新年度早々、大きな地震にビックリな物書きです。
茨城県が震源で、いちばん揺れたのは北隣、栃木県とのこと。
揺れた地域の皆様には、何事もなくそれこそ「幸せに」、今日1日あってほしいばかりです。
と、いうことで今回のお題、「幸せに」のおはなしの、はじまりはじまり。
最近最近のおはなしです。
都内某所、某杉林の奥深くに、通称「領事館」と呼ばれる建物がありまして、
そこは、「ここ」ではないどこか、別の世界に本拠地を持つ、「世界多様性機構」の所有物でした。
機構の領事館の目的は、まだ若くて安全な世界に、
滅んでしまった世界、滅びそうな世界の難民たちを、密航によって住まわせて、
彼等の「第二の故郷」での暮らしを、幸せに、静かに、送れるように支援すること。
たとえば言葉の壁がありますので、
先進世界の技術で作られた翻訳器を貸し出したり、
あるいは健康の問題もありますので、
現地世界の栄養に関する情報提供をしたり、
もちろん、金銭面の不安もありますから、
就職活動のサポートをすることもあるのでした
が、
実はこの領事館
親組織の世界多様性機構含めて
やってる事業が違法かつ高額多額なこともあり
ドチャクソに、バチクソに、財政難なのです。
多様性機構にはカネがない!
都内の杉林の奥深くで、東京に逃げてきた難民たちのために、
領事館の職員たちはアレしてコレしてソレもして、
商魂たくましく、資金づくりに奔走するのでした。
「4月はまず、エイプリルフールストアを開設だ」
領事館の館長さん、スギというビジネスネームの彼が、早くも新しいビジネスを開始しました。
「1日限定、好評なら日曜まで延長!不評でも『エイプリルフールでした』と言い逃れができる!」
どうせ別世界の技術を使えば、原材料費などゼロ同然!ふはははは!
領事館のスギは勝ち誇って、いわゆるタヌキの皮算用。もう儲けた気でいます。
「すべては難民たちが、この世界で幸せに暮らせるようにするためだ!」
大儲けしたら余剰を投資に回して、
憎いにくい世界線管理局の連中に対するセキュリティーを強固にして、
それでも余ったらちょいと贅沢なランチをぐへへ、
いやいや、まずは、難民たちの幸せに寄与するランチパーティーを企画しよう。
スギは計画をパパっとたてて、
都内で開催中のイベントをチャチャっと調べて、
イベント地域のはじっこにコッソリ入り込めそうな場所を見つけますと、
さっそく、エイプリルフールストアの露店を、そこに出店することにしました。
どうせ、4月1日だけの出店です。
エイプリルフールなのです。
バレっこないので、問題ないのです。
「さてさて。何のショップとして出店しよう……」
すべては領事館の資金のため、
もとい、滅んだ世界から逃げ延びてきた難民たちに、幸せに日々を過ごしてもらうため!
領事館の館長・スギは、露店の大盛況を想像して、高笑いしておりました。
だけどスギは、知りませんでした。
スギが近くで露店を出そうとしていたイベントは、
領事館陣営の「天敵」が、訪問予定なのでした……
コンビニやファミレス等々で、妙な確率で見ず知らずの相手とガッツリ目が合うと、
それこそ何気ないふりして、流れるように視線を外したがる物書きです。
今回のお題が「何気ないふり」とのことなので、
それっぽいおはなしをひとつ、ご紹介します。
最近最近のおはなしです。
3月も終わり、春めいて、シトラス系の香りも上品な山椒の若葉が、少しずつ、茂り始めます。
山椒の若葉はウナギの蒲焼きにはもちろん、
パスタに使えば風味よく、焼き魚と一緒に出せば爽やかな、味変素材になるのです。
そして山椒の若葉とミントの若葉をどっさり使って、ハーブティーをこさえれば、
心も気分も、さっぱり、リフレッシュなのです。
そんな山椒の若葉をちょこちょこ、ぷちぷち、
都内某所の某稲荷神社敷地内に住まう稲荷狐のお母さんとおばあちゃんが、
別世界から来た世界線管理局の局員1人と一緒に少しずつ、まんべんなく、
