人さがし

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9/18/2023, 11:30:52 AM

─夜景─

君と見た夜景は全て綺麗に見えた。

いつもは眩しいと感じる明かりも、

毎日騒がしい車のクラクションも、

隣の部屋から聞こえる怒鳴り声も、

全てが君との時間を引き立てるものにしか感じなかった。

二人で一緒に星を見て、綺麗だねって笑って。

輝く街を手を繋いで、歩きたいねって言って。

夜の海までドライブしたいって、駄々こねて。

全部出来なかったけど、何もしていなくても幸せだった。

君が居なくなるだけで、こんなに辛くなるとは思わなかった。

綺麗に見えた輝く星も、

隣に誰も居ないまま街を歩くことも、

月明かりに照らされる夜の海も、

全てが自分を嘲笑うように思えて。

ふとしたことで君を思い出す自分は、

ちゃんと君を愛していたんだな。

愛した分だけ別れが辛くなるって知っていれば、

君を愛していなかったのかな。

9/17/2023, 4:07:17 PM

─花畑─

不思議な夢を見た。

気付けば僕は花畑に立っていて。

頭に違和感を覚えて触ると、

花で出来た冠がのっていた。

手先が器用では無いので、

僕が作ったわけではない。

誰が作ったのか考えていると、

遠くから声が聞こえた。

『あっ!やっと起きた~、ずっと寝てたよ?』

───誰だ?分からない。

分からない。知らない。怖い、筈なのに。

何故だろう。涙が出るのは。

『えぇ!?どしたの!?』

「わから、ないっ。知らない、筈なのに、何で、。」

何で、こんなに悲しくて、苦しいのだろう。

忘れてはいけない、大切な記憶のような気がする。

昔一緒に遊んで、幸せだった記憶。

思い出そうとしたが、酷い頭痛に襲われた。

嗚呼、何で。こんな大切な時に。

また夢で会えるかな。大切な、君に。


題名【数年前の事故】

9/16/2023, 12:06:03 PM

─空が泣く─

日直が挨拶をする。

教室に椅子を引く音や、

クラスメイトの声が響く。

廊下を歩き、階段を降りる。

下駄箱から靴を取り出す。

灰色が気になり、上を見上げる。

しとしと、と空が泣く。

傘をそっと開く。

駐輪場まで歩く。

水溜まりが音をたてる。

自転車を動かし、雨も気にせず帰路に着く。


嗚呼、この退屈な日々はいつ終わるのだろうか。

退屈で、窮屈で、繰り返す日々を、誰か終わらせてくれよ。

この生活が変わるなら、命だって賭けるから。

だからさ、早く、助けてくれよ。

9/15/2023, 4:03:34 PM

─君からのLINE─

スマホの音で目が覚めた。

最初は電話。その次はスタ連。

相変わらず君は元気なようだった。

時計は十時半を差している。

君とのデートは十時からだから、寝坊したようだ。

君とのデートの日に寝坊して、君からのLINEの音で目が覚めた。

我ながら待たせるなんて最低だな、と思った。

そもそもデートと言ってもいいのか分からない。

愛の無い、でも決して仲が悪い訳でもない。

僕は一緒に居て、楽しくもないし、

でもその時間が嫌いでもない。

いつか君か僕か分からないが、

関係を終わらせる時が来るのだろう。

それを言い出すのは、君であってほしい。

君は楽しいのだろう。僕と一緒に居て。

だから僕に対しての愛が薄れて、

『別れよっか』と言ってくれるのを、僕は待ってる。

僕が自由になるために。

君が幸せになるために。

9/13/2023, 2:01:39 PM

─夜明け前─

君との別れ際。

もう時刻は深夜三時。

いつもの夜明け前。

これで何回目かわからない、

愚痴や雑談だけで終わる、

二人だけの、秘密の飲み会。

仕事が辛いだの、繁忙期に入っただの、

上司がうざいだの、最近暑いだの。

何故夜明けまで語れるのか分からないほど、

どうでもいい話ばっかり。

それでも楽しい。

癒しであって、幸せである唯一の時間。

いつまで続くか分からない、至福の時間。

飲み潰れても、二日酔いが辛くても。

いつまでも続いてほしいと言う願いは、

二人が言えないたった一つの本音。

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