「新年」
新年早々、やってしまった。
今年は何年ぶりだったかもう覚えていないが、行動制限のない年末年始とあって、この「書く習慣」を、ご実家で読み書きしている方も、多いと思う。
うちも久しぶりの帰省とあって、娘も大喜びだ。今日は、その話しをしよう。
実家へは、たいてい車で帰る。娘の帰省のお楽しみの一つが、この片道2時間半から3時間のドライブだ。
毎回大量のお菓子を買い込み、移動中に食べながらビデオを観る。今年のビデオは、「君の名は」だ。言わずと知れた、新海誠監督の大ヒット作品だが、娘は「何回観ても意味わからん」らしい。娘よ。帰りは、コナン君かドラえもんにしておけよ。
実家は海の近くなので、着いた早々、歩いて5分程度の浜に連れていかれる。この時期海に入れるわけでもないので、娘は石を拾って投げたりしているが、私はあわよくばメルカリで売ろうと、ひたすらシーグラスを探していた。正月早々、セコい話である。
帰りに少し寄り道をして、漁港にある防波堤の先まで行って、夕日の写真を撮った。娘は寒いので早く帰りたがったが、私の数少ない趣味の一つなので、文句は言わせない。撮った写真をこの場でお見せできないのが、残念だ。
家に帰って夕食を取りながら、久しぶりにゆっくりテレビを見た。ジョブチューンで見たローソンスイーツを明日買いに行こうなどと、年始からローソンの思わくにハマる我が家であった。不合格であっても、とても美味しそうだったもの。
さてテレビも見たしお風呂にも入ったので、もうそろそろ寝ようかという頃になって、わたしは初めて自分がミスっていたことに気がついた。
薬がない。
私は普段、抗うつ薬と睡眠導入剤を飲んでいる。これがないと、本当に気分次第で生活に支障が出るし、そもそも夜眠れない。そんな大事なものを、家に忘れてくるなんて!
帰省は2泊3日の予定で、まだ初日の夜だ。これから先、私は無事楽しんで過ごせるだろうか。
ちなみに現在、4:28。まだ一睡もしていない。
「てぶくろ」
読み聞かせは、本末転倒だった。
「てぶくろ」というウクライナ民話の絵本がある。あるおじいちゃんが落としていった手袋に、いろんな動物が入れて入れてと集まってくるお話だ。
娘が保育所も年中ぐらいになった頃、さすがに抱っこして寝かしつけはなくなっていた。
添い寝をしてあげて背中をトントンしていれば、相変わらず寝るのが下手なので時間はものすごくかかるが、抱っこして寝かしつけるよりは、はるかに楽になった。
こちらが先に寝落ちしてしまっては元も子もないので、例によって早く寝てくれ感を出さないようにしながら、トントンする以外なにもできないこの時間をなんとか有意義に使えないものだろうかと、思案する日々が続いていた。
そしてアホな頭で考えた結果が、「読み聞かせ」だ。読み聞かせなんて、一生懸命考えに考え抜いた結果で出てくる案じゃない、そんなのは当然やってるよという方もいらっしゃるだろう。
実際は私も、娘が寝がえりもできなかった頃、ひよこクラブを読んで、読み聞かせっていいんだーと思って、実際にやってもいた。
やってもいたが、寝かしつけ意外にもやることが山ほどあったので、適当にやったりやらなかったり、結果あまりやっていなかった。
ところが、さすが年中さんにもなると、読んだら読んだなりの反応があった。昔は読んでいる絵本を、ただぼーっと眺めるだけだった娘が、もっと読んでと言ってきたのだ。
よし!
