ネジが外れたウサギ

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8/24/2024, 12:58:59 AM

君との出会いは海の家だった。


誰かを待っているのか、
それとも一人で海に来たのか。
理由はわからないが、君は一人だった。


声をかけようか迷ってるうちに、
一緒にいた女好きの友達の亮太が声をかけた。


君はドキッとする。
そして、君は泣いている。


慌てふためく亮太をどけて、俺は君の頭を撫でた。
君は言う、「怖かったの」と。


亮太は必死に謝るが、君は違うと言った。


君はある男から逃げるためにこの海の家に来たらしい。
その男の声に亮太の声が似ていたのが
君を恐怖に陥れてしまった。


俺たちは君を匿うために俺の家に連れて行った。

事情を聞くと俺は条件付きで君と付き合うことにした。


条件。
それは、俺の妹として生まれ変わったことにすること

8/21/2024, 12:52:56 AM

さよならを言う前に君に渡したい物がある

それはミニチュアの本

何かに行き詰まった時はその本を開いてみて

たった一言の「悲し涙はサボテンの花を咲かせる」が

君にも奇跡を起こす道標になるから

8/19/2024, 6:12:32 AM

鏡の向こう側に行ったらどうなっているのか。
ふと考えたことがある。

しかし、鏡に映っているのは今の私の偽物。

その偽物が実はいないはずの双子のような人ならば
私は彼女に「入れ替わりたい」と誘ってみる。

彼女にとってこちら側の私は、鏡の向こう側だ。
だから、自分と同じ考えを持っているなら好都合。

文字や物が反転して見える世界は、
どこまで反転するのだろう。

人の恋心も逆ならば、私は向こう側の彼を探そう。
思いがけない世界を向こう側の私は楽しんでいるから

8/17/2024, 1:26:00 AM

「お前はどこに行ってもいじめられる」


それは学生時代に付き合っていた元彼の一言。

なぜそんなことを彼は言ったのかというと、

私が過去のいじめの話をしたからだ。


私は彼に会うずっと前、

幼稚園の頃からいじめっ子に目をつけられていた。

それから私は彼女(いじめっ子らのリーダー)を通して

高校を中退するまでいじめられ続けた。


原因などわからない。

だけど、何かが彼女にとっては気に入らなかった。

何を正せばいいのかわからないまま私は

心を病んだ大人になった。


同じような障がい者として当時の彼は

私に生きる術を教えてくれた。


「あなたがいじめられたのは、

人の話を聞くよりも自分のことしか話さないから」

そう言われてみれば、そうだったと思った。

だから、相手の気持ちを汲み取って話題を作った。

それが今にも生かされている。


元彼があの時言った通り、

私はその後も別の人たちにもいじめられた。

でも、職場のいじめの原因は明らかだった。

だからこそ、自分から必死になって解決に勤しんだ。


そして、今がある。

来月になれば入社して二年になる。


そんな私の誇らしさ。

それは、いじめに耐え抜く力と解決策を練る勇気。

逃げなかった私は最近では、

職場で従業員と「ありがとう」を交わしている。


8/16/2024, 6:20:58 AM

友達に裏切られ親とケンカした日の夜。

遺書みたいな手紙を入れたウイスキーの瓶を持って、

全てを投げ出したくなって家を飛び出した。


たどり着いた海の砂浜に、大きな亀が休んでいる。

「竜宮城に連れて行ってなんてことは言わない。

ただ、もし良ければ楽になれる場所を教えて欲しい」

と亀に言いたかった。


亀が動かないから、不安になって声をかけた。

「生きてる?」

亀は少し頭を動かして、こちらを見た。

ボーっとしてるだけだと思い、安心した。



持っていたボトルメールをどうしようかなと思いつつ

時間を忘れて私と亀は共に夜を過ごした。


水平線にオレンジの線が顔を出してきた明け方。

うたた寝をしている間に、気づいたら亀はいなかった。

あの亀はなんだったのだろうか。

でも、私に何も問いたださない無口な亀に感謝した。

気をもむことがない昨夜と亀は、私の疲れを癒した。


持っていたボトルメールを流さないまま

私は帰路についた。

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