しかし、たくさんの樹からどっさり収穫して、
水で、ササッと洗ったのでした。
豊穣は稲荷の神様の、とてもお気に召すところ。
お母さん狐とおばあちゃん狐は、どっさり収穫した早春の美味を、
山椒味噌にしたり、ハーブティーにしたり、てんぷらにしたりするために、
それぞれ分けて、丁寧に丁寧に仕込むのでした。
というのも
稲荷狐の一家だけでは食べきれいないので
神社の宿坊利用者のための料理の
有料オプションとして提供するのです
(稲荷神社の御利益のひとつは商売繁盛)
「奉仕、感謝します」
管理局の局員が、収穫の最初からから仕込みの最後まで手伝ってくれたので、
稲荷狐のお母さんは、お礼を言って、収穫した山椒の若葉を局員に、報酬として渡しました。
「木の芽をとって洗って分けて、お疲れでしょう。
木の芽茶が入りましたので、どうぞ1服、休んでいってください」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて」
局員はビジネスネームをツバメといいまして、
「こっち」の世界のコーヒーはちょこちょこほぼほぼ毎日キメておるコーヒージャンキーですが、
ハーブティー、特に山椒の若葉を使ったフレッシュな季節系ハーブティーは、初体験。
「ああ」
湯気と一緒に香りを吸い込むと、
ツバメの嗅覚を、脳を、心を、和風シトラスたる山椒の、爽やかさが抜けてゆきます。
「美味い」
1杯をゆっくり堪能して、2杯目のおかわりを頂いて、ツバメは春を楽しみました。
ところで今回のお題は「何気ないふり」でして
(お題回収開始)
翌日、ツバメは山椒と、ミント等々をブレンドした、お母さん狐特製のハーブティーを持って、
世界線管理局経理部のエンジニア、スフィンクスのコタツへ向かいました。
スフィンクスはシトラス系がとっても大好き!
ツバメは機械いじりの得意なスフィンクスに自分のバイクのアレコレを世話になっておりますので、
お礼を込めて、渡そうと思ったのでした。
「スフィンクス査問官」
経理部の窓際の、スフィンクスのコタツに向かいますと、スフィンクスは既に香りを察知!
ドチャクソに、間違いなく、歓喜の気配です。
だけど何気ないふりをするのです(お題)
「今、すこし時間はありますか?」
「おう、なんだ、バイクのメンテか?」
ミカン大好きスフィンクスの、視線はガッツリ間違いなく、ツバメが持参したハーブティーのリーフを詰めた小瓶に釘付けです。
だけど何気ないふりをするのです(お略)
「それともそろそろ、バイクのタイヤ交換か?」
ツバメもスフィンクスの興味津々には、間違いなく、気付いています。
だけど何気ないふりをするのです(略)
きっと、スフィンクスのプライドなのです。
「山椒の若葉を使った、ハーブティーが手に入りました。あなたには世話になっているので」
世話になっているので、その礼として、渡しに来ただけです。
ツバメはそう続けて、コタツの上にコトン、小瓶を置きますと、
彼自身の仕事がありますので、そのまま自分の部署へ、帰ってゆきました。
「ふーん。サンショー。サンショー?」
スフィンクスは山椒を知りませんが、
それがミカンの親戚であることは、香りから理解しておりました。
「おう。良い香りじゃねぇの」
ツバメが見えなくなったあたりで、スフィンクスはご機嫌に、瓶を開けて和風シトラスを、存分に堪能しましたとさ。
前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
いろんな世界から人間だの、獣人だのドラゴンだの宇宙タコだの、いろんなのが仕事に来ております。
前回投稿文では、都内某所の稲荷神社から、局に修行にきておる稲荷子狐が、
砂糖をサッサッサ、さっさっさと、
いろんな局員の私物にぶちまけて、ひと騒動。
最終的に和解して、謝罪して、
ハッピーエンドで終わりました。
で、
今回のお題の回収役は、その砂糖事件で自家製ポッカlもとい、レモン果汁を、
