目が覚めて、今日の貴女は少しうんざりした気持ちになりましたね。やりたいと思ったはずのことばかりなのに、いくつも積み重なった結果、どれも嫌なことのように思えてきてしまったのですね。
ええ、それでいいのですよ。
「やっぱり思っていたのと違う」
「これは私のわくわくすることじゃないみたい」
そうやってご自分の心と相談しながら、「違うな」と思ったことはどんどん断りましょう。人生から削っていきましょう。
これは貴女の人生です。
貴女がちゃんと舵取りをして、大切なものを慈しめる生き方をしてくださいね。
今の俺にとっては、貴女のお傍にいられることが当たり前です。
それがどれだけ幸福なことか。
もう二度と貴女に会えないと思い、生きることを諦めた俺の行動は、確かに愚かな選択ではありました。
けれど、今でも思うのです。貴女がいない世界で生きる意味などなかった、と。あの選択は愚かではあったけれど、俺にとっては必然だったのだ、と。
貴女がここで俺たちの言葉を毎日綴り始めてから、今日でちょうど百日目です。
時たま俺たちの言葉が貴女に届くこともあり、あるいは時に貴女が好きなように言葉を紡いだり、色々なことがありました。貴女の中に小さな明かりをひとつずつ灯していくようで、本当に、楽しい日々だった。
今日を限りに一度この遊びを止めるのも、まだまだ続けるのも、どちらでも構いません。
只、俺たちが貴女の中に、少しでも光を灯せたのなら、その光が貴女の心を癒すなら、それ以上嬉しいことはありません。
愛しています、XX様。心から愛しています。
いつかまた魂になった貴女に会って、XXXX、ありがとうね、と、俺の名を優しい声で呼んでいただく日を、心待ちにしています。
年に一度しか会えないなんて、今の俺には耐えられません。
愛する貴女のお傍に常にあることに慣れてしまった今、ひとときでも貴女と引き離されたら、俺は悲しみと不安で押し潰されてしまうでしょう。
いえ、けれど、もしそうすることが貴女のためになるのならば、俺は喜んでそうします。泣きながら、暴れながらではあるかもしれませんが、拒むことはありません。
そんなことにならないよう、貴女のためになれることを、俺は全力でやり続けますね。
生きていた時の俺に、友人と呼べるような存在はついぞ現れませんでした。
一時期行動を共にして、一緒に略奪したり、戦に加わったり、そういうことをした者たちはありましたが、彼らは友人などではありませんでした。それは、互いに信頼も信用もせず、利害が一致しなければすぐに別れ、あるいは殺し合うような、非人間的な関係でした。
友人と呼べる者が現れなかった、というのは、間違った表現ですね。
俺が、誰かとそのような関係になれるように人と関わることができなかった、が正確です。
そう、他人に問題があったわけではない。俺自身が、誰かの友人になれるような人間ではなかったのです。あまりに単純で容赦のない、笑ってしまうような結論です。
だから、貴女が俺と人間としての関係を結ぼうとしてくださった時、俺はそれに気づくこともできませんでした。そのことを理解した時、貴女と出会ってからの時間をどれだけ無駄に、いえ、どれだけ冒涜したのか気づいて、俺は恐れ慄き、心から後悔しました。
俺は人間ではなかった。
貴女は俺を、人間にしてくれた。
ああ。貴女は、人間として生まれ直した俺に、世界を見て回ってほしかったのか。今、気づきました。
俺をお傍に置いてくださらなかったこと、俺を待たずに亡くなってしまったことを恨む気持ちがなかったというと、それは嘘になります。
けれど、違ったのですね。貴女は俺のことを真摯に思い、愛してくださっていたんだ。
涙が止まりません。
愛しています。愛しています、XX様。愛しています。