死にたいなんて言うから。

家庭内の問題を僕に任せないでよ。

暴力?虐待?暴言?虐め?

僕には関係ない、筈だけど。

君だったから、殺した。大切な、君だったから。

申し訳ないなんて思わない。むしろ清々しい。

やっと君の願いを叶えることが出来たのだから。

良かったね。嬉しいね。大切で、大好きな君。

これが僕の『幸せ』を知った瞬間の話。

9/21/2023, 10:25:33 PM

─秋愛─

夏よりはるかに涼しくなった。

でも相変わらず彼は、

いつものベンチで本を読んでいる。

秋の暖かい日差しを浴びて、

くれなゐに染まった葉が彼の読書を邪魔する。

こちらに気づいた彼が手を振ってくれた。

この秋の、今の瞬間しか味わえない恋。

私は彼と季節を巡るたびに、恋をする。

何故なら、彼のあの嬉しそうな表情は、

今しか見られないのだから。

題名【秋愛】


今家族と幸せなのも、
今友達と笑っているのも、
今生きているのも。
いくつもの偶然が重なりあってできる、
ただ一つの奇跡。

9/21/2023, 9:32:15 AM

─大事にしたい─

私ね、友達が大好きなの!

家族が居ない私にとっては、

友達が家族で、とっても大切なの。

大切で、大好きで、大事なの。

それなのにさ、友達がね、こんなことを言ったの。

『貴方って、冷たくて酷い人。』って。

言われた時、意味が分からなかったの。

私はこんなに大好きで、沢山遊んで、大事にしてるのに。

「何でそんなこと言うの?」って聞いたの。

そしたらね、私以外に冷たいんだもの、って言われちゃった。

確かに友達以外はどうでもいいから、冷たくしてた。

でもそれだけで冷たいとか酷いって言うの?

そんなこと言うのは友達じゃない。

そんな友達、いらない。


気付けば友達だったものは、赤く、冷たくなっていたの。

冷たくて酷いのはどっちよ。

私じゃなくてアナタでしょ?

9/19/2023, 10:13:12 PM

─時間よ止まれ─

もし、神様が居るなら。

私は今、時間を止めてほしい。

時が止まることで、目の前に居る、

名前も知らない女の子が助かるのだから。

その代わりに自分の命はなくなるけど。

家族を残して逝くのは申し訳ない。

息子が居る。妻も居る。大切な、家族が居る。

せっかく息子と仲良くなったのになぁ。

楽しい思い出ばかりだったのになぁ。

『幸せ』だったんだけどなぁ。

今だけでいいから。

自分はどうなってもいいから。

だから、時間よ止まれ。


どうも、お久しぶりの作者です。
今回の話は9月11日の話『喪失感』の原因バージョンです。
繋げて読むとより面白いと思います!
これから投稿頻度上げていけそうなので、できるだけ頑張ります!
以上、作者より。

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