たった1つの希望。
願うことは無限にあるのに。
欲しいものの無数の中で得られないもの。
会って
合って
合わさらなくて。
会えなくて。
逢いたくて。
涙の線は下に落ちる。
涙の線は横を流れる。
どちらにも感情があって。
確かに存在する。
私欲のためだけに願う希望ももちろん欲しいのだけれど
合わせて重ねた掌の中であたためられた
希望というものは、
1つであるはずなのに、とても熱くて大きい。
その歓喜の渦に呑み込まれて。
私は何を叫ぶのだろうか。
祈るのだろうか。
1つと集約するとなんだか無数に伸びていく気がして
そうあって欲しいと願わずにいられない。
無数の希望の中に愛があること。
それがたったひとつの希望って贅沢なのだろうか?
それでも私は愛がほしい。
1つの希望の中にさえも、ちゃんとあってほしい。
欲望
抜け殻になるまで。
ずっと、そうやって集中させてきたのに。
意味があって、欲しがったのに。
なんだったんだろう。
忘れてしまった。
生きていくことへの渇望だって。
不思議だな。
地に足が浮いてるだなんて、
そんな目で見つめないで欲しい。
ないふりをしてあるものを見つめるより、
あるものを見てないものへの
この頭でっかちなごちゃごちゃがある。
私達の無限がそこにあって。
私の無限が誰かのいらないもので。
きっと、いつか、胸のすく思いへと変わるのだろうか。
遠くの街へ
電車に揺られて、視線は向かいの席。
スマホ画面をじっと見つめ、ふと
左横を見ると女子高生の会話が溢れて、
また正面を向き直すと、今度は、窓の外を
後ろ向いて見つめている。
再び正面。
スマホスマホスマホスマホスマホスマホスマホ。
目に見える景色もスマートフォンで映す景色も
一緒だけど、空気も天気も変わっているはずなのに
なんだかその小さな画面に負けた気がして、
これからも負ける気がして。
なんだか悔しい。
汗をかいて歩みを進めて辿り着いた
書店には、本の他に店主さんの
小さな声が会話が、
ちいさな頼りとして私の耳に届いた。
忘れてしまう。
忘れた方がいい。
それでも覚えていたい。
記憶も視線も録音に頼ってしまう。
それでも少し離れた街へ。
足を運び風を感じる。
行き着く先には、呼吸がちゃんとあって
人の温もりがあることを、
真実という記憶とあたたかさが知っている。
この温もりの着地は、
私の目と耳と歩んだ足でしか得られないのだから。
現実逃避
人によって、障害物はそれぞれ異なるんだよ
なんて言っても、そんな前から教育されたものを
今更そんなと心に留めた瞬間に
零れ落ちてしまう気がする。
正しさの優しさか。
優しさの優しさか。
逃げるな。
逃げてもいいよ。
その理不尽に縋っても、突き飛ばされる。
悩み続ける。
悲しみという感傷に浸る。
前を向くためにだけにあって。
後退や回り道は許されないのかな?
突き飛ばしたことも答えという応えを示したことを
忘れて、
閉じこもった殻を誰かが割ってくれるのを
ただひたらすら静かに待つ。
その静寂は、今もちゃんと愚かなのかな?
ただ、引いた足を引きずった足を肯定して、
偉そうにそう言って認めたいのに。
足は前を向けと、添えられる。
優しさを否定しない代わりの涙に執着している。
生きていく歩みを縋っているみたいだ。
願いというのかな。祈りと呼ぶのかな。
希望なんて簡単に言わないで。
ただ、空虚な寂しさが冷えたままなのに
抱きしめると熱くなろうとすることを
私達は互いに隠している。
気づいた時には知らないふりをしてるなんて
醜い言い訳を残して。
可愛さの欠片だけを拾い集める。
それを日々と呼ぶのだったら、
「現実」という名前がついて
疲れたら「逃避」することへの選択肢を
勝手に決めないで欲しい。
君は今
私とあなたが見上げる空色は一緒なのに
雲の形が変わって、それだけでよかったのに。
ただ、それだけがよかったのに。
誰かに、会いたいのかも。
会いたくないのかさえもわからなくなる。
あの日、美しいと思った海月は
感情がない生き物らしい。
海月。クラゲ。くらげ。
本当に何も考えていないのかな、クラゲは。
好きという感情と
美しいと感じる感覚は
似ているようで、少し違う。
息を吐いた。意識して吐いた。
赤くなった目を冷やすために
冷たい水で顔を洗った。
恥ずかしさと痛みは
どこか似ている気がする。
私は美しさには手を伸ばしたくなるのに
美しいと感じたものから
目を背けてしまうこともある。
それでも見る。
ねぇ、今見ている景色や存在は
感情のズレを映しているだけなのに
何も語ろうとはしない。
それでも、私が好きと言えば
そのまま包み込んでくれる?
包まれてしまったら
きっと私は抗えない。
ずるさも弱さも抱えたまま
静かにあたためていく。
傷ついても
離れない理由を探してしまう。
欲しかった。
無宗教なのに
愛の前ではいつだって
どこか祈りに似ている。
君は今、愛に染まっていますか?
どうか今はまだ
この気持ちに気づかないふりをしてください。
愛と好きが重なるまでは。