─ジャングルジム─
ジャングルジムから君を突き飛ばした。
君の涙が太陽の光を反射して、美しく見えた。
大きな音と同時に赤い液体が君から流れる。
高さが2メートル程あれば、小学生が死ぬには十分。
動物特有の血の臭い。鉄の臭い。
ふと香るその臭いに、人間もやはり動物だと思い知らされた。
学校から先生が走ってくる。その顔は今まで見たことの無いものだった。
君が悪いんだよ。僕に言うから。
辛いなんて。死にたいなんて言うから。
家庭内の問題を僕に任せないでよ。
暴力?虐待?暴言?虐め?
僕には関係ない、筈だけど。
君だったから、殺した。大切な、君だったから。
申し訳ないなんて思わない。むしろ清々しい。
やっと君の願いを叶えることが出来たのだから。
良かったね。嬉しいね。大切で、大好きな君。
これが僕の『幸せ』を知った瞬間の話。
9/23/2023, 1:01:36 PM