相合傘
〇〇个××
朝、いつも通りバカな落書きを消して、自分の机に座り窓から校庭を眺める
今日は風が冷たい、もう夏が終わったのか
今日の授業は算数、国語、体育、体育、理科、保健か
また彼女に教科書を借りよう
〇〇个××
「また書いてるな〜」
僕は昨日と同じく黒板の落書きを消す
今日は、昨日より風が冷たい
今日の授業は国語、理科、数学、社会、体育、体育か
今日は、彼女と一緒にお昼を食べよう
「ヤバいって、ここガチで出るとこだから!」
「ガチで出るとこじゃなきゃ、肝試しの意味がないでしょ? ほら、行くよ!」
僕らは懐中電灯片手に、五年前に廃校になった学校に忍び込んだ
ガタッ
「ひっぃ! なんか音したぞ?!」
「大丈夫、大丈夫」
僕らは恐る恐る教室の扉を開ける
「ほらね? なんにもーーー」
「ん? どうした? おい?!」
僕は懐中電灯で教室を必死に照らしたが、彼女が居ない
「おい! おい!」
どれだけ探しても彼女が見つからない。教室を出たのかと思い、僕は教室の扉を開けた
「ねぇ? 次国語だよ?」
耳元に見知らぬ声がして僕は意識を失った
最後に見えたのは、黒板の端に彼女と、死んでしまった僕の親友の名前が書かれた相合傘だった。
未来
それは、本当ならもっと輝いていて、素晴らしい物であるはずだった
でも時代が、人がそれをどんど苦痛に変えた
でもみんな気づいていない
だから言う
「どんなに辛くても君には未来がある」っと
いらないよ、未来なんて
大好きな本だった
その本が完結するまでは死ねないって、それで死なないでいられた
その本がどんな未来に進んでも、全てが愛おしくてその本と向き合っている間だけ、私は幸せという物を噛み締めていた
でもある日、その本を手放した
裸足で踏むパラペットは冷たくて驚いた
下を見たら怖くて死ねなくなるから、前だけ見て足を外す、まさにその瞬間
背後に強く引っ張られて、尻餅をついた
「まだ、終わってないんだけど?」
そこには、会うのは初めてだけど、自分のこと以上に知っている少女が私を見下ろしていた
「ねぇ、私を生み出した責任とってから死んでよ......」
「うん......そうだね、全て終わらせたら一緒に死のう」
僕は再び筆を取った
タイトル「私の本」
やりたいこと
海外旅行がしたい
豪華な家に住みたい
愛されたい
回らないお寿司が食べたい
結婚したい
推しのライブに全通したい
キスがしたい
暇な時に映画館に通いたい
お腹が空いた時に毎回マックをウバーしたい
デートがしたい
友達と徹夜でお酒を飲んで語り合いたい
異性と会話がしたい
愛されたい......
必要とされたい......
ここに居てもいいと、許されたい......
私のことを見て欲しい......
全て、私には無理だ......
私には何もできない......
何もできない私に何も得ることはできない......
愛されたかった......
最悪
早く手放したいのに、それはいつも付き纏ってきて、手放した記憶がないほど、私の人生の隣にいつも居る
そいつは、私が全力で逃げても、しっかり私に追いついて、たとえ私が笑顔で笑っていようと、「お前は、そんなに無神経に笑っていい側の人間か?」と、耳元で囁く
そいつを手放すのが、幸せになる条件だとそいつと出会う前からわかっていた
けれど、それを手放すのは不可能だ
そいつは、毎日僕を蝕む
毎日毎日そいつが隣にいる限り、[自分]とやらが少しずつ消えていく
そうしていつか、色が消えて、音も消えて、感情が消えて、最後に心が消え去る
この道は限りなく死のそばをギリギリで歩いて最後に向かうとわかっている
しかしもう手遅れだ
僕はもうそいつに依存している
そいつに依存することは、楽なんだ
苦しい、死にたい、そんな感情は確かに辛いけど、自分に優しくする免罪符になる
幸せを求めて日々前に進むというのは、一度足を止めた人間には酷である
不幸でいることは怠慢で、幸せを求めないことは卑怯だと知っているけれど
今日だけはと、日々をドブに捨てる
明日こそは、家を出られますように。