─秋愛─
夏よりはるかに涼しくなった。
でも相変わらず彼は、
いつものベンチで本を読んでいる。
秋の暖かい日差しを浴びて、
くれなゐに染まった葉が彼の読書を邪魔する。
こちらに気づいた彼が手を振ってくれた。
この秋の、今の瞬間しか味わえない恋。
私は彼と季節を巡るたびに、恋をする。
何故なら、彼のあの嬉しそうな表情は、
今しか見られないのだから。
題名【秋愛】
今家族と幸せなのも、
今友達と笑っているのも、
今生きているのも。
いくつもの偶然が重なりあってできる、
ただ一つの奇跡。
9/21/2023, 10:25:33 PM