私もがぜんやる気になった。なら、いっぱい読んであげよう。私が本好きなので、娘も本好きになってくれたらいいなと、密かに思っていたのだ。本なんていくらでも読んであげるよ。
新書はおそろしく高いので、それから私は中古の絵本を探しまくった。絵本を読む期間なんて、そんなに長くはない。小学生になったらもう幼児用の絵本など読まないからだ。そんな読まれなくなった絵本は、ネットでいくらでも売っていた。
50冊セット(バラ売り不可)みたいな絵本たちが、人気不人気抱き合わぜで、いっぱい売られていたし、うちもセットで買ってダブった絵本を、また売ったりもした。
こうして、絵本は読み継がれていくのだなと、環境には優しいが作家さんには勘弁してくれ的な絵本のリサイクルシステム?を、当時は妙に納得して利用していたものだ。
こうして我が家には、セットで買った絵本に加えて、絵本の定期購読もしていたので、あっという間に読み切れないほどの絵本が集まった。完全に親の自己満足である。
それに対して、一冊読み終えると次読んでと、親の期待に見事なまでに答える娘。私も嬉しくて次どれにする?といって次の本に手を伸ばす。さぞ国語のできる子になるのではと、取らぬ狸の皮をたくさん売っていたのだった。
ところが、しばらくして私は自分の行為が、実は本末転倒だったことを思い知る。
「~はい、おしまい」「もっと読んで!」、「~はい、おわり」「次読んで!」
そうだ。娘は次から次へと本を要求し続け、寝ないのだ。読み聞かせは、寝かしつけの一環ではなかったのか。これではエンドレス読書会ではないか。
いつまでたっても寝ない娘。私は一冊で寝てほしかったのだが、そうもいかないので、結局五冊/日と、強引に決めた。
まず布団に入る前に五冊選ばせる。布団に入って一冊ずつ読む。そして五冊読み終わったら、娘が眠かろうがなかろうが、強制的に電気を消して、またあの忌まわしき背中トントンをやるのだ。
結局、長時間寝かしつけから逃れられない私がいた。
ちなみに、絵本のお話はどんどん長くなり、それに比例して、私の睡眠時間はどんどん減っていくのだった。
「イブの夜」
今年はもう無理だ。
この時期になると、年々その思いが強くなっていっているような気がする。その原因は、娘だ。
いい子にしていると、クリスマスにサンタクロースがやって来て、プレゼントをくれる。
12月も半ばを過ぎると、子供たちは突然いい子になりだすのは、どこの家庭も似たり寄ったりだと思う。
字を覚え出す頃には、サンタさんへのお手紙と称して、まるで暗号か?と思わせる難解な文字で手紙を書き、枕元に置く。
一方サンタ側は、12月に入った頃から、娘へのリサーチが始まる。何をお願いするつもりなのか?の情報を、まるでスパイのように、さりげなく、気づかれないように聞き出すのだ。
ちなみにうちは、父はスパイで母は殺し屋、娘は相手の考えを読み取れる超能力少女ではないので、念のため。
年を追うごとに、手紙は解読可能になっていくが、内容がエグくなっていく。今年の手紙は、ずばり「iPad をください」だ。
いやいや私のが、初代 iPad Air なのに、何故娘の方が、最新の iPad になるんだ。しかも円安の影響で、apple 製品は、軒並み値上げされたばかりだ。最低でも本体¥68,800 + apple Pencil ¥14,880 、合計¥83,680 なり。
娘よ。残念だがそれは無理だ。
今までで一番高額だったのが、 Nintendo switch だった。これも痛かったが、私のiPhone6s の買い替えを見送って、サンタが持ってきた。
娘は今でもマイクラで、恐ろしいほどの娘ワールドを建築中であったり、あつ森でサソリ島に行きたいと夜な夜な頑張っていたりしている。小さい頃、ハッピーセットを店内ですぐに破壊していた頃に比べれば、長く遊んでいる方だ。
我が家にサンタさんが来なかった年はない。毎年それなりに、お願いを聞いてきたつもりだ。しかし、今回ばかりは無理だ。こんなの、おもちゃの値段ではない。我が家のサンタさんは、ここ数日、どう言い訳しようか、そればかり考えていた。
ところがだ。今日12/24になって娘が、「iPad やっぱりやめるわ。音楽聴きたいから、小さいスピーカーが欲しいねん。」と言い出した。いいぞ、娘よ。それだったらいける!
