創作を書くだけ

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7/5/2025, 1:25:53 AM

部活帰り、コンビニで買ったアイスを食べながら
自転車を引き、友達と帰る。

「あー…あっちぃ」
『分かるわ。喧嘩売られてんじゃね』
「誰にだよ」
『天気』
「んなわけないだろ」

そのとき、ふわりと爽やかな風が頬を撫でた。
青くて、涼しかった。滴る汗も流してくれるような
風だった。

「あ〜…夏も悪くないかもな」
『こんな風がずっと続いたらな』

7/2/2025, 11:50:29 AM

ジュエリーショップの店先にあった、クリスタルの
指輪。隣に並んでいた彼は、それを見つめる私を
見つめていた。

「買ってくるね」

『えぇ?いいよいいよ、私、見てただけだし』

「いいから」

と、その指輪を持ってお会計をして戻ってきた。
6000円に満たないその指輪を持って戻ってきた彼は

「愛してる」

と言った。彼はその指輪の箱をぱかりと開けて、
指輪を私の指にはめた。きらり、と指の上で水晶が
光の反射で光る。

『ありがとう』

目頭に熱いものが上ってきて、思わず天を仰いだ。
彼は照れくさそうに笑って私の指に手を絡める。


「本番は、また、やるから。」

その言葉がプロポーズを表していると気づくまで、
あと1秒。

7/1/2025, 2:11:37 PM

「暑い」

口を開けばみんなそう言うので、私もさらに暑く
感じる。夏って、こういうところから感じるのでは
ないだろうか。夏の匂いって、ふとしたときに気づく
ものではないか。ああ、今年も、暑いな。

6/30/2025, 10:17:12 AM

カーテンの隙間から射す光が、眩しかった。

まるであの人みたいだった。君に照らされて、
私は今日も息をしているんだ。君が笑っているだけ
で、それだけでこの世界は鮮やかでいてくれる。私に
とって、絶対に生きる価値があると思わせてくれる。

まだ眠ろうとする身体を起こして、カーテンを
思いっきり開けてみた。やっぱり眩しい。暑い。
君と会った時にかわいくしていたくて、焼いて
いなかった肌は綺麗な薄橙である。カーテンを閉め、
朝の支度を始める。

あなたに会えたとき、私はどんな顔をするのだろう。
そもそも、地方に住んでいて会えるのか。チケットの
高い倍率を乗り越えられるのか。ハードルは高い。
しかし、君に会えたとき。君を間近で見れたとき。
私の全細胞は喜びに満ちることだろう。そのために、
私は綺麗になるのだ。

あの、模様替えの話をしていた彼の影響で買った、
微かに揺れる純白のカーテンみたいに。

6/30/2025, 6:03:40 AM

澄んでいる空。雲ひとつなかった。
深い青空に眩しい太陽。

輝いている大海は、僕の背中をそっと押している。

「さぁ、気持ちを伝えるんだ。」

深く青い時期にしか、出会えないものがある。
それがまさに、彼女のことだと、僕は思う。

じゃあ、青く無くなってしまった僕たちは、空の下で
何を思うのだろうか。

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