たろ

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4/3/2024, 11:12:54 PM


1つだけ


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4/2/2024, 10:14:16 PM

※閲覧注意※
軽率なクロスオーバー。
要素てんこ盛りなモブちゃんが居るよ。
何でも許せる人向け。

《大切なもの》

お預かりしている神様のひと欠片。
『ツイとツイのミコ、それから私のミコ。』
その神様が大切だと想い、探して欲しいと願ったもの。
『見つかったら、あなたにも教えたい。』
嬉しそうに語る神様の本当の姿の話。
『私のツイとツイのミコ、私のミコに逢えたら、きっと仲良くなる。楽しみだなぁ。』
内側から話し掛けてくる神様の声は、無邪気な子供そのもの。
『私の運命。必ず巡り逢うから、大丈夫。』
出逢えば解るのだと、無邪気な声で告げる神託。
(楽しみにしております。)
夢でしか逢えない大切な神様の一部。
運命に巡り逢えるまで、大切にお預かりするのだ。
―――命の限りを尽くして。

4/1/2024, 1:39:41 PM


【エイプリルフール】

新年度の始まりの日に、嘘みたいな出来事が起きて大混乱した挙げ句、大騒ぎしたのは記憶に新しい。
「うへぇ、心臓に悪くてヤバい。」
結果としては、何事も無かったと言う事で落ち着いたのだけれど、心臓自体と精神的な部分のどちらもがジェットコースターやコーヒーカップに乗った時の様な、そんな心持ちさえする。

「…ごめん。本当に、申し訳ない。」
軽い気持ちでぽとりと零れ落ちた言葉が、まさかこんな事になるとは思わなかった。
「良いよ。むしろ、ちゃんと話せて良かった。知らないで、すれ違う方が嫌だったから。結果オーライだって。」
それでも、言葉を交わすことなく離れてしまうには惜しいと、お互いに思えた事が知れて良かったと、あなたは言うのだ。
「サプライズ大盛りのエイプリルフールって事にしよう!これからも、よろしくね!」
喜色満面のあなたが、抱きついて来るのを受け止めて、そっと抱き締め返す。
「こちらこそ。出来れば末永く、よろしくお願いします。ただし、気が変わったら、すぐに教えて下さい。傷は、浅い内に限ると思う。」
まだクヨクヨする弱い自分を、宥めるのが得意なあなた。
「解った。気が変わったら、すぐに話すね。まぁ、話す機会は無いと思うけどさ。オレは死ぬまで、かっちゃんと一緒に居る気だよ。これは嘘じゃないから、信じて欲しいなぁ。」
抱きついて来る温もりと重さに、幸せを感じてしまうあたり、重症だなと思うのだ。

