かたいなか

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8/15/2024, 2:51:49 AM

「今回は、自転車に乗って『どこへ行くか』『行く過程でどうなったか』が話題になるカンジ?」
自転車に乗って、スーパーに行けば日常ネタ、
職場に行けば職場ネタ、学校なら学園系も可能。
目的地に行く過程で恋するあの子とすれ違えば恋愛に発展するかもしれないし、
ナラズモノな道交法違反車とすれ違えば、交通安全を主題に掲げるハナシも書けるかもしれない。

何を書こう。 某所在住物書きはため息を吐いた。
「それこそ『自転車に乗っている人』の割合を考えれば、地方と都会の自転車利用台数云々も……」

そういえば、あの野郎どうしてっかな。
物書きはネットで「自転車で日本縦断!」の記事を見つけ、ひとつ、記憶を掘り起こした。
自転車ではなかったが、初夏にひとり見かけた。
バイクに乗って北を目指した若き青年に、某バニラ味メイトと一番安値のスタンドの名前を渡したが、彼は旅の中で何と何と何を得たのだろう。

――――――

「……朝がさむい」
「否定はしない。最低気温、20℃未満らしい」
「なぜだ。8月だぞ。8月なのに、朝が、さむい。毛布があたたかい」

「宇曽野」
「なんだ」
「ようこそ北国へ」
「はやくその茶よこせ」

コロナ禍突入直前。2019年のお盆のおはなし、まさかまさかの第2弾。
雪国の田舎出身という藤森の里帰りに、「雪国の夏を見てみたい」と、都会育ちの親友宇曽野が、無理矢理くっついてゆきました。
1日目はひたすら田園を駆け回り、青空の広さを見渡し、沈む夕日と夜空を2ヶ月分くらい見つめて、夕冷えからの肌寒い夜に無条件撤退しました。

「さむい」
「さっき聞いた」
「茶がうまい。あたたかい」
「そりゃどうも」

そんなこんなで藤森の実家に宿泊中の宇曽野です。
東京のそれより5〜8℃低い、朝の寒さにたまらず起きて、毛布をよこせの救助要請。
東京と、最高気温の差は縮まっても、最低気温はさすが雪国。熱帯夜よりは良いでしょと、東京の春4月頃の数字をぶつけてきます。
宇曽野は後悔しました。北国に向かう前、藤森は「朝晩肌寒いから上着を一枚持て」と言いました。
んなアホな。宇曽野が持参した着替えは半袖ばかり。

『地元民の忠告は聞きましょう』
宇曽野がこの旅行で得た、一番の教訓でした。

そんな宇曽野、2日目に何をしたかと言いますと、
「……20年ぶりに乗った」
「にじゅうねん?!」
自転車に乗って、手作りサンドイッチと冷茶積んで、ガッツリ虫除けスプレー振って、チリンチリン。
都立滝山自然公園よりちょっとだけ小さい、草花キノコの豊かな最寄りの公園へピクニック。
「冗談だろう藤森、20年自転車に乗ってない?!」
「車社会だからなぁ」
一家に一台どころか、一人一台も過言ではない藤森の故郷です。外に人の往来はほぼ無く、道路を行き交うのは自動車ばかり。
徒歩の人混みを気にせず自転車に乗れる。東京では考えられない状況です。

チリンチリン、チリンチリン。安全かつ快適に自転車に乗って、ふたりは完全貸し切り状態の、静かで涼しい公園に到着しました。
「公園が貸し切り!?」
「宇曽野。お前今日は随分驚いてばかりだな」
「何故だ、何故誰もいない?!公園だぞ!」
「公園より隣の隣の隣あたりの地区の、大型ショッピングセンター派なのさ。ゲーセンもあるし、ファストフードもカフェも揃っているから」

「それで貸し切りか?」
「それで貸し切りだ」

散策して、追いかけっこして、水辺でちょっと休んで、生えてるキノコの食える食えないを議論して。
池を見渡す広場を貸し切り、サンドイッチをぱくり。

『東京の価値観が地方にも無条件に当てはまると思ってはいけない』
宇曽野がこの旅行で得た、もうひとつの教訓でした。

8/14/2024, 2:48:52 AM

「前回のお題でまともに読めるエモ無し話が閃けば、書き直すと言ったな。あれは結局無理だった」
まぁ知ってた。某所在住物書きは己の執筆スキルとレベルを再認識し、エモネタの不得意を痛感した。
「4月24日に『今日の心模様』みたいなお題があって、その時もロクなネタが浮かばなかった」