かくして、少し遅めのクリスマスパーティーを終え、娘が寝たのが、0:30 頃。それからサンタは、夜のドンキホーテに、トナカイならぬ車を飛ばし、Bluetooth の小型スピーカーを買って帰り、完全に寝静まった3:30過ぎに、娘の枕元に置いて、無事今年のミッションを終えたのだった。
今日は娘の習い事の大会があるので、あと1時間ほどで起きるだろう。
その時娘が喜んでくれれば、ほぼ徹夜になってしまったサンタとしては、これ以上嬉しいことはない。
いや嘘だ。本当は私にもサンタが来て、新しいカメラを置いていってくれれば、そっちの方が嬉しいと思う最低の偽サンタだ。
でもサンタさん。いい子にするから。
ね、お願いします。
「大空」
大空と言えば、大空翼だ。人は彼をキャプテン翼と呼ぶ。
えっまたそのパターン?という方もいるかもしれないので、もうやめておく。何のことかよくわからない方は、「もっと読みたい」を押してお気に入りに登録し、できれば私の過去作を読んでみてほしい。いや、ぜひ押して。お題は「仲間」だ。
私は、マンションのベランダで、よく本を読む。ベランダには、アウトドアチェアが置いてあり、そこに座って本を読み、コーヒーを飲み、季節がよければ昼寝もする。
今年の3月にメンタルダウンで休職してから、私のお気に入りの場所になった。
よくメンタルケア系の本に「日光に当たりましょう」と書いてあったりする。本当は「家に閉じこもってばかりいないで外に出ましょう」とか、「散歩やジョギングなど有酸素運動が効果的」とかいう意味なのかもしれないが、それはだいぶ難しい。
まず、抑うつ状態で外に出ようという気力がない。お風呂にすら毎日入れない。とにかく電池切れのおもちゃのように、動けないのだ。そんな私が散歩?ジョギング?無理です。出かけられません。
そんな私が編み出した必殺技が、ベランダでぼ〜っとするだった。最初は読書も無理だった。思考力0だったので、集中力が続かないし、読んでいても内容が頭に入ってこないからだ。
ただひたすらぼ〜っとする。空って広いなと思ったりする。空港が近いので、そこから大空へ飛行機が飛んでゆく。あれに乗ってどっか行きたいな、などと思ったりする。そんな一見、無駄とも思える時間を過ごしていくうちに、私の心は少しずつ癒されていったのだと思う。
っと書くと、さも静かな環境でゆったりした時間を過ごしてるように読めるが、実はちょっと違う。
空港が近いが故に、うるさいのだ。飛行機がうちのマンションの上を通過する時には、車輪を出して、完全に着陸態勢に入っている。しかも車輪が出ていることを、目視できる距離だ。尾翼のJALとかANAの字も読める。距離に比例して、騒音もそれなりだ。だからこの辺のマンションの窓は、みんな2重ガラスになってる。
空港が市街地にあるので、離発着は7:00〜21:00に限られている。夜中まで騒音に悩まされることは、さすがにない。近隣住民に配慮してのことだろう。
そんなうるさい中でも、私は気にせずベランダに出る。
遠くの空に飛行機が見える。どこかの国の国際線だろうか。いったいどこに向かっているのだろう。私の心も、はるか上空を飛んでいる。
別にうつじゃなくても、たまには空を見上げながら、のんびりするのもいいものですよ。多忙な方ほど、おススメです。ぜひお試しあれ。
「とりとめのない話」
水道の水が止まらなくなった。
我が家の水道は、ひねるタイプの蛇口ではなく、マンションによくある上下にレバーを動かして、水を出したり止めたりするタイプだ。
レバーを下げても水が止まらない。水がもったいないので、とりあえず止水栓を閉めようとシンクの下を見てみたが、食洗機との分配配管しか見当たらない。
もしかしてと思って、シンク下のパネル板まで取り外してみたが、ない。ありえないことに、このキッチンには、止水栓がないのだ。
マジか。
仕方なく水道管の元栓を閉めて、ようやく水が止まった。でもこれでは、洗面台もトイレも、水が流れないので使えない。
困ったな。時間は夜の9時を過ぎている。今から業者を呼んだら、来るのは早くて10時過ぎ。深夜割増料金確定だ。でもこのままでは、お風呂どころかシャワーも使えない。どうする?どうする、私?