砂糖たっぷりのレモン砂糖水に変えられた、
管理局経理部の、万年コタツムリさん。
ビジネスネームを、スフィンクスといいました。
「ああ……ああ、俺様の、レモン水が」
お砂糖ドッサリでどうしよう。
スフィンクスはその日も経理部の、窓際のコタツでぬくぬくしながら、
子狐によってシロップ同然に砂糖を入れられてしまった自家製レモン水を、まじまじ見ておりました。
「良いカンジにサッパリで、ツナスパゲッティーにも、チーズピザにも、
何にでもピッタリだった、レモン水が」
レモン果汁と砂糖をフュージョンさせた張本人、張本狐はといえば、
スフィンクスの大親友、収蔵部のドワーフホトお嬢さんと一緒に、絵本を読んで言葉の勉強中。
「おべんと!おべんと!」
「お弁当の中身は、なーにかなぁ?」
「おにく!」
「お肉と〜?」
「おにくとおにく、とおにく」
あーあー、あーあー。
その「お肉」だって、バターと塩コショウで焼き上げたやつに、
この酸味さわやかなレモン水をちょいと落とせば、
それはそれはもう、それは、素晴らしいのに。
スフィンクスはジト目で子狐を見て、
そして、ため息など吐いています。
「スフィちゃん、ご機嫌ナナメ〜」
「だってよ、せっかくの俺様の調味料が、砂糖まみれだぜ。何に使えば良いんだよ、ジャムか?」
「うーん。しかたないなぁ」
コレと〜、アレと〜、ソレとそれー。
ドワーフホトお嬢さんがポンポンポン、タブレットにタップしますと、
数分も数分、十分かかってないほどの迅速さで、
自他ともに認める専属執事、法務部のカモがスッとんできまして、
ドワーフホトが注文したもの、数量、種類を全部ぜんぶ、セッティングしてしまいました。
「小鍋と冷却器と、炭酸水?」
「スフィちゃんレモンピール出して〜」
砂糖ドッサリになったレモン果汁水に、細かく刻んだレモンの皮をチョチョっと入れて、
煮詰めて煮詰めてコトコトことこと。
ドワーフホトのお嬢さんは、400ml+αもあったレモン果汁を、とろーり琥珀色のレモンシロップにしてしまうと、
そのシロップを炭酸水で割って、甘酸っぱいレモンスカッシュにしてしまいました。
「これでよぉし」
「ほほぅ、こりゃ良い!」
レモンスカッシュを気に入ったスフィンクスは、1杯2杯、たちどころに3杯も堪能しました。
「たまにピールが苦味を出すのが良い」
「いっぱい作れたから、明日も飲めるね〜」
キツネも!キツネも、のみたい!
カシャカシャカシャ!コンコン子狐も爪を鳴らして大興奮です。
「コンちゃんは、こっち飲もうね」
「やだ!やだ!キツネものむ、おねーちゃんとおなじの、のむ!キツネこっちのみt
やっぱりそっちでいい。」
「はい、どーぞ〜」
くぴくぴ、ごくごく!
子狐もスフィンクスも、ドワーフホトも大満足!
ハッピーエンドで終わりましたとさ。
前回投稿分からの続き物。
最近最近の都内某所、某雪国産の雪室コーヒーを、
カッコよさの象徴として頑張って、チャピチャピちゃぴ、飲んで苦さに轟沈した、
背伸び系コンコン、稲荷子狐がおったのですが、
何の因果か闇堕ち進化か、フォルムチェンジか、
コーヒーを砂糖とバターで劇的にビフォーアフターしたスイーツ、ティラミスを知ってから、
砂糖万能説の狂信者、稲荷の神様にお砂糖を捧げるシュガーコンコンにメタモルフォーゼしまして。
まぁまぁ
稲荷寿司にも油揚げの煮付けにも
コンコン子狐の大好物には
だいたいお砂糖が隠れていますので
(要約:子供は甘いものが大好き)
「おさとう!おさとう!」
キャッキャ!キャッキャ!
前回投稿分のおはなしで、苦いにがいコーヒーを甘いスイーツに変えてしまったお砂糖を、
子狐はあらゆる「子狐にとって美味しくないもの」にサッサッサ!かけて味を確かめます。
「おさとう、イダイ、偉大!」
最初にお砂糖が振られたのは、
おこちゃまの味覚にはちょっと痛くて食べられない調味料の代表、一味唐辛子です。
「あまい!」
くんかくんか、くんくん、ぺろり!