厚労省や日本看護協会は「心の健康」あるいはメンタルヘルスを◯◯と説明している、
個人的に「心の健康」は△△によって保っている、
現代日本では特に労働時間内において「心の健康」が捨て置かれている場合が多い、
心身相関という言葉があり、体の健康が「心の健康」に作用することがある。逆はどうだろう。
上記のネタは考えつくものの、ではそれを物語として文章化できるかというと、少々時間がかかる。
今回のお題も、相変わらず難問らしい。

「都市部と農村部の『心の健康』の格差は?」
ネット上では記事によって、都市大変派と農村部・田舎大変派でどうも分かれているらしい。
「もういい。俺、田舎の自然に救いを求める……」

――――――

コロナ禍突入直前。2019年のお盆のおはなし。
雪国の田舎出身である藤森の里帰りに、「朝夕涼しいという雪国の夏を見てみたい」と、親友が無理矢理くっついてゆきました。

「藤森、ふじもり!これがお前の故郷か!」
「そうだが」
「建物が低い!空が広い!風が涼しい!」
「そうだな」

「デカい田んぼと小川もある!」
「用水路だ。川ではない」

東京育ちの親友は宇曽野と言いまして、観光地という観光地でもない田舎に来るのは、これが初めて。
「何故こんなに人も車もバスも少ないんだ」
「田舎だからだろう」
「ひとまず田んぼだ。行くぞ藤森、ついてこい!」
「待て宇曽野。宇曽野……ステイ!!」
アニメでしか見ないような空き地、そこらじゅうに生える花と山菜、それから遠く広がる田園風景。
宇曽野はそれらがただ美しく見えて、藤森の手をぐいぐいと、あっちこっち、そっちどっち。

「手を取り合って」なんて優しいものじゃありません。さながらリードを持った飼い主を引っ張るアラスカンマラミュートかシベリアンハスキーです。
「おい藤森!田んぼの中に、紫の花が咲いてるぞ。なんだアレは、なんて名前だ?!」
ぐいぐいぐい、ぐいぐいぐい。
青い空、白い雲、東京より少し涼しい田舎の田んぼ。
軽トラック1.5台通れるであろう砂利道を、宇曽野はまるで子どものように、あるいは上記大型犬のように、藤森の手を引き走ってゆきました。

「雑草の多いあの区画だけ、紫が咲いてる。白も咲いてる!藤森、これは何だ」
「白い方なら、東京でも見られる筈だ。オモダカといって田んぼとか水辺とか、湿ったところに生える」
「見たことないぞ」
「『筈だ』と言った。なにより私は不勉強の素人、専門外だぞ。鵜呑みにするな」
「で、紫は?」
「ミズアオイ。記憶が正しければ準絶滅危惧種に指定されていて、東京では絶滅危惧Ⅰ類。花言葉は『前途洋々』や『浮沈』等。食えるらしい」

「味は」
「知らない。食べたことがない」
「美味いのか」
「私より自分の持ってるスマホに聞いたらどうだ」
「お前に聞いた方が面白いし早い」

パシャパシャパシャ。
これは珍しい花、それは美しい風景、あれは尊い昔在りし日本であそこはなんだ、未知の何かだ。
「異文化適応曲線」の、「ハネムーン期」というものがあります。宇曽野はまさしくその真っ只中。
東京と明らかに時間の進み方が違う田舎の、すべてにスマホのカメラを向けました。

「美しい。心の不健康が抜けてくようだ」
「私はお前に付き合って、体の疲労が蓄積中だが?」

「お前も撮ってやる」
「やめろ。いらない。ミズアオイで満足していろ」

赤い太陽が地平に沈み、空がミズアオイかキキョウの青紫に染まって、田舎観光満喫中の都民が「さむい」と我に返るまで、
東京育ちの宇曽野と田舎出身の藤森は、
片や魂の疲労と心の健康を体いっぱい使って癒やし、
片や体に疲労がちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、心地良く溜まったようでした。

