ふうり

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ピンポーン

梨花の家のチャイムを鳴らす
暫く待つが、返事は無い。

「うーん 居るはずなんだけどなぁ あ、病院とかかな。」

体調不良で休んだ梨花の分のプリントと、今日の授業ノートを持って、もう一度チャイムを鳴らす。
やはり、返事は無い。
適当にポストにでも入れようとしたその時
家の中から、何かが割れる音が聞こえる。

「あうぇ? え 誰か居ますかー!」

隣の家にも聞こえるぐらいの大声で聞く
しかし、帰ってくるのはカラスの鳴き声のみ。

「もしかして、倒れてたり?」

不安と興味が混じり、玄関の方に近づく。
こういう展開ではありきたりな事に期待し、扉を開けようと、手をかける。
扉を引くと、ガチャリと開いてしまった

「あ、あの〜雪ですけど、誰か居ますか〜?」

扉を開け、中に入りながら呼びかける。
返事が無く、さっきの音の正体を探る為、家の中を探索する。
暫く探索した後にリビングに近づく
リビングの扉を開けたその時、雪は思わず手に持っていたノートを落としてしまった。
なぜなら

カーペットのように血が広がっていたからだ
奥には、梨花の母親が倒れており、手前には父親と梨花が倒れていた。

「え…え?」

何も言えず、動けずにいると、梨花の体がぴくりと動く。

「り、梨花?」

梨花は体をゆっくりと起こし、こちらに振り向く。
その顔は、悲しみという悲しみを全部背負ったような顔だった。
なにより、不可解な点は。

彼女の顔半分が、漆黒に染まっていたのだ。


9月30日
通り雨の次の日
青空と橙色の放課後
彼女の、雪の物語が始まった。

お題『放課後』


追記 書いてる途中に、データが吹っ飛んだので、いつもと違う雰囲気になってるかもしれないです。
(一発書きでは無いです)
つらい

10/12/2023, 1:00:50 PM