辛さが消えることは、さすがになかったものの、
砂糖の甘さが辛味を包んで、
一味唐辛子は甘いあまい、子狐でもちょっとは食べられそうな気がしないでもない、
魔法の調味料になりました。
「おさとう、イダイ、偉大!」
ところでその一味唐辛子、
世界線管理局なる職場の法務部で仕事をしておる
味噌汁にちょっと一味をかけるのが好きなドラゴンの私物なのですが……?
次にお砂糖が振られたのは、
おこちゃまの味覚にはちょっと酸っぱくて食べられない調味料の代表、レモンです。
「あまい!」
くんかくんか、くんくん、ぺろり!
子狐はレモン汁にも砂糖をかけ、試してみました。
するとレモン汁も甘いあまい、一味唐辛子の砂糖ミックスより更に美味しい、
魔法の調味料になりました。
「おさとう、やっぱりイダイ、偉大!」
ところでそのレモン汁、
世界線管理局の経理部で仕事をしておる
柑橘系ダイスキーで子狐を湯たんぽ認定してる局員の私物なのですが……?
一味、レモン汁、コーヒー。
いろんな私物にサッサッサ、砂糖をかけてまわったシュガーコンコン・稲荷子狐は、
とうとうお題回収タイム、私物の持ち主に囲まれてしまいました。
『子狐。他人の私物に、イタズラしてはいけない』
一味唐辛子の持ち主ドラゴンが諭しました。
「そうだぞ、ゆたんぽ!なんてことしやがる」
レモン汁の持ち主局員は、少し怒っていました。
「子狐。皆がみんな、辛いものや苦いものや酸っぱいものが嫌いなワケではないんですよ」
コーヒーに砂糖を大量投下された局員も、せっかくのコーヒーをシロップ状態にされておりました。
「うぅ、うぅー!」
そうやって複数人に見つめられると、
子狐は尻尾が完全に下がって、おまたの間に隠して、体も縮こまってしまいました。
「キツネ、わるくない、わるくない!」
こわいのです。お仕置きされると思ったのです。
「キツネ、おいしくないものを、おいしくした!
おさとうで、おいしくした!わるくないやい!」
見つめられると、
特に敵対的な視線で見つめられると、
コンコン子狐、その攻撃性が分かるのです。
そこに助け船を出したのが収蔵部のお嬢さん。
「はぁーい、タイムタイム、ちょっとタ〜イム」
ガラガラガラ、がーがーがー!
大きめのホワイトボード式デジタル黒板と、5体のお手伝い魂人形を引き連れて、
収蔵部のお嬢さん局員が、割って入ります。
「コンちゃん、怖がっちゃってるよぉ。
何が悪くてー、どんな理由でー、誰がどう思ったか、コレで一旦、整理しよーよぉ」
途端に現地は子狐のための、道徳教室に早変わり!
