安堂

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6/3/2024, 12:05:12 PM

あなたとわたしの同じところは
どこかの誰かの批判に呑まれ。
濁流に押し流された想いの先。

ありきたりで小説みたいな悲恋はいらない。
私は笑ってあなたに告げるのだ。
「またね」、なんて祈りをこめて。

再び会う時には捨てるから。
どうかそれまで、あたしを見えないところに。

鏡の照らしで貴女を見ゆる。

/ 失恋
  好きにさせてくれたらいいのに。心にあなたを留めることを、見えない何かが遮るのだ。なぜ、どうして、ひどい。そこらの無象より、よっぽど純朴な温もりを紡ぐのに。

6/2/2024, 10:26:10 AM

つよい感情の発露。
こどもが玩具を投げ捨てる癇癪に似た
いたくて、力ずくで、それでいて愛おしく。

はあっと幸せを逃がす貴方の背中
可哀想で、可愛くて。
貴方の心の鳩尾に私はいる。

私と貴方、繋げばふたつ。
こぼした本音で撚った糸を
歪なすきまに通した。
正せるように、直していく。

/正直
 私は、あなたの好きなものを知っている。あなたは私をどれだけ知っているだろうか。柔らかな夜の波みたいな、霧雲に覆われたまろい月の明かりのもと、あなたのやさしいぬくもりに包まれた日。そんな日を取り戻すために今日、私は素直になってみようとおもう。

6/1/2024, 11:55:53 AM

迷子は私の影である。
曇天のもとに眩いぴかぴかの太陽など無く。
ただ足もとには澱んだ波間の鏡面のみ。
ひたひたと染みたつま先。
跳ねうねる髪の毛。

曇り空に飛ぶ姿もなく
ただただ汚れたキャンバスが広がるだけ。
雲間に差す陽の光は狐の嫁入りか。

/ 梅雨
  やけに雨の多いこの頃、私の気分は上々である。ざらついた心を酸性雨がまるく溶かすから。流れ落ちた煩わしい思考は排水溝を通って、綺麗になって光を浴びる。汚いものから、綺麗なものへのロンダリング。

5/31/2024, 3:20:09 PM

穢れのない無垢の瞳を覗いたとき
私ははっとした。
澄んだ眼差し、己の底まで見透かされている。

こわくて、ぞわぞわ、ひりひりする。

しまい込んだ宝箱まで捧げてしまいそうな
そんなあなたの横暴なまでの無垢が
私は嫌いで、それでも目を逸らせなかった。

/ 無垢
  貴方にちからがあるならば、どこまでも向こうへ駆けゆく羽と藍色の瞳。真白に身を包んだ姿はぴったり。ぽかぽかと世を照らす光と冴え渡る感覚の刃。貴方に追い詰められたのは、私もおなじ。

5/30/2024, 10:17:33 AM

踏み込めば奈落。
天地の感覚などとうに失い、
ふわりと浮いているような、
こんこんと眠り続けているような、
かと思えば延々身を投げ出し続けているような。

後悔の渦に終着など無く
一度投げ入れば二度と這わず、
三度の期待と世の情け。
後光の見えるは虚しくて
七つの色に恋焦がれ。

/ 終わりなき旅
  人生は終わりのある旅なのだろうか。終わりがあるから美しい、よく人は言う。終わりが無い生は不毛か。不老不死など邪道か。生きる希望は見いだせど、死に正解など導かれない。

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