ふうり

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10/21/2023, 11:12:23 AM

お互いの武器が、ぶつかりあう。

刀と短剣

白と黒がぶつかりあい、眩い火花が開花する。

もう、何時間経ったのだろうか。

お互いの気力が、体力が尽きるまで戦い続ける。

叫びながら、お互いの気持ちを声に出しながら、お互いに命を狙う。

傍から見たら、お互い狂っているのかもしれない。

どちらも、過去のことを引きずり、勝手に肥大化して、自身の重りとしたのだから。

もう喉がカラカラだ

刀を持つ手の感覚は無い

まるで接着剤でくっ付けているかのようだ

荒く一息を付き、殺意を形にして相手に斬りかかる。

私たちは、終わりが欲しかった。

それはきっと今なんだろう

体力が無くなるまで、気力が無くなるまで、命が無くなるまで、声が枯れるまで。

この戦いは続く

終わらせるために

お題『声が枯れるまで』

10/20/2023, 11:22:00 AM

絶対に叶えたい夢があった

何を犠牲にしても

誰を犠牲にしても

世界を犠牲にしても

絶対に忘れられない 手放せない夢

こんなに心血を注いでも 夢は叶わなかった

全てを巻き込んでしまった

いくら後悔をしても 

この舵は止まらない

この航海は終わらない

進み続けるしかないのだ

後ろには何も無い

目の前にある全てを薙ぎ倒そう

どんな手を使ってでも



「あーあ」

過去でも未来でもない
0でも100でもない
そんな場所から とある存在が、この光景を見ていた。
一人の男の、一つの世界の始まりを。

「やっぱり」

退屈そうで、嬉しそうで、悲しそうで、怒ったような声で独り言を呟く。

「始まりはいつも、狂った奴の結果なんだよね。」

お題『始まりはいつも』

10/19/2023, 11:09:16 AM

弓を弾き絞り、対象に向ける。
殺意の照準は、遠く離れた漆黒の化け物に向けられていた。

矢を放とうとしたその瞬間、背後から化け物の声が聞こえる。

まずい

後ろを振り向こうとしたその時、自身の横を何かが通る。
それは、すれ違い様に耳元でこう囁いた。

「こっちは任せろ」

音速のようにその人物は通り過ぎ、化け物が斬られる音と、化け物が苦しみ、倒れる音が背後から聞こえてくる。

馴染みある声の人物を信じ、前方の目標に向かって矢を放つ。
頭に命中して、化け物は倒れ込み、そして塵になって消えた。

一安心し、振り向く。

そこに居たのは、かつてすれ違い、今は同じ目標の為にすれ違った人物が居た。

お題『すれ違い』

10/18/2023, 1:25:15 PM

一人の少年が、墓の前で手を合わす。

感謝や報告を心の中で済ませ、穏やかな顔で墓を見つめる。

遠くから、自身の名を呼ぶ声が聞こえる。

そちらの方を振り向き、親友達の顔を見た後、また墓に視線を移す。

別れのように、軽くお辞儀をし、親友達の元へ向かう。

空には、ハッピーエンドのような、秋晴れが広がっていた。

お題『秋晴れ』

10/17/2023, 10:50:01 AM

綺麗さっぱり忘れたかった

僕が皆を殺したあの日を

皆を見殺しにしたあの日を

最後に彼女と目が合ったあの日を

助けようと手を伸ばしたあの日を

彼女の体がバラバラにになったあの日を

残ったのは残骸と死体のみだったあの日を

一人だけ残してしまったあの日を

裏切るきっかけになったあの日を

忘れたい

お題『忘れたくても忘れられない』

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