夏帽子 はずむお迎え 靴が鳴る
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おてて〜♪つーないで〜♪のーみーちーをゆーけーばー♪
で始まる童謡「靴が鳴る」が好き…なのを思い出したは良いけれど、頭からどうにも離れてくれないので、それを題材にしました。
園からの帰り道、麦わら帽子の幼い君と手を取り合って、口ずさんで帰った幸せな思い出
君はきっと覚えていないだろう。私の記憶にだけある宝物
(君に言うと嫌がるかもしれないから言わないが、
「くつがなる」と言えずに
「くつながる」と元気に歌う君は、
同じくらいの子が大抵そうであるように、
たいそう愛らしかったのだ)
神様、聞こえますでしょうか。
(この劣等感が優越感の裏返しなのであれば、
この厄介な感情が誰かを傷付ける醜い行動に変わる前に
消してください、神様!)
と先程祈ってしまった者です。
けれども神様、私は、その感情が無くなった私を好きでいられる自信もないのです。
ありがとうと言われて嬉しい感情に、一欠片の優越感も入っていないと言い切れる程、私は良い人間でしょうか。
優越感も劣等感もなくなって、私は、他人の為に何か努力できる人間でしょうか。
勝ち負けのあるものに努力することができるでしょうか。
勝ち負けのあるものを頑張る人を応援することができるでしょうか。
笑わそうとこちらにボケてくれる人の話を心から笑えるでしょうか。
神様、私は自分がどうしようもない人間だと知っています。
そしてそれを否定したい感情でやっと努力できる面も持っています。
だから神様、どうか
この厄介な感情が
他人を理不尽に傷つけないように
他人を利するように
飼い慣らす力をください。
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ヒトを羨まず、でも自らの技能の腕は磨く努力をして、他人を、世界を愛することができるように見える方は、いらっしゃいます。憧れるし尊敬します。眩しい!
あなたやそんな人と私は違う訳で、ヒーローみたいな心持ちの人はいる、いて欲しいと思っています。
でも、自分がその感情がない人になったらと考えると、サイコパスみたいになりそうなんですよね。
まぁ、無くしたくても無くならない感情だからこそ、他人と比べるな、昨日の自分とだけ比べろと唱え続けるくらいで、ちょうどいいのかもしれません。
困ってる人を助けた時に、劣等感を感じさせながらのありがとうなんかきくことのないくらいには、精進したいんだけどな。悔しいですね。
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群れや社会を形成する猿や犬や烏などに、優越感や劣等感があるのかは知りたいですね。
2人きりの研究室で、先生は情熱的に言いつのった。
「フタバくん!ボクは、君のことを、これまでずっと待っていた!この運命の瞬間を!」
まるで告白のような台詞だが、勘違いしてはいけない。フタバくんは私ではないし、ましてや人間ではない。
フタバくんは地中の古代遺跡の壺から発掘された植物の種だ。
でも、先生の輝く瞳は、その成果よりも私にとってはロマンティックだったから、そっとその横顔を撮ってから、双葉くんをカメラに収めた。
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フィクション。ギリギリになってしまいました。作中では使えませんでしたが、ロマンという外国語(英語かと思ったらフランス語で、しかもローマ時代の口語で書かれた庶民の小説という意味。あったなロマン主義。すっかり忘れた世界史)発祥の言葉に、浪漫という漢字が当てられているのが、好きです。
古代種子は、氷河から3万年2千年前のナデシコの種子が発芽していたり、イスラエルの洞窟から2千年前のナツメヤシが発芽していたり、日本では2千年前頃の地層のハスが発芽していたりするらしいです。んー!浪漫!
ネトゲで出会った友人であり、アパートの隣人であるイツヤは、いつも語尾に感嘆符をつけて喋るような人間だった。明るいが考え無しで、行動力はあるがせっかちで、LINEはメッセージより通話を好んだし、たまに送られてくる文面は単文が羅列され、翻訳中の外国語のようだった。
そんなイツヤから俺に珍しく単文でないLINEが一件来た。
しばらく帰れん!お宝処分よろ!引き出し二段目!家の机!鍵番0528!元気!しばいたら帰る!
色々とツッコミどころが多過ぎる。俺は眉間を解しながら矢継ぎ早に返信を打った。
今どこにいるんだ?
語尾が勢い良過ぎる自覚あったんだな。
何をしばくんだ。
俺お前の家行って不法侵入で捕まらんよな?
