迷子は私の影である。曇天のもとに眩いぴかぴかの太陽など無く。ただ足もとには澱んだ波間の鏡面のみ。ひたひたと染みたつま先。跳ねうねる髪の毛。曇り空に飛ぶ姿もなくただただ汚れたキャンバスが広がるだけ。雲間に差す陽の光は狐の嫁入りか。/ 梅雨 やけに雨の多いこの頃、私の気分は上々である。ざらついた心を酸性雨がまるく溶かすから。流れ落ちた煩わしい思考は排水溝を通って、綺麗になって光を浴びる。汚いものから、綺麗なものへのロンダリング。
6/1/2024, 11:55:53 AM