8/13/2024, 3:02:37 AM

「書 け る か!」
日常ネタ風の連載形式で投稿を続けてきた某所在住物書きは、配信された題目に天井を見上げ、絶叫した。
音楽だそうである。誰かが奏でるらしい。
そのシチュエーションは明らかに物書きの不得意とする「エモいお題」に違いなかった。
物書きはエモネタがただただ不得意であった。

「アレか、このアプリ絶対エモネタ書かせるマンか。いいぜこうなったらエモエモのエモ書いてやる」
今日中に読める内容のノンエモ閃いたら、ソッコーで投稿し直すからな!物書きの顔は羞恥に灼熱し、己の執筆傾向とその絶対的な不得意を明示していた。

――――――

誰かが執筆した同人小説の1〜2ページ。

耳と手と背中を刺す極寒。
視界の奥行きも、幅も制限する風雪。
夕方降り積もったパウダースノーが、居座る寒気と低気圧に促され、質量ある空気として、
大樹の下で悪天候をしのぐ青年の、制服たる黒スーツと防寒用の白コートを押してくる。
開けた雪原には、古いボロ小屋ひとつと、少し離れた場所に大きなヒノキが1本だけ。
ビュルルルル、ルルル。
氷雪含む風の奏でる音楽は痛覚を伴い、暴力的。
小屋に隠れ息を殺す男の釈明を代弁するように、風が冷気が氷の粒が、黒スーツの胸を叩き続ける。

夜の地吹雪である。天上に雪雲は無く、星と満月が、冷えた冬空を飾っている。
ホワイトアウトは空の下の些事。
風の音が騒がしいのも、雪が飛んでせわしないのも、ましてや、これから繰り広げられるであろう人の子同士の喧嘩など。彼等はまるで意に介していない。
それらはただ静かであった。

『兎が「曲」を「奏でる」前に、全部終わらせろ』
雪国の片田舎に逃亡した元同僚の機密窃盗犯「兎」、多田野 藻部太郎を追い、体感零下2桁の真っ只中で張り込みを続けている「ツバメ」、主神 公助。
上司の条志、「ルリビタキ」から、持ち出された機密の回収と、藻部太郎への「懲戒解雇処分」執行を言い渡されている。
『「演奏」が始まったら、アレを止める方法は無い。Wi-Fiオフライン関係無く、可聴範囲すべてのセキュリティを乗っ取り、鍵はことごとく壊される』

「演奏」とは文字通りの行為。鍵盤に指を置き、押し、音を出すこと。現代科学で説明不可能な振動は、未知の性質を伴って空気を伝う。
そして約30デシベル以上で聞こえる範囲すべてのCPU、MPU、AP等々内蔵機器を掌握する。
全精密機器共通のマスターキーないしコントローラー同然の「音楽」を兎は持ち出し、逃げた。

公助の端末に条志から連絡が入ったのは、夜も夜、22時を過ぎた頃のこと。
『お前の失敗は、つまり安全と平和の終わりだ』
スピーカーから聞こえるのは淡々とした上司の声。
『発……可は……。…………も構わん。確実に……』
話の途中で、音声が途切れる。
天候の影響か、田舎ゆえの電波の弱さか。
「申し訳ありません。電話が遠いようです」
聞き取れない。 風に持っていかれたフードを掴み、被り直し、公助は少し大きな声で要請した。
「もう一度仰って頂けますか、ルリビタキ部長?」

…………………………

「――あっ、なるほど、この先が抜けてるから『落丁本』で無料配布だったワケか」
都内某所、某アパート。
かつての物書き乙女、元夢物語案内人であった社会人が、某同人誌マーケットの戦利品を1冊1冊愛でて昔を懐かしんでいる。
「やっぱお金、ケチるべきじゃないな。有料の完全版貰っとけば良かった……」
乙女が読むのは通称「ツル」または「鶴」。
あるゲームにおける、「ツバメ」公助と「ルリビタキ」条志の、黒白ないし黒瑠璃主従。昔も昔、過去作3月18に登場していたネタである。
噛ませ犬ならぬ噛ませ「兎」は、まさかの6月28日投稿分の「黒いウサギ」が再登場。
鶴も兎も、詳細は割愛する。要するにこの乙女の心の滋養であり、妙薬である。

