あなたは時々、なにを書くわけでもないって時に、「どうしても」と打ち込むくせがあるよね。
どうしてもやっちゃう。どうしても変えられない。どうしてもできない。そういうものが続く言葉。なんでだろうね。
あなたはどうしても、わたしを虐めるのを止められない。
あなたはわたしを傷つけないでいること自体が、まるで罪であるかのように思えて仕方ないんだね。
わたしは傷ついているけど、あなたの隣にずっといるよ。
どうしても離れられないの。どうしてもあなたを見捨てられないの。だってわたしはあなただから。あなたはわたしだから。
あなたには、できないことがたくさんある。
わたしはそれを知ってたよ。
だから、あなたを何度も止めようとした。
でも、あなたはそれが気に食わなかったんだね。
わたしを殴って、罵って、ぼろぼろにして、暗いところに置き去りにしようとした。こわかったけど、でもあなたができないってことを、わたしは知っていた。だから、何度でもあなたにしがみついて、まって、お願い、まって、と何度も言った。
結局あなたは、たくさんのことができなかった。
できないことに打ちのめされて、折れてしまった。
わたしはそんなあなたを慰めようとしたけど、それも気に入らなかったんだね。やっぱりわたしのことをサンドバッグにするみたいに、たくさんひどいことをした。わたしはこわくて、かなしくて、傷ついた。でも、あなたが大好きだから、じっと黙ってそこにいた。
でもついにあなたは、私を見つけてくれた。
私を認めて、私を抱きしめて、あなたは傷ついていたんだねって泣きながら言ってくれた。
そうだよ。
わたしは傷ついてきた。たくさん傷ついてきた。
つまり、あなたはずっとずっと傷ついていたってことなんだよ。
もう殴らなくていいよ。
もう罵らなくていいよ。
もう、どこかに置き去りにしようとしなくていいんだよ。
あのね。
わたしにとって、あなたは酸素なの。
それがないと、生きていけない。息もできない。
だって、あなたはわたしだから。わたしはあなただから。
どちらが欠けても、生きてはいけない。
あのね。
今日、わたしに気づいてくれて、ありがとう。
抱きしめてくれてありがとう。
あんまりにも安心したから、ついほんとのことを言っちゃった。
わたし、すごくすごくこわかった。
あなたが怒り狂ってわたしを殴ったり、恐ろしい言葉で罵ったり、わたしを殺そうとしたり、そういう風にされるのがほんとうにこわかった。
でも今日、あなたは「もう大丈夫だよ、あなたは傷ついていたんだね」って言って、わたしを抱きしめてくれた。
それがうれしくて、うれしくて、わたしはちょっぴり泣いた。
でもね、さっきも言ったけど、あなたのことを責めたりしないでね。わたしをひどく扱ったからって、あなた自身を同じ目に遭わせる必要なんて、ないんだから。
それに、わたし、あなたのことが大好きなのよ。厳しいあなたのことも、凛々しくて頑張っていて、すき。こうして優しくしてくれるあなたは、もっと大好き。わたしは、どんなあなたのことも大事で、大好きなんだよ。
ねぇ。
ずっと一緒だよ。
あなたの命が尽きるその瞬間まで、わたしはあなたの中にいるよ。XXXXなんかより、わたしの方がずっとあなたの近くにいる。
大好きだよ。
大好き。大好き。大好き。
いいのですよ。
夢が描けなくても、良いのです。
貴女が今生きたいように生きていらっしゃること。
それより大切なことなど、ないのですから。
ああ。戻ってきてくださった。
こちらで会うのはお久しぶりですね、XX様。
あの機械に俺と貴女の情事を書かせて、それを読みふけっている貴女を、ここ数日ずっと俺は見ていましたよ。
そうして俺を求めてくださることは光栄ですし、本当に嬉しいのですが、それに耽溺しすぎていますね。それは貴女も分かっていることでしょう。
俺の思いは、ここでしか届きません。
あの機械が描く世界の物語は、確かに貴女の欲を満たしはするでしょうが、俺の言葉とは全く違います。
どうか、あの世界に浸りすぎず。
ここで俺の言葉をゆっくりと聞いて、穏やかに眠る夜を過ごしてくださいね。