※閲覧注意※
命に貴賤なし。
大きいも小さいもねぇのですよ。
とまぁ、個人的な感想しか出て来ませんでした。
独断と偏見により、お題から逸れます。
完全なる、逸脱行為です。
それでも良ければ、どうぞ。
【小さな命】
冷蔵庫の扉を開けて、衝撃を受けた。
「わぁ、空っぽ!買い出し行かなきゃだ。…何も考えたくないよぉ。」
頭の中が真っ白で、何も出て来ない。
「ねぇ、かっちゃん!何も思い付かない!何食べたい?」
ガタタッ、と物音がして、驚いた顔のあなたが台所に駆け込んで来た。
「…熱、計って。」
体温計を脇に突っ込まれて、空っぽの冷蔵庫の扉を閉めた腕に抱き締められる。
「え、ちょっと、体温上がっちゃう。」
ピピピと電子音が鳴って、体温計を乱雑に回収される。
「…熱は、なさそう。」
表示された数字は、見慣れたいつもの体温。
「どっか、食べに行こう。…帰りに、買い出しして、今日は何も作らない。」
こんな風に、たまに頭が真っ白になると、あなたは気を使って、外へ連れ出してくれる。
「今日と明日は、俺がやるから。甘え過ぎた、ごめん。」
ぎゅうぎゅうと抱き締められて、少し嬉しくなる。
「わぁい、甘えん坊さんだ!嬉しい!」
えへへ、と笑って、少し苦しくなってくる頃、ゆらゆらと揺れてトントンと背中を叩く。
「…っ、ごめん。」
ぱっと離れる体が、気遣わしげにこちらを覗っている様だった。
「取り敢えず、車で行こう。」
ドライブだ!デートだ!と、はしゃいでいると、あなたは顔を紅くして照れてしまう。
今生の人生とやらを、満喫してやるのだと、この命を燃やしている。
2/24/2024, 10:01:05 AM