悩みに悩んだ挙句、結局業者に頼むことにした。
1時間後、業者がやってきた。聞けば奈良から来たらしい。
知らなかったのだが、チラシでよく見る「水まわりのトラブル24時間対応‼︎」というのは、自社の社員が、夜間常駐しているわけではない。
客から連絡があってから、業務提携業社に連絡をして、対応できるところに仕事を振るだけなのだ。そしてたまたま今夜、仕事を受けた奈良の下請け業社さんが、大阪まで来たというわけだ。この時点で、水のトラブル対応¥8000 + 深夜割増¥8000である。
聞けば、この水道レバーの下あたりにカートリッジという部品が入っており、それを交換すればいいらしい。ただうちでは取り扱っていないメーカーなので、部品調達ができない。今夜は止水だけしたので、明日メーカーに直接連絡して、つけてもらって下さいと、なんの解決にもなっていないことを言い出した。
いやいや、後日でいいので、できればそのカートリッジとやらを付け替えるところまでやってほしいとお願いしたが、メーカーに頼んだ方が早いの一点張り。そそくさと帰ってしまった。
まあ水は止まったし、キッチン以外は使えるようになったので、今夜はこれでいいことにして、次の日メーカーに連絡することにしたのだけれど、のちにこの業者がさっさと帰ってしまった理由を知ることとなる。
インターネットとは便利なものだ。カートリッジの交換方法なんて、調べればすぐに出てきた。しかもカートリッジはAmazonでも売っている。うちはプライム会員なので、次の日の午前中には届くし、作業も簡単そうだ。私は作業費をケチって、自分でやることにした。
次の日、予定通りカートリッジが届いた。モンキーレンチやプライヤーも、うちにあるもので済みそうだ。私はスマホライトを手に、シンク下に潜っていった。
止水された配管のそばに、水道水を蛇口と食洗機へ分配するための継手が、無造作に置かれていた。なるほど、これを一方は蛇口用配管に、もう一方は食洗機用配管に繋げばいいだけじゃん、簡単簡単♪と安易に考えていたが甘かった。
配管を終え元栓を開くと、継手から水漏れがする。はじめは付け方が悪かったのかと思い何度かやってみたのだが、一向に水漏れは止まらない。
ここで私は、最近娘がハマっている文豪ストレイドッグスの乱歩さんばりに、推理する。
異能力、「水漏れするのはなぜだ‼︎」
なるほど、そういうことか。
配管作業をしたことがある方は、もうお分かりかもしれない。そうだ、パッキンだ。本来あるべきパッキンが、どこを探しても見当たらない。
今まで継手から水漏れなんかしていなかったので、最初からついていなかったということはあり得ない。パッキンがないと絶対水漏れするからだ。なのに今はない。
あの業者か。さては失くしたな。
だからさっさと帰って二度と来ないのか。だいたいうちの蛇口はSANEI製だ。TOTOと並ぶ業界大手、水道屋がSANEIの部品を調達できないなんてことが、あるだろうか。
パッキンは、ホームセンターで簡単に手に入った。
今は無事、水道も使えている。私でも、やればできるのだ。
ところが数日後、今度は洗濯機が故障した。エラーコードは、H 35。ドラムとモーターを繋ぐベルトが外れているらしい。
ベルトはAmazonでも売っている。自分でやるか?業者を呼ぶか?
もう、どうすればいいんだ?