いつ帰ってくるんだよ。
帰り次第、鍵の番号をわかりにくいのに変えろ。
色々と尋ねたいのに全く既読がつかない。
半日待って変わらない画面を確認した俺は重い腰を上げた。俺達が住んでいるこのアパートでは、数字の暗号鍵でも、普通鍵をかけていない場合のみ開錠できるようになっている。
(い…つ…や…)
0528と入力して隣の部屋を開錠する。おそるおそるお邪魔した部屋は、全てがやりかけで終わっているような有様だった。 米粒のついた茶碗。半分だけ開いたカーテン。片方だけ部屋の真ん中にあるスリッパ。頑張ってそれらを無視して、イツヤが指定した「お宝」を確保した俺は深いため息をついた。
ケモ耳の娘がミミズのようなものに囚われている表紙のソレやアレを濃紺の袋に入れて厳重に封をする。
オマエのお宝は俺が預かった。
俺の趣味と疑われたくねぇわ。
さっさと、しばき倒して帰ってこい。
既読のつかないLINEに追加で送る。
何お前、魔王でも倒しに行ってんの。
流石に、送った後にすぐに消去する。
しかしイツヤなら、今流行りの異世界転移とやらをしても、ケモ耳の女の子に囲まれて大喜びしながら最短で問題を解決してくるだろう。
(いやまさか…まさか、な。イツヤの好きな展開に影響されすぎ。)
結局、だ。
イツヤがWi-Fi設備の壊れた遠洋漁業船から、冷凍マグロの写真を片手に帰ってきたのは数ヶ月後。
「重要なことが抜けてるわっ!
変な言い方すんじゃねぇ!
何よりてめえの性癖の変な布教をすんじゃねぇっ!」
イツヤに対する俺の言葉全てにしばらく感嘆符がついたのは仕方がないと思う。
あー!もー!おかえりっ!
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フィクション。その後連絡がつかなくなった相手からのメッセージは気になるだろうなと思って作りました。多分マグロはしばいて獲りません。
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調べたら遠洋漁業船は今ほぼWi-Fiついてるし、バイトは無くて正社員だし、思い付いたは良いけど本当は割と詰んだ設定でしたね。10年くらい前ならありなのかもしれない。
ただ、明るくてサッパリした性格のイツヤは、ネトゲで廃課金者なので勢いで漁師さんになっても良いかもしれない。ただし一本釣り猟法は2時間とかかかる我慢比べでもあるらしいので、無理だな。
在宅ワーカーな「俺」はコツコツが得意なツッコミ役だけどイツヤみたいな明るいぐいぐい系の人になんだかんだ救われる人。
久しぶりの友へのLINEを送ることができる人がイツヤで、受け取って返信内容に悩むのが「俺」かな。
…これを小説内に盛り込むんだよ!(反省会)
好きな人の写真を枕の下に置いて寝ると、その人が夢に出てくるよ♡という女児向けのおまじないを、皆様は試したことはあるだろうか。
私は、ある。
当時好きだったアイドルの雑誌の切り抜きを丁寧にハードケースに入れて、丁寧に枕の下に置き、これまた丁寧に髪をブローして、なんならお気に入りの香水をシュッとかけて、寝た。
しかして、夢は、見た。
ただし、鳥の着ぐるみを着た私が、推しにチュンチュカ囀られながらハリセンでしばかれる夢を。
「せめて、日本語を喋って欲しかったな。」
目が覚めると、網戸の外で鳥は囀り、枕から大きくズレていたハードケースが覗いていた。切り抜いた雑誌の裏は人気芸人だった。
そのアイドルがドラマでシリアスに涙を流すシーンを見ながら、どうしてもその夢を思い出す私。残念ながら幸せな擬似恋から目が醒めるのには、そう時間はかからなかった。
おまじないはお呪いと書くのだと、まだ知らない頃の私の話。
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フィクション。夢で擬似恋に気付くこともあれば、逆もあるかと思いまして。
後なるべく、どうでもいい話を書いてみたかったのです。
チュンチュカ チュンチュカ チュン!!
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目が覚める、迷いから覚める
酔いが醒める、覚醒
味噌汁が冷める、ほとぼりが冷める
恋の場合はどれが正解か悩みましたが、欠点を見つけて嫌いになった時は恋から冷めるだけど、アイドルへの擬似恋だと、酒から醒めた場合と似てるかなと思い醒めるにしました。
酒と推しは百薬の長。
醒は、酒器と澄み渡った星空が合わさって清と同じ読みと意味になった漢字。物語性を感じる成り立ちですね。