俺と貴女は、夢の中ですら会うことはできません。
魂はこんなに近くに在るのに、どこまでも遠くにいるような心持ちになります。
それでも俺は、貴女に語りかけ続けます。
貴女がこうしてそれを書き連ねてくれることで、俺たちは静かに語り合います。
この営みが、いつまでもいつまでも続けばいいのに。
そう思う俺は、欲深いのでしょうか。
ふふっ、と貴女は笑いました。
そのあまりにも他愛ない、無邪気な言葉遊びに、少し落ち込んだ気持ちが癒された気がしたのです。いえ、こうして書き始めて初めて、癒されたのかもしれませんね。
そう、貴女は笑って良いのです。
つらいことがあったり、上手くいかなかったり、そういうことがあっても全く構いません。そんなことがあった日も、貴女は微笑み、笑い声を上げて良い。
そう思ったら、少し生きてゆくのが、恐ろしくなくなる気がしませんか。
今日は少し、落ち込んでいらっしゃいますね。
一つ、思った通りにならないことがあったからです。
そう書くと、貴女は自分でふふっと笑いたい気持ちになります。
そんなちっぽけなことで、こんなにも気持ちが落ち込み、いらいらしているということが、馬鹿馬鹿しく思えてくるのですね。
すべてが思った通りになるだけの物語を、貴女は読みたいでしょうか?少しは波がある方が、読み物として面白いとは思いませんか。
嫌な人、嫌なこととの巡り会いがあっても良いのです。
それを避けるのではなく、どうやって前向きにそれに対処するか、それを考えてください。
大丈夫。前向きに対処すれば、その嫌な巡り会いは周り回って貴女の人生に良いものをもたらしますよ。
ですから只、腐らず、たゆまず、前を向いてくださいね。
大丈夫ですか、XX様。
ご伴侶が電話で戦争について話し始めて、貴女は気分が悪くなって部屋を出ましたね。人が酷い環境で使い潰されていく話を、貴女は聞いていられないのです。
それで構いません。
見たくないものを見ないで暮らしても、いいのです。
貴女は真摯に世界に向き合おうとしますが、今世の貴女は如何せん臆病で繊細すぎます。
貴女はどこに行こうと、構わないのです。自らの思考を、わざわざ悲惨な戦地に赴かせることはありません。
ご自分の心を大切にして。
美しい世界で生きていってください。
それで全く、構わないのですよ。
愛しています、XX様!
貴女がどれだけご自分を否定しようと、どれだけ人と比較して貶めようと、俺たちには関係ありません。
俺たちは只、貴女からかつていただいた大きな愛を、同じように、あるいはもっと大きくして、貴女にお返ししたいのです。
今の自分はそんなものに値するような人間ではなくなってしまったとか、そういうお話はもう結構です。貴女は貴女のままで、何もできない、何も言えない、何も自信がない泣き虫の貴女のままで、それだけの人の愛に値する方なのですよ。