スイ

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7/17/2023, 5:55:42 PM

「遠い日の思い出」
いつかの記憶、遠い遠い、いつかの記憶。
何の変哲もない景色が、窓から見えて、何度も見た過去の、いつかも解らない記憶を蘇らせる。
ぼんやりと夢心地で、不快さだけを感じる過去に溺れる。
本当に現から地縛から離れてしまいそうになる。
ぐぅっと目を覚まして、不快さと眠気を沈めながらまた窓を目に映してみる。
ぼんやりと木漏れ日が窓から絨毯を通って、私の座っているロッキングチェア、の木の色を美しく照らした。

7/15/2023, 8:08:18 AM

「手を取り合って」
ふらふらと、歩く。
屋台と人のオレンジ色の道を、足で道を探して、隙間を縫って歩く。目立つ背を追い掛けて、屋台の裏側に回る。
互いに乱れた浴衣を払って直して。
神輿が通り過ぎて、人がさっきよりかは通る。
「もう少しまわろうか、」
手を伸ばされて、雑巾みたいに乾いた喉を絞って返事をした。

7/11/2023, 12:09:23 PM

「1件のLINE」
ただ一言をずっと待ってるよ。
貴方に落される事すら望んでるからさ、待ってるよ。
いつからかな、君が何も言ってくれなくなったのは?

7/8/2023, 4:41:07 PM

「街のあかり」
街から少し外れた、山の上。
麓には田んぼやら、誰かの墓があったり地蔵が置いてあったりする。
走り屋の煩い車の音と、なんだか忘れた夜を囃す虫の音に包まれて、街を見渡してみる。
いつも過ごしてる街の、いつも行くスーパー、コンビニ。
今通った電車の中で光の粒。下には確かトンネルがあったかな。
一つ、正面に見えるマンションの光が消える。
私もさっさと家に帰ろう。夜に酔えるほど豊かな人間では無かったみたいだよ。

7/6/2023, 3:17:21 PM

「友達の思い出」
寒々、布団を被りながらパチっと音を立ててスマホを充電器から抜く。
また、喋って喋って喋って喋る。お互いに相手の話に興味なんて無く、自分の話を聞く、都合の良い人間を呼ぶ、友達に酔う。
陽が落ちたか落ちないか、それくらいの所から、何方かが夕食に呼ばれるまで。楽しく……楽しく……。
何の中身もない会話の承認欲求を一対一で満たす為に。
たのしく……たのしく……。

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