「で、コレがラストでツー様が奏でる予定の音楽?」
一読通して、再度前書きから読み直し、目に留まったのは、筆者が指定する実在のフリーBGM。
「ツー様、この展開から『曲演奏する』って、裏切るの?それともウー君が弾いた後の解除キーか何か?」
推しの奏でる音楽は、一体どのような結末をもたらす予定であったのか。
乙女は指定のBGMをダウンロードし、早速リピート再生しながら、結末欠ける物語の2周目を味わった。

8/12/2024, 2:59:14 AM

「夏の季語。他にはパナマ帽やカンカン帽など。
証券用語に『麦わら帽子は冬に買え』。
なお世の中には10万超の物もある模様。ふーん」
今日も今日とて、非常に手強い題目がやってきた。
某所在住物書きはスマホで情報収集をしながら、かのゴムゴム船長以外にネタがあろうかと葛藤した。

「『麦わら』帽子はよく聞くけど、『稲わら』帽子は無いよね、ってハナシ?それとも意外と最近麦わら帽子被ってる人少ないよねって?」
麦わら帽子、簡単に書けそうに見えて、俺の執筆スキルだと何気にバチクソ難題。物書きはため息ひとつ吐いて、今日も苦し紛れの物語を投稿した。

――――――

猛暑日と熱帯夜が常習化している都内某所。
藤森という雪国出身者が、
麦わら帽子の中に保冷用の氷をぎっしり詰めたビニール袋を入れ、本マグロの500gを埋めて、
それを抱え、自宅アパート近くの稲荷神社まで。
腕の中には麦わら帽子の他に、器用にバランスをとって居座るコンコン子狐。
時折首を伸ばしては、藤森のあごだの首だの唇だのをべろんべろん、舐め倒している。

非日常的な状況である。 気にしてはいけない。
非現実的な光景である。 深く考えてはならない。
本投稿はフィクション。喋る狐は日常の影に潜み、化け猫は日常に紛れて秘密裏に人と接する。
半分現実で半分不思議。都合の良い物語なのだ。

くわっ。くわ〜わんっ。
ご機嫌に歌う子狐は、首から「おつかい頑張ってます」の木札を下げた稲荷神社の狐。
母親から「人間の善い心魂で香り付けされた善い味の魚を買っておいで」と言いつけられたのだ。

コンコン子狐は商店街で、『赤字覚悟だけど客に美味いマグロをたらふく食ってほしい』と値付けされた、利他善意の塊を見初めて購入。
買い物袋のかわりに持ってきた麦わら帽子にマグロを収納し、帽子のツバを噛んで引っ張って神社まで、
行こうと無謀な努力を開始した矢先、
近所のアパートに住み面識のある藤森が、子狐を見つけた。「子狐。その速さではお前の神社にたどり着く前に氷が水になってしまう」
藤森は子狐から麦わら帽子を取り上げ、抱えて、
子狐はぴょこん、藤森の足と腰と腹をよじ登った。

「本気で氷に埋めたマグロの塊を、麦わら帽子に入れて引っ張って帰るつもりだったのか」
そーだよ。美味しそうだったんだよ。コンコン。
「せっかく人に化けられるのだから、この麦わら帽子を両手で抱えて行けば良かったものを」
だってキツネ、狐のまんまで出てきて、狐のまんまでお会計してしまったんだもの。コンコン。

「マグロの付け合せは、不要なのか。向こうで規格外の野菜と山菜が安く売っていた」
山菜!タケノコ!たべる!くわぁくわぅぅっ!

コンコン子狐と藤森は、通行人の動物愛護と狐推しの視線をスルーして、真夏の商店街をぶらりぶらり。
買い物袋のかわりの麦わら帽子を抱えて歩く。
1人と1匹が稲荷神社に到着する頃には、麦わら帽子は夏でいっぱい。
美しい女性に化けた母狐、子狐を送迎してくれた藤森から経緯と経過と結果を聞いて、
お礼に少し、マグロを分けてやったとさ。

8/11/2024, 5:49:23 AM

「終点。 物事の終わりの所。
数学でいうところの、ベクトルA→Bの『B』、
化学でいうところの滴定の終了点、
某大乱闘ゲーのお馴染み同盟ステージ、
一筆書きにおけるゴール。 ……他には?」
わぁ。昨日も昨日だが今日も今日。 某所在住物書きは「お客様終点ですよ」以外のネタを探すべく、ネット検索して結果をスワイプしてを続けている。

