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2/4/2026, 11:39:18 AM

場所で意味が変わるのだと
蠱惑的にあなたは笑う
額は祝福 頬は親愛
瞼は憧憬 髪は思慕
手甲は敬愛 足甲は服従
手指は賞賛 足指は崇拝
どこにするかとあなたは問うた
問われずとも決まっていた
小さなあの子の似姿に
祈りを込めて口付けた

‹Kiss›

2/4/2026, 9:07:19 AM

もし本当に遠い未来
君が生まれて来るのなら
探してはあげない
追いかけてあげない
君の力で辿り着いて

でも本当に遠い未来
君が生まれ変わるなら
隠れたりしない
逃げたりしない
君が望むなら辿り着ける

‹1000年先も›


旅立つ友に花束を
その道程に晴天を
振り返る友に花束を
並んだ初心を無くさぬよう
消え行く背中に花束を
まことの友よ願わくば
その身に満ちたる愛の音を

‹勿忘草(わすれなぐさ)›

2/2/2026, 10:05:40 AM

昔、好きな遊具があった
回る球形のジャングルジム
ゴンドラみたいなブランコ
列車ごっこじみた遊動木
小さな魚のいる噴水
今はほとんど無くなって
すっからかんな公園に
静かな風が吹いている
砂埃だけが遊んでいる

‹ブランコ›


艱難辛苦の荒波を超え
遂に果たした世界平和
沸き立つ民衆を潜り抜け
政の思惑を振り切って
走って走った故郷へ
大切な人達の居る場所へ

けれど必死に止める人がいて
その為に襲う人すらいて
何だか嫌な予感がして
走って走った故郷へ
何度も辿った道筋を

地図を見た 方角を数えた
けれど其処には何も無い
人も家も草も地も
何も何も何一つ

耳元に声が囁いた
間髪入れずに頷いた
何処にも帰れぬ平和なぞ
何にも何にも価値が無い

‹旅路の果てに›


開けた手のひら大きな蛙
怯える無様を嗤っていた
開けたプレゼントは虫まみれ
上がる悲鳴を嗤っていた
掛けた言葉の棘まみれ
震える背中を嗤っていた

開けた靴箱に手紙が一つ
拾う指先を見つめていた
開かず手紙はびりびりと
開かずプレゼントは潰されて
開けた手のひら振り払われ
「永遠に赦さない」と
冷たい声で嗤っていた

‹あなたに届けたい›


大好きだよ、と君が言う
その目は私を見ていない
愛している、と君が言う
その目は私を見ていない
そっと近付いて口付けた
その目は私を見ていない
見えないくせに見ようとして
ほんとうほんとうバカな人
さようなら、と最期にちゃんと
君に言えていたのなら

‹I LOVE…›


故郷に戻ってきた
優に数十年振りだった
駅からのバスは無くなって
三十分の徒歩の道
友人達とぎゅうぎゅうに
なりながら通学したなと
バスの面影を追おうとして

買い食いした商店も
駄弁っていた公園も
入り浸った友人の家も
更地か、あるいは全く別の
建物に成り代わっていた

そういえば
実家も立て直したと聞いていた

不意に
わたしが懐かしむべき街は
もう無いのだと気が付いた

‹街へ›

1/28/2026, 9:38:51 AM

優しい優しい女の子
涙にハンカチ
笑顔に花
優しい優しい女の子
傷に手当
暴力に忍耐
優しい優しい女の子
罪に赦し
罰に慈悲
優しい優しい女の子
気持ちに鈍感
殺意に無力
優しい優しい女の子
けれど誰も覚えてない
なのに誰にも想われない
優しい優しい女の子
可哀く愚かな聖人紛い

‹優しさ›

1/26/2026, 11:29:05 AM

夜の一番暗いとき
見付からないようおまじない
昼の一番明るいとき
見出さないようおまじない
月の一番満ちたとき
見入られないようおまじない
日の一番輝くとき
見潰れないようおまじない
深淵の一番深いところ
見返されぬようおまじない

‹ミッドナイト›

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