創作を書くだけ

Open App
7/10/2025, 11:11:39 AM

僕は、ロク。お城の護衛だ。
今日もお城を守るぞーっ!


…しかし、お城は魔物によって襲撃され、一瞬にして
兵士も王も倒れたのだった。

僕以外、いない……?
僕の体は恐怖で震えだす。
そのとき。

がしっ、と足を掴まれた。
息絶えようとする、僕の大切な友達だった。

彼が、僕の方へ手を伸ばしてこう言う。

「君が、君が助けるんだ。」

そこで、パタリと彼が倒れた。
お姫様を助ける冒険に出なければ。
彼も、このお城の王も報われない。


『……絶対に、許さない。』

冒険に、出かけよう。

7/8/2025, 10:04:26 AM

「あの日の景色」
と言われて思い出すのは、何の思い出だろうか。
人生経験の浅い自分には思い出すような色濃い記憶も
無いような気がするが、これから探したいと思う。
そんな景色を、自分の大切な人と見ることができたら
嬉しいと思う。

いつか人生が終わるとき、自分の頭の中に色濃く
残る記憶って、いったいどんなものなんだろうか。
自分が何かした記憶ではなく、自分の大切な人の
嬉しい場面であれば尚更嬉しい。

そう思うのは、自分だけだろうか。

7/7/2025, 10:41:30 AM

願い事は傲慢であるべきだ。
せっかくの、七夕というイベントであるわけだし。

僕の幸せと、こんな僕に優しくしてくれるような、
僕の大切な大切な人たちの幸せ。
あんなにも優しい人たちを抱きしめるみたいな
あたたかい強さがほしい。

お星様は叶えてくださいますか。

努力しても得られないような優しい力を、僕に
いただけますか。

僕らは、幸せに生きられますか。

7/6/2025, 11:24:07 AM

教室の窓から、景色を見るのが好きだった。
空を飛ぶ飛行機。中庭に植えてある植物たち。
グラウンドで走り回るサッカー部。そして、
その中にいる、私の好きな彼。ゴールを決めて笑って
いるところも、部内で一番足が速いところも、自分
でも小学生みたいな理由だと思うけど好きだ。
もちろん顔も性格も好きだ。こんな私にも優しい。
そして、景色にうっとりして下校時刻間近まで窓を
眺めていると

「中山、まだ居たんだ。何してたん?」

なんて関西弁混じりに言い、一緒に景色を見ようと
2人で数分だけ空を見つめる時間が、この世で
1番と言っていいほど好きだった。

ある日、また放課後に教室に残って空を見上げていた
私を見つけた彼はこう言うのだ。

「俺、空見て楽しそうにしてる中山が好き。」

空を見上げているうちに実った恋なので、私たちの
中で「空恋」(ソラコイ)と呼ぶことにした。

7/5/2025, 12:56:03 PM

ざざ、と重みのある音が砂浜に響く。
彼は波打ち際で手を振って、いこうと言うのだ。
テトラポットにひょいと飛び移り、軽やかに笑う。

君に会いたいよ。僕は。

「ねぇ、カイ。」

『なんだい、ケイ。』

「君はなんで、なんで海で……。」

『ふと、綺麗な景色…走馬灯を見たいと思ってね。』

そうやって儚げに笑った彼が、綺麗に見えた。
僕はね、君がいないとやっていけないと思ってたんだ。君しかいない。君じゃないとダメだ、って。
彼の生前、僕らはいわゆるソウルメイトみたいに仲の
良い友達であった。どこに行くのも一緒。趣味嗜好も
一緒だから、進路はもちろん一緒。小学生から高校生
となった今の今まで、ずっと一緒だった。

「カイ。君とは、ここで分かれる運命だったの?」

『さぁね。ケイとは、初めて違うことを考えていると
感じたけど。』

「あぁそうだろうね、カイ。君はずっと冷静だった」

『ケイは、…ずっと明るくて羨ましかったよ』

言い淀みながらも、苦い顔をしながらそう言った。夏
の日差しみたいにカラリと笑った彼は、すうっと青い
空に溶けていった。僕の頬を、涙がつうと伝った。


「ねぇ、カイ。」

君は、君は。僕の大切な君は。

「 、 …。 ? 」



きっとこの声は、波音に耳を澄ませた者のみが
知るのだろう。僕の声は、すぐに波音に飲み込まれて
いくのだった。


Next