6/28/2025, 2:51:11 PM
「あー…あっつい…」
私がそう言えば、
「いや、冷房寒くない?」
と隣の彼女が言う。友達である亜美は寒がりで、
対照的に私は暑がり。だから、季節関係なく、私は
一年中暑いと言うし、彼女は一年中寒いと言うのだ。
「梅雨明けてきたのかな」
と彼女が言う。私は、暑いしそんな訳ないから!!と
悲痛な叫びをあげる。いや、これは本心だ。
これが、毎年の恒例である。
ああ、夏の気配がする。
6/27/2025, 1:35:43 PM
「ついてきて!」
僕の手を引いて歩きだしたのは、僕の片割れだった。
いつもついて行くだけだった。小さい頃から、彼と
一緒に見てきた景色は常に晴れ晴れとしていた。
彼といることは幸せだった。ついていけば正解
だったから。でも今日からは、彼と別々。同じ道を
選ばなかった僕たち。
「ひとりでもちゃんとやってね」
僕のせいでお節介になった片割れがそう言う。
「もちろん。」
僕は自信満々に返事をした。
「「またね」」
声を揃えて僕たちはそう言った。
僕たちは、僕たちのために。
さぁ、まだ見ぬ世界へと歩み出そう。
6/26/2025, 1:41:21 PM
「ごめんね」
好きだった彼がそう言った。
彼の声を聞いたのはそれが最後で、それから連絡を
取ることはなく、それで終わりだった。
小説や漫画のように、もう一展開あればいいのに。
何度も、何度もそう思った。
世界はそれでも回り続けていて、私だけそれに
置いていかれて。それがどれだけ虚しいか。如何に、
彼のいない日常が空っぽであるか。
彼が吐いた言葉が、呪いとなって私を蝕む。
それでも人は生き続ける。
ああ、早くあなたの最後の声を忘れたい。