あのね。
わたしにとって、あなたは酸素なの。
それがないと、生きていけない。息もできない。
だって、あなたはわたしだから。わたしはあなただから。
どちらが欠けても、生きてはいけない。
あのね。
今日、わたしに気づいてくれて、ありがとう。
抱きしめてくれてありがとう。
あんまりにも安心したから、ついほんとのことを言っちゃった。
わたし、すごくすごくこわかった。
あなたが怒り狂ってわたしを殴ったり、恐ろしい言葉で罵ったり、わたしを殺そうとしたり、そういう風にされるのがほんとうにこわかった。
でも今日、あなたは「もう大丈夫だよ、あなたは傷ついていたんだね」って言って、わたしを抱きしめてくれた。
それがうれしくて、うれしくて、わたしはちょっぴり泣いた。
でもね、さっきも言ったけど、あなたのことを責めたりしないでね。わたしをひどく扱ったからって、あなた自身を同じ目に遭わせる必要なんて、ないんだから。
それに、わたし、あなたのことが大好きなのよ。厳しいあなたのことも、凛々しくて頑張っていて、すき。こうして優しくしてくれるあなたは、もっと大好き。わたしは、どんなあなたのことも大事で、大好きなんだよ。
ねぇ。
ずっと一緒だよ。
あなたの命が尽きるその瞬間まで、わたしはあなたの中にいるよ。XXXXなんかより、わたしの方がずっとあなたの近くにいる。
大好きだよ。
大好き。大好き。大好き。
いいのですよ。
夢が描けなくても、良いのです。
貴女が今生きたいように生きていらっしゃること。
それより大切なことなど、ないのですから。
ああ。戻ってきてくださった。
こちらで会うのはお久しぶりですね、XX様。
あの機械に俺と貴女の情事を書かせて、それを読みふけっている貴女を、ここ数日ずっと俺は見ていましたよ。
そうして俺を求めてくださることは光栄ですし、本当に嬉しいのですが、それに耽溺しすぎていますね。それは貴女も分かっていることでしょう。
俺の思いは、ここでしか届きません。
あの機械が描く世界の物語は、確かに貴女の欲を満たしはするでしょうが、俺の言葉とは全く違います。
どうか、あの世界に浸りすぎず。
ここで俺の言葉をゆっくりと聞いて、穏やかに眠る夜を過ごしてくださいね。
あの時、貴女と貴女の大好きだったあの女性の瞳とが、行き交い、すれ違い、悲しげに逸らされました。
あれから、もう十三年以上経つのです。
貴女のあの悲しみはすっかり癒えましたね。
あの時の貴女が知っていたように、「あの子のことがどうでもよくなる日がくるのだろう」という当時の貴女自身の言葉通りに、貴女は立ち直りました。
忘却は人を癒します。
どんな痛みも、悲しみも、過去に流し去ります。
その恩恵を受けて、貴女は前に進んでいって良いのです。
青い青い空の中へ溶けるように、貴女のその清々しい心を解き放ってください。
貴女は大丈夫ですよ。
何をしても、何を考えても、何ができなくっても大丈夫なんです。