今がその時じゃん!ってやつ(笑)。
『現実逃避』
今一番、手近でやりたい事。
たった今、やってるな。
拙い妄想に近い、底の浅い想像力を駆使して、書いては消しを繰り返して、なんとか形にする。
現実を織りまぜたり、ただの妄想を書き留めたり。
うん、楽しい。
あとは、この秘密を共有している皆さんと、会ったり話を聴いたりするのは、とっても楽しいので、それもあると嬉しいなぁ。
今が落ち着いたら、会いに行きたいね。
【君は今】
あなたは今、何をしているだろう―――。
「お仕事、終わったかな。」
怪我なく、無事に帰ってきてくれたら、それで良いのだ。
「早く逢いたいな…。」
逢えない時間が、酷くもどかしい。
あなたは今、何をしているだろう。
何か作っているだろうか。
まだ忙しく仕事をしているだろうか。
移動中に立ち寄った売店で、目に止まったものを抱えて帰る。
(気に入ってくれると良いな…。)
今度は、あなたとふたりで一緒に来て、一緒にお土産を選びたいと思った。
元気よくおかえりを言って、出迎えよう。
ちゃんとただいまを言って、帰ろう。
お互いを労うために。
【物憂げな空】
空を見上げて、ため息をひとつ。
「降りそうだなぁ。」
洗濯物は、また部屋干しか。
仕方ない事とは言え、少しだけ青空が恋しくもなる。
「ゆっくり、休むかぁ。」
家の中で出来る事だってあるのだ。
『毎日、良い天気が続いたら、何も育たないよ。たまには、雨も降らないと。』
大好きなあなたが言う事に、嘘はない。
嘘だったとしても、自分は信じている。
「…か、ずま。さむ、い。」
体温が高めの自分に抱きつくように伸びてくる腕が、思うよりも冷たくて焦る。
「冷たっ!何で!?」
少し離れただけで、こんなに?と思う程の冷たさに、急いであなたを布団に納める。
「トイレ行ってきたの?」
布団の中で抱き締めて、背中を擦る。
「急に、布団、剥ぐから。」
奥歯がカタカタと鳴っている様な音がして、枕元に常備してある体温計を引っ掴む。
「奥歯ガタついてんね。風邪引いたかな?」
天気が悪い日は、体調を崩しやすいあなた。
「…うん、ちょっと低いね。暖かくして過ごそう。」
いつもより低い体温を示す体温計。
「お腹は、空いてる?」
エアコンを点けて、部屋を暖める。
「温かい、雑炊でも作るかな!」
2枚程、多めに毛布と布団をかけて、昨夜入れた湯たんぽを、あなたの腕の中に抱き締めさせる。
「美味しいの作るから、待っててね?」
久し振りに、あなたの全てをお世話出来ると、不謹慎にも思ってしまう。
「今日は、ふたりで、のんびりしようね。」
鼻歌混じりで、朝食を用意する。
※閲覧注意※
命に貴賤なし。
大きいも小さいもねぇのですよ。
とまぁ、個人的な感想しか出て来ませんでした。
独断と偏見により、お題から逸れます。
完全なる、逸脱行為です。
それでも良ければ、どうぞ。
【小さな命】
冷蔵庫の扉を開けて、衝撃を受けた。
「わぁ、空っぽ!買い出し行かなきゃだ。…何も考えたくないよぉ。」
頭の中が真っ白で、何も出て来ない。
「ねぇ、かっちゃん!何も思い付かない!何食べたい?」
ガタタッ、と物音がして、驚いた顔のあなたが台所に駆け込んで来た。
「…熱、計って。」
体温計を脇に突っ込まれて、空っぽの冷蔵庫の扉を閉めた腕に抱き締められる。
「え、ちょっと、体温上がっちゃう。」
ピピピと電子音が鳴って、体温計を乱雑に回収される。
「…熱は、なさそう。」
表示された数字は、見慣れたいつもの体温。
「どっか、食べに行こう。…帰りに、買い出しして、今日は何も作らない。」
こんな風に、たまに頭が真っ白になると、あなたは気を使って、外へ連れ出してくれる。
「今日と明日は、俺がやるから。甘え過ぎた、ごめん。」
ぎゅうぎゅうと抱き締められて、少し嬉しくなる。
「わぁい、甘えん坊さんだ!嬉しい!」
えへへ、と笑って、少し苦しくなってくる頃、ゆらゆらと揺れてトントンと背中を叩く。
「…っ、ごめん。」
ぱっと離れる体が、気遣わしげにこちらを覗っている様だった。
「取り敢えず、車で行こう。」
ドライブだ!デートだ!と、はしゃいでいると、あなたは顔を紅くして照れてしまう。
今生の人生とやらを、満喫してやるのだと、この命を燃やしている。
【Love you】
どんな時も、いつだって、あなたは真っ直ぐに、想いを伝えてくれていた。
いつからか、シンプルな言葉を繰り返して、こちらを酷く赤面させてくるようになった。
恥ずかしくて顔が赤くなるのを、からかっているのかもしれないと、思い込もうとする自分を遮る様に繰り返される言葉たち。
とにかくたくさんの言葉をくれるあなたに、少しでも言葉を返したくて。
「愛してる。」
ようやく口から出てきた言葉は、酷く掠れて蚊の啼くような小さいものだった。
「!?…えっ!嬉しい、まって!幻聴じゃないよね?」
面と向かって言えずに、後ろから掛けた自分の声を拾ったあなたが、勢い良く振り返る。
「―――っ!」
目が合いそうになって、慌てて視線を外す。
「…かっちゃん、もう一回、聴きたい。」
そっと抱きついてくるあなたの腕が、遠慮がちなのに気が付いてしまって、いよいよ恥ずかしさが込み上げてくる。
「夢じゃないって、幻聴じゃないって、言って欲しい。ムリ言って、ごめんね。」
あなたの半分よりもずっと少ない回数しか言えていない言葉を、どうにかして伝えなくてはと思うのに、喉が塞がったように動かなくて、溺れてしまいそうだ。
「…嘘じゃない。本当に、言った。」
その言葉だけが、出て来ないのだ。
「うん、聴いてた。聴いていたんだけど、もう一回聴きたいの。お願い、かっちゃん。愛してる。大好き。」
雨のように落ちてくる言葉たちが、身体に沁み込んでくるような気がした。
「…愛してる。和真の事、愛してる。」
ようやく言葉が音になって、口から滑り落ちて来た。やっと出てきた言葉を、きちんと伝えなくては、とあなたに向き合う様に体を動かす。
「オレも、かっちゃんの事が大好き!愛してるよ!」
ぎゅうぎゅうと力強く抱き寄せるあなたの腕が、喜びの強さを伝えてくれる。
「かず、ま?大好き。」
いつまでも離れようとしないあなたの腕に、そっと口付けをした。
あなたの愛に、包まれている。
そう、想った。