ふうり

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10/16/2023, 12:02:56 PM

何も見えない視界の中、近くからくぐもった声が聞こえる。

何を言っているか、良く聞き取れない。
どうやら、男女が話し合っているようだ。

ふと、真上から何かが開く機械音が聞こえた。
自身の周りの水が無くなっていく
どうやら、私はカプセルのような物に入っていたようだ。

カプセルが開き、やわらかな光が差し込んでくる。
目の前に居る、白衣姿の男性が私に話しかけてくる。

「$%=なんだな!?本当に!」

上手く名前が聞き取れず、首を傾げる。

「あぁ、起きたばかりですまなかった。今は少し休んでいてくれ」

その言葉を聞き、私の視界がぐるぐると回り始める。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐると
最後に待っていたのは、暗転だった。

お題『やわらかな光』

10/15/2023, 10:37:04 AM

化け物が、漆黒の鎧を身に纏った化け物が、鋭い眼差しで俺のことを見下す。

哀れだなと、言われているかのような目で、見下す。

何もできない
だが、終わりたくない。
まだ、あいつの願いを叶えていない。

そんな必死の願いが、何処かの誰かに届く。

この世界の闇、裏側。全てを知り、背負う覚悟はあるか?

低く、重苦しい声が頭に響いた。

その覚悟で、今死なずに済むんだったら。
いいぞ 背負ってやる

答えた瞬間、辺りが眩い光に包まれる。
光が収まった俺の手には、自分の体よりも大きな、漆黒の鎌を持っていた。

漆黒の化け物が、俺を見て怯む。
さっきのお返しと言わんばかりに、俺はそいつに鋭い眼差しを向けた。

さぁ、戦いを始めよう。

お題『鋭い眼差し』

10/14/2023, 10:05:06 AM

見返してやる
そんな思いで始めたこの物語

あいつらの世界の光を落とし
全てを漆黒の闇に

高く高く 天よりも高い城を築き
あいつらを恐れて慄かせてやる

さぁ、光の下の人間ども。
戦争を始めよう

暗闇の中で、誰かが言った言葉。

お題『高く高く』

10/13/2023, 10:44:38 AM

君に会いたい
太陽の下で、子供のように笑う君と。

晴れの時も、雨の時も、風が強い時も、雷が鳴り響いている時も、いつも笑顔を絶やさなかった君。

僕があげた、菊柄の袴を着て、嬉しそうにこちらを振り向く君。

物珍しそうに屋台を眺め、希望を詰め込んだ目を輝かせていた君。

そんな君と生きたかった
何故、僕だけ長生きしてしまうんだ。
君と共に生きたい ただそれだけだ
なぜ、この願いを神は許してくれないのだろうか。



とある研究所から見つかった、ボロボロの手記から抜粋。

お題『子供のように』

10/12/2023, 1:00:50 PM

ピンポーン

梨花の家のチャイムを鳴らす
暫く待つが、返事は無い。

「うーん 居るはずなんだけどなぁ あ、病院とかかな。」

体調不良で休んだ梨花の分のプリントと、今日の授業ノートを持って、もう一度チャイムを鳴らす。
やはり、返事は無い。
適当にポストにでも入れようとしたその時
家の中から、何かが割れる音が聞こえる。

「あうぇ? え 誰か居ますかー!」

隣の家にも聞こえるぐらいの大声で聞く
しかし、帰ってくるのはカラスの鳴き声のみ。

「もしかして、倒れてたり?」

不安と興味が混じり、玄関の方に近づく。
こういう展開ではありきたりな事に期待し、扉を開けようと、手をかける。
扉を引くと、ガチャリと開いてしまった

「あ、あの〜雪ですけど、誰か居ますか〜?」

扉を開け、中に入りながら呼びかける。
返事が無く、さっきの音の正体を探る為、家の中を探索する。
暫く探索した後にリビングに近づく
リビングの扉を開けたその時、雪は思わず手に持っていたノートを落としてしまった。
なぜなら

カーペットのように血が広がっていたからだ
奥には、梨花の母親が倒れており、手前には父親と梨花が倒れていた。

「え…え?」

何も言えず、動けずにいると、梨花の体がぴくりと動く。

「り、梨花?」

梨花は体をゆっくりと起こし、こちらに振り向く。
その顔は、悲しみという悲しみを全部背負ったような顔だった。
なにより、不可解な点は。

彼女の顔半分が、漆黒に染まっていたのだ。


9月30日
通り雨の次の日
青空と橙色の放課後
彼女の、雪の物語が始まった。

お題『放課後』


追記 書いてる途中に、データが吹っ飛んだので、いつもと違う雰囲気になってるかもしれないです。
(一発書きでは無いです)
つらい

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