空色の独り言

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遠くの街へ


電車に揺られて、視線は向かいの席。

スマホ画面をじっと見つめ、ふと
左横を見ると女子高生の会話が溢れて、
また正面を向き直すと、今度は、窓の外を
後ろ向いて見つめている。
再び正面。


スマホスマホスマホスマホスマホスマホスマホ。

目に見える景色もスマートフォンで映す景色も
一緒だけど、空気も天気も変わっているはずなのに
なんだかその小さな画面に負けた気がして、
これからも負ける気がして。

なんだか悔しい。

汗をかいて歩みを進めて辿り着いた
書店には、本の他に店主さんの
小さな声が会話が、
ちいさな頼りとして私の耳に届いた。

忘れてしまう。
忘れた方がいい。
それでも覚えていたい。

記憶も視線も録音に頼ってしまう。

それでも少し離れた街へ。

足を運び風を感じる。

行き着く先には、呼吸がちゃんとあって
人の温もりがあることを、
真実という記憶とあたたかさが知っている。

この温もりの着地は、
私の目と耳と歩んだ足でしか得られないのだから。

2/28/2026, 12:12:20 PM