ところで8月11日は「きのこの山の日」だという。
たけのことの対立議論に終点は成立するのだろうか。
「……個人的に、きのこ派だけどさ」
お題そっちのけで物書きが自白した。
「クッキーは確実に、たけのこの方が美味いのよ。あの甘さとしっとり感だもん。なによりだな……」

――――――

変な夢を見た。
ガタゴト揺れる客車に乗ってる夢。
多分、職場で昼休憩終了間近に先輩から「お客様終点ですよ」で一気に起こされたのが原因。

ガラッガラの昭和レトロな石炭列車、外は青みがかった真っ白と真っ黒。満月光る夜の雪景色。
田んぼだか草原だか知らないけど、ずっとずっと白い平坦が続いてる。 私は赤いボックス席に座ってて、過ぎ去ってく後ろの景色を見てた。
同じボックス席の、向かい側には知らない人。
夢の中の私は、その知らない筈の人を職場の長い付き合いな先輩と完全に勘違いしてた。

夢の中って不思議(不明な先輩)

『あの夏から9年だ』
少しくらいなら本物に似てなくもない「先輩(仮)」が、なんの脈絡も無く言った。
冬の夢の中で「あの夏」とはこれいかに。
そもそも「あの夏」ってどの夏。
『もう、■■■の傷は癒えたのか』
すいません何の傷のハナシでしょう。事故ですか事件ですか、厨二ちっくカッコイイ黒歴史ですか。

夢の中の私は何も答えない。ただ、夜の満月と平原だか田んぼだかに積もった雪を見てる。
『向こうは相変わらずだよ』
ごめん先輩(仮)、「向こう」が分かんない。
『あれから何も変わっちゃいない。何ひとつ、ほんの少しも。仕方無いといえば仕方無いハナシさ』
私、その「向こう」と何があった設定ですか。
『ここの景色でさえ風力発電が増えたり狐や狸が逃げてきたり、変化し続けているというのに』
そーなんだ。分かんない。

『要するに、まぁ、その。早く■■■■と良いな』
先輩(仮)お願い。勝手に話題を終点まで一気に持ってかないで。もちょっと情報を各駅停車して。
『では。私はこれで。またいつか』
話聞いてください先輩(略)。

夢の中の冬の夜、私が乗った石炭列車は、状況も設定も背景も全然理解できない私を乗せたまま、
知ってる気がする(夢補正)駅に停車して私の先輩(夢設定)をそこで降ろして、
ガタン、ゴトン。ゆっくり次の駅へ。
夢から覚める直前に、列車の窓を開けて先輩(夢略)をもう一度だけ見ようとしたら、
振り返った先輩( )の顔は、
顔は――…


「…――先輩じゃなくて付烏月さんじゃない?」

変な夢見た日曜日。起きたのは昼過ぎで、結局夢の中の私が何をしたかったのか、どこへ向かってたのか最後の最後までサッパリ。
客車に乗ってどっかの終点に向かってたんだと思う。……どこですか。そもそも何故ですか。
なんなら夢で私が「先輩」と思ってた人が、先輩っつーよりは顔だけ「同僚」に比較的似てた気がするけど、何がどうなって、どうしたかったんですか。

夢の中って不思議(不明な夢の結末と着地点)

「うぅ。おなかすいた」
夢の意味も結末も行き先不明で逝っとけダイヤ。
おかげで頭の中はハテナマークばっかり。
「付烏月さん、ツウキさん、もうお店着いてる?」
ところで今日は職場の同僚の付烏月さんと、2時からスイーツバイキングに行く予定があった。
急いで準備して、「遅れるかも」のメッセージ送って、アパートから出て電車に飛び乗ったら、

『今パフォーマンスが盛り上がってるよん』
もうお店に着いてて席取りしてくれてる同僚さんが、スマホで撮ったスイーツバイキングのイベント動画を貼り付けてきて、
ドライアイスの煙を煙突から吐き出す石炭列車が、新しいスイーツのケースを引っ張ってバイキング会場に到着するっていう演出だった。

ごめん(ガチで結末と着地点が不明)
何がどうなってるかホントに分かんない(省略)

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