3/31/2024, 11:24:52 AM

※閲覧注意※
マイノリティな表現や自虐的だったり、センシティブな表現があります。
モダモダしているので、ムダに長いです。

【幸せに】

あなたの幸せを考えたつもりで、余計な事ばかり口走ってしまった。
「自分の事は、二の次で良い。大切な人を本当に大切にする為の代替え扱いにして、構わないから。…それもダメって言われたら、諦めるから。」
胸の奥が多少傷んでも、関係が壊れない様に気を遣うつもりだったし、相手の大切な人に迷惑をかけるつもりもないから、とあなたには笑って伝えた。
「な、んで?…大切な人って、何?え?どうして?急に、そんな事、言われても…。オレ、なんかしちゃった?やらかした?」
目を見開いて動揺しているあなたに、出来るだけ穏やかに対応しようと、笑顔を貼り付けて応える。
「和真は、何もしてないから、大丈夫。大切な人の事をちゃんと大切にして、和真にも普通に幸せになって欲しいから。だから、関係をちゃんとしなくちゃなぁって…。」
思って、と言いかけたところで、あなたが急に駄々をこね始めた。
「ヤダヤダ!何でそんな事言うの?大切な人って何さ!一番大切なのは、かっちゃんだよ!それ以上の人、居ないし!普通に幸せだよ!今っ!」
あなたが、うわぁ!と泣き崩れるのを、何処か他人事のように茫然と見つめる。
「これ以上、俺のワガママに付き合わせちゃ、ダメだって、考えて…。和真には、普通に幸せになって欲しい。俺には無理でも、和真には出来るんだから、さ。」
泣き伏したあなたの丸まった背中を、摩りながら宥める様に声を掛ける。
「普通って何さ!オレの幸せは、オレが決めるの!…オレは、かっちゃんが、良いの!」
どうして目の前のこの人は、自分に都合の良い事ばかり言ってくれるのだろうか。
「子供は産めない、結婚も出来ない。…和真には、どっちも出来る可能性があるんだから。何の役にも立たない俺と、ずっと一緒に居る必要ないじゃん。彼女さんと和真は、ちゃんと籍入れて結婚して、俺とはセフレで充分。ねぇ、そうしよう。」
人に合わせるのが上手なあなただから、きっとワガママを言い続ければ一緒に居てくれるだろうから、きちんと区切りをつけないと。
「…かっちゃん?彼女って何?そんなヤツ居ないけど。セフレって何?誰かに言われたの?オレ、子供キライだし、イラナイ。自分の遺伝子を残すとか、虫唾が走るんだけど。」
すっかり嗚咽が止まって、丸まった背中がしゃんと伸び、泣き腫らした赤い目がこちらを見つめる。怪訝そうに寄せた眉間のシワに加えて、地を這う低い声が返事をする。
「え…?この間、女性と腕組んで、歩いてたよな。」
胸の奥がグズグズと崩れて行きそうになる。
「可愛らしくて、仲良さそうだったし、お似合いだったから。良い人、見つかったんだなぁって、思っ、て。」
喉の奥が軋む。震えそうになる胸の奥の痛みを見て見ぬ振りをする為に、自分の腕を強く握り締めた。
「この間?腕を組んで?歩いて…。あぁ!道案内した時の!え?かっちゃんが近くに居たってこと!?うっそ、気が付かなかった!隠れてたの?」
ひとしきり百面相した後、嬉しそうに抱きついて来るあなたの体を受け止める。
「白杖持ったお姉さんが、お困りだったから、ちょこっとお手伝いしただけだよ。浮気?ナイナイ!…むしろ、ヤキモチ?ちょっと嬉しいかも。いやいや、ダメダメ。肝が冷えるわ!ふわぁ、ビックリしたぁ…。」
ぎゅうぎゅうに抱き締めてくる、あなたの腕に締め上げられながら、悲しみや苦しさで震える喉と胸の奥が喜びで震えるのを感じて、動揺した。

3/30/2024, 1:09:01 PM


【何気ないふり】

親しげに腕を組んで、親密そうな様子で寄り添う2人分の人影。
小柄な女性が組んだ腕を引いて、隣の男性の耳元へ何か囁いていた。
その横顔はとても嬉しそうで、遠目に見ても大層お似合いだった。
(街なかで、知らない誰かと一緒に居る知り合いに遭遇した時は、無闇矢鱈に声を掛けないのが、マナー。)
自分に言い聴かせているのが滑稽で、そっと2人に背を向けて、足早にその場を後にした。

モヤモヤとする負の感情を胸の奥に押し込めたまま、しばらく何気ないふりで日々を過ごした。
(気の迷いは、誰にでもあること。)
理解はしていても、辛いものは辛い。
(どうするのが一番良いだろう?やっぱり、普通に結婚して幸せになって欲しい。)
苦しいけれど、大切な人の幸せは祈りたい。
大切な人の大切な人を守れるなら、この苦しさも少しは報われるのではないだろうか。
(何だって良い。役に立てて、関係を壊さずに近くに居られたら、それで充分だ。)
軽蔑されても、どんな扱いでも良いのだ。
どんな形であれ、あなたが傍に居てくれるだけで、充分なのだ。

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