収蔵部のお嬢さんが、子狐の何が悪くて、誰がどう思って、なぜその行為が悪いのか、
やさしく整理してくれましたので、
最終的に子狐は、わんわん泣いて、ほんとうに反省して、みんなに謝罪して、
最終的に、めでたしめでたしになったとさ。
前回投稿分からの続き物。
最近最近の都内某所、某雪国産の雪室コーヒーを、
カッコよさの象徴として頑張って、チャピチャピちゃぴ、飲んで苦さに轟沈した、
背伸び系コンコン、稲荷子狐がおりました。
なお「子狐にコーヒーは苦過ぎるから」と、
人間は美味しいおいしい、雪国の放牧地から生まれたペット用ホットミルクを用意しまして、
子狐はガッツリそっちのミルクも●●杯ほど堪能。
だって美味しかったのです。
ドチャクソに、素晴らしかったのです。
とはいえコンコン子狐としては、
ダウナーな流し目をキメながら、ダウナーな神社太鼓などトントコ聞こえるのを背景に、
くぴくぴ、クピクピ、「美味しい」コーヒーを飲むのがベストな理想。
まだまだ味覚がおこちゃまな子狐には
たとえ雪の中で貯蔵されて苦味の角が取れた雪室コーヒであっても
苦くて、どうにもならんのです。
と、いうことが前回投稿分のおはなしでして。
「おいしくない!おいしくない!」
ここから今回のおはなしの、はじまりはじまり。
「コーヒー、あまくない!おいしくない!」
コーヒーの長旅から戻ってきた子狐です。
修行先から貸してもらっている子狐専用のおうちルームの、壁の先にある隠しキッチンで、
子狐はコンコンこやこや、黒いお湯の苦さがどれほどの災害であったか、叫んでおります。
『仕方ないよ。コーヒーっていうのは、砂糖やミルクを入れても、苦味が残る飲み物なんだよ』
まぁまぁ、まぁまぁ。
優しく子狐をなだめておるのは、子狐のおうちルームに以前住んでおった男、その幽霊。
生前はオカンもオカン、職場の部下にどっさり美味しい料理を用意して、食べさせておったそうです。
彼の墓碑には
「彼を起こさないでください カロリーテロ被害者より(要約)」
みたいな趣旨のエピタフが刻まれてるとか。
「やだっ!やだっ!コーヒー、にがい!
おいしいコーヒー、のみたかった!」
『参ったなぁ……』
よし。
こうなったら、コレしかない。
カロリーテロおばけはスケスケな手をポンと叩き、
子狐にコーヒーを使った美味しいお菓子の作り方を、伝授することにしたのでした。
ティラミスです。
お砂糖と卵と美味しいチーズと、可能なら少しのお酒を使う(けど子狐が子狐なので見送る)、
大人の、美味しいスイーツです。
「てぃらみす」
『そうだよ。コーヒーを使って作る、苦いけど甘い、美味しいお菓子だよ』
「てぃらみす!てぃらみす!」
さあお題回収を始めましょう。
ビスケットと生クリームと、フレッシュなチーズと卵を買って、砂糖はキッチンのを使います。
『そして、コレだ!』
幽霊が隠しキッチンの、時間魔法式冷蔵庫なる不思議を子狐に開けてもらいながら、言いました。
『コレこそ、僕の My Heart!
僕が管理局在籍時代に作り上げた、5大マスターピースのうちのひとつ!
時間魔法を常時発動させて食材を守る冷蔵庫だ!』
冷蔵庫の中に隠された子供用のお酒と、お菓子用最高級コーヒー豆を引っ張り出したら、
カシュカシュカシュ、カッカッカ、
卵とチーズと砂糖を混ぜたり、生クリームを泡立てたり、お皿にビスケットを並べたり。
「いいにおい!いいにおい!」
コンコン子狐はオバケのみちびきで、楽しく、効率よく、食材を組み立ててゆきます。
いちおうオバケの「My Heart」なる冷蔵庫に保管されていたコーヒーの、賞味期限スメルを確認した子狐ですが、
魔法がしっかり効いていたのか、ちっとも経年劣化しておらず、とってもフレッシュでありました。
『さあ、完成だ!
これが、きみが苦いと嫌ったコーヒーで作ったスイーツ。ティラミスだ!』
「おお、おおお、おおお!」
ガツガツガツ、ちゃむちゃむちゃむ!
美味しい砂糖とクリームの香りに、コンコン子狐は大興奮!よく冷えたティラミスを堪能します。
「おいしい!おいしい!」
ガツガツガツ、ちゃむちゃむちゃむ!
おくちをクリームとチーズとコーヒーでお化粧して、砂糖とチーズのきいたティラミスを堪能します。
そして子狐、理解しました。
『どうだい、コーヒーも、美味しいだr』
「おさとう!!イダイ!!偉大!!」
『あの、そうじゃなくて、コーヒ』
「おさとう、すごい!おさとう、だいじ!
おさとうこそ、キツネの、まいはぁーと!」
『コーヒー……』
砂糖があれば、美味しくない飲み物だって、絶品スイーツになるのだ!
稲荷子狐は妙な方向に学習して、尻尾をぶんぶん振りましたとさ。