君からの連絡が途絶えて1週間
はじめまして!5年も仲良かったのにはじめて会うの、なんか変だね。笑
なんて会話をしながら居酒屋へと向かった。
君とは友達伝いで仲良くなって5年。LINEやDMは交わしていたものの、生憎君は仕事に県外で行ってしまったからなかなか会えず。やっとはじめましてができたね。
君は出張で東京へ来ていて、終電で帰ろうねなんて2人でいいながら飲み続けていたら深夜になってしまった。彼の気遣いで、始発まで一緒にいようか。と私の行きつけのバーへ行った。
酔った私を介抱するかのようにホテルに連れられ。君を5年見て。私も5年見られていて。男と女に急になるのも、もしかしたらこれがきっかけで気まずくなるのも嫌だと不安な顔をする私に
ごめんね。でも俺はずっとお前のこと女友達じゃなくて女としてみてるから
その一言だった。
お酒はなかなか抜けず彼は午前のプレゼンを遅刻し、午後から向かっていた。
どうせ待っていればまた連絡が来るでしょう。でも私はきっともう君に恋してしまってるから。なんだか辛いです。
また、進展があったら書きます。
あったら。ね。
あの時の君と家で毎日話していた言葉
内鍵ぜーーんぶ壊したらさ。私たちずっと2人だね。どこからもでれない。ださせない。ふたりぼっちだよ。
叶わなかったけれど少しロマンチックだったななんて思う。
刺し殺されても監禁されても拷問されても、死ぬのも。怖くない。でも君とだったら。
ひとりぼっちは怖いの。殺されるより何倍も。
目を瞑ると真っ白い箱の中に私一人だけ放り込まれて怖くて誰にも声は届かなくて泣いても泣いても意味がなくて。そんな感覚に引き寄せられる。
人間が好きです。街ゆく人も。君も。本指名の男も。これから出会うお客様も。
私はさ。私達はさ。弱いんだ
ひとりぼっちでなんて何も出来ない。
私は1人だとなにもないただの女になってしまう。
だからさ、ひとりぼっちだとダメだから君と私でふたりぼっちでいようよ。
そうしたら最強だね
「じゃあさ、僕達2人だけはお互いの弱いところ見せあって泣きたくなったら電話するか会うって約束しようよ」
前に君が言ってくれた言葉。
昔の私は好きな男の子の気の引き方が分からなくて何も出来なかった。強いて言えば目が合った時に笑って会釈するくらい。
「ねぇ、可愛いでしょ?私。知ってるよ。だって君に会うためだけに美容院に行って髪の毛を染めてエクステを新しくして、ちょっとダイエットもした。今日だって家出る4時間前に起きて準備したんだよ。可愛いでしょ私。
まだ、終電あるけど、これから逃してもいい?」
ニコニコ笑いながら言う私に君は眉毛をへにゃっと曲げて笑っていた。
こんな事を初恋のあの人に言ったらどんな反応するのかな。照れるのかな。あの人のことだからきっと嫌な顔をするんだろうな、笑
変わってしまってごめんね。
君と約束したあの言葉。私が君の前で泣かなかったこと、気づいてる?
泣きそうでたまらなくなっても拳を握りしめて涙をこらえて笑顔でバイバイした後、私がどんな顔をしていたのか。なんて知らなくていいの。
すきだよ
って伝えられなかったね。私の泣き顔、可愛いの。だから、精一杯の強がりで君の前では泣かなかったんだ
陽だまりのようないつも明るくて笑っていて。そんな私だけを知っていて欲しかったから。
だって君の前で行かないでって、あともう少しだけ一緒にいよう、?って。私辛いことあったの。なんて涙を流したら君は私の事好きになっちゃうじゃん。可愛い、すき、ってなるじゃん?
そうなって欲しかったんだ。好きになって欲しかった。可愛いって、思って欲しかった。全部全部、強がりだったよ、私を可愛いなんて思えないし帰らないで欲しかった一緒にいたかった彼女にしてほしかった泣き顔だって見せたかった弱いところも受け止めて欲しかった、
叶わなかったことをツラツラと並べて感傷に浸るのはもう飽きたので私は精一杯の強がりで今日も生きてるの
だから、泣かないよ
怖がり、なんてお題は漠然としていて難しいな。
今私に怖いことなんてあるのかな。
こんな身分の手前、警察もヤクザも幽霊も。なんなら殺されることだって怖くないと思えてしまっているの、この歳にしては開き直りすぎていて面白いですね。
昔は映画の影響でお化けが怖くて真っ暗だと寝れなかったな、とか。ヤクザに出会っちゃったらどうしよう、、とか。お客さんの待つホテルに向かう道中怖くて足が震えていたなとか。思い出すと成長したのか退化したのか分からなくて少し胸が痛みます。
私の悪い癖なんですけど、薬を(処方箋)飲むとふわふわして行く感覚がして俗に言うラリってる状態に入ると私は最強だ!何も怖くない!って思い込んでしまうんですよ。
基本仕事中、躁状態に無理やり上げてるのでその無敵なムーブをかませるんですけど終わったあとの虚無感というか、拭えない嫌悪感は2年やってても抜けませんね
もうすぐ、高校卒業した18の女の子が夜職に足を突っ込んでくるのかな。突っ込むななんて言える立場じゃないけど、ほんの少しだけ足を止めて見てほしい。
善悪、倫理観、偏見、そんなものは置いておいていい。
お金を稼げてる期間はある程度心の余裕はあるよ。それが出来なくなったあと残るのは虚しさと汚くない汚くないと自分に呪いかのように言葉をかけてどうにか自分を認めてあげようとする醜い姿だけなんだ。
するな、とは言わない。覚悟を決めてするなら一緒に頑張ろうね。でも、無茶する仕事では無い。
体も心も大事に、どうか取り返しのつかないところに行かないでね。私みたいに死が恐怖を感じなくなるまで、来ないでね。
夜でも朝でもネオンが光っていて人が怖いくらいいる街にいると、草原に寝転がって瞬く星を見たいなと思うことがある。コンビニに行くのに車が必要でバスが1時間に1本、なんならもっと少ない数しか来ないような田舎に行きたいなと思う。
生憎東京生まれ東京育ちなので、田舎らしい田舎には行ったことがない。澄んだ空気や大きく煌めく星、月。見たことがないから憶測で話しているのだろうけど、私という人生にいつか刻みつけたいと思っている。
人を愛すること、愛されること。
いつの時代もとても綺麗なはずだったのに。今も変わらず綺麗な心と言葉でその愛を並べてる人は沢山いるのに。信じきれない言葉になったのは何時なんだろう。
1年ほど前に本指名の男に泣きながら言われたんだ
「源氏名ちゃんと、出会えて嬉しいけどこんな汚い場所じゃなくてもっともっと綺麗な場所で君と出会いたかった。」
気付かぬうちに私もそちら側に回っていたんだと気づいた私は何も言えなかった。何もしてあげられなかった。
直ぐに店を変えてしまった私はあの本指名が今どこで誰とその景色を見ているのか分からない。
どの職種に移っても、
笑顔でお客様を返す
私と出会ったことを不幸な思い出にしない
を目標にしている私にしたら今でも胸が痛くなる
あの人の中で私が嫌な思い出になっていませんように。
田舎に行きたいなと。澄み切った空を見たいと思った時に会いたくなるような、星のような人間になりたい。深く思う