しるべにねがうは

Open App
1/26/2025, 12:51:34 AM

おわらないものがたり

冗談じゃねぇ、と思う。
終われよ物語なんだから。
めでたしめでたしでいいだろ。
俺たちの戦いは永遠に続く、だなんてそんなのは。

そんなのは、酷いじゃないか。

「ねぇ尾上君、大学生って何するんですか?」
「……サークル活動、飲み会、あと何…しらん…まだ高校生だし俺…」
「言い方を変えます、尾上君、大学生になったら何したいですか」
「まず入学式で爆睡だろ、そんで隣に座った奴と友達になりたい、どの講義取るってぐだぐだ言いたい、あとゲームわかる奴と友達になって放課後マックでだらだらしたい、成人したら酒を飲みたい」
「勉強は?」
「するわ!!いや勉強は1人でも出来ないことないだろ、まぁ限界はあるけどさ……あの大学じゃねぇといない先生とか講義とかあるし。でも同年代と同じ場所に通うって久しぶりだし俺の大学生のイメージがそんな感じってのもある」
「まぁ私も大学行ったこと無いのでその辺りわかりませんけど」
「高校生の考える・知ってる大学ってそんなもんだよな」
「でも楽しそうですわね、よいことです」
「入学前からネガはねーな」
「うふふ」

入学前、大学合格後に出された課題に四苦八苦してる俺といつもの通り護衛のお嬢。あと2ヶ月で俺は柳谷邸を出る。
笹本さんから家事を教わり、石蕗さんには物件選びを手伝ってもらい、お嬢から対怪異妖あれそれを、蛸嶋君から家具家電の選び方やなんかを教わっていたあの頃。
出会った当初と思えばオバケとの遭遇率がかなり低かった。
体質がマシになったのかと思っていたが多分そんな事はなく。
あれは裏でたくさんの人が頑張ってくれていて、あと俺もちょっとした事なら自分で対応できるようになったから騒がなくなったんだと思う。
穏やかな日々だった。
俺がテキストを進める傍らで編み物に精を出すお嬢、時折挟まれる雑談。あと2ヶ月で失われると知っていたけれど、最初から知っていた別れはさほど寂しく無い。

「大学、楽しみですわね」
「お嬢は大学どこ行くの?」
「私進学しませんよ」
「……マジで!?」
「色々事情がありまして。このまま陰陽師に就職ですし」
「陰陽師には大学ない的な…」
「宗教的な大学はありますが、まぁ私達所属してる所が所ですからね…一般的な大学にはいきませんわね」
「最終学歴高校!?」
「陰陽師就職には支障ありませんから」
「あぁまあそっか…そうだよな」
「これからも、尾上君達が平和な生活を送るのをお手伝いしますわよ、まぁ日の目は見ませんけれど」
「そりゃ心強い」
「そう言ってくださって何よりです」

それから新居に入るまで柳家邸に世話になって。
大学入って会わなくなって。
一緒に入学した五月君もそこまで見なくなって。
大学卒業して。
入社した所がわりかしやべぇとこで。

今もきっと、この闇夜にかける星のように。
人知れず人を助ける人々がいるのだと。
最初から道は分かれていた。
そっちは俺の道じゃなかった。
もう何も知る事はできないけど、
どうか穏やかな日があればと願うよ。

1/24/2025, 11:56:11 PM

やさしいうそ

枠だけしつれいします

1/22/2025, 10:57:10 PM

貴方への贈り物

「お誕生日に風邪を引いた尾上君、なにか欲しいものはありますか」
「スポドリ、氷枕、風邪薬、あと休み」
「笹本が全部用意してくれました、良かったですねぇ…」
「わぁい笹本さんありがとう…」
「私からはすりりんごを」
「えっ真面目にうれしいありがとう」
「後日ちゃんとしたお誕生日会があります、お楽しみに」
「ごめんクリスマスに馬で寺社仏閣連れ回された身としては何も楽しみにできない、詳細を…、今のうちに詳細を把握させて…」
「蛸嶋くんが『震えて待て』と」
「いやだ!!絶対いだ!!」
「ケーキもありますよ大丈夫」
「ケーキ以外に何があるんだよ」
「これ以上はちょっと…」
「言えよ俺の誕生日会だろ!?」
「サプライズが鉄板だとお聞きしましたので」
「誰だよそんな怖えの入れ知恵したやつ」
「物部君が」
「アイツ意外とミーハーなの…!?」

「何にせよ、尾上君がびっくり間違いなしのお誕生日会を計画しておりますので、お楽しみに」

不敵な笑顔を残して、いや他にもスポドリやら氷嚢やら氷枕やら手拭いやらあるけど、まぁその辺を残してお嬢の足音が遠のいていく。

「……まぁ、クリスマスよりは普通だろ」

病み上がりの人間用にしてあるか、完全復活してからの開催かは知らないが、まぁそこそこ期待するとしよう。

俺は呑気に構えて、布団に潜るのだった。


後日。


「いや盆と正月とクリスマス合体させてんじゃねーよ!!!」
「お祝い事全部やっときゃ間違いないって蛸嶋くんが言いました」
「とりあえず如月号とお散歩行こうぜ」

以上、お疲れ!!!

1/21/2025, 1:24:46 PM

羅針盤

「君は羅針盤のような人生の歩み方をしているのだねぇ、と言われたことがありますわ」
「…………らしんばんってなに?」
「方位磁針、コンパス。磁石を水に浮かべると必ずN極が北を向きますわね。それを利用して正しい方角を知るためのものですわ」
「はぁん」
「わかってませんわね」
「俺だって算数の時間に円を書いたり円周率を使った計算したりしたことあるわ。なめんな」
「コンパス違いですわよそれ」
「で、どういう意味なんだよ」
「曲がらないとか頑固とかそういう意味では?」
「お嬢が?」
「……自分で言うの嫌ですけれど、ええ」
「お嬢どっちかって言うとロケットじゃない?」


後日加筆します

1/20/2025, 12:58:00 PM

明日に向かって歩く、でも

ドえらい後ろ向きネガティブ。つられる方は注意。

人それぞれを大前提とする。
俺、「明日」って嫌いな時期あった。
朝が来ることが嫌だった。
夕方まで全部辛くて、夜が1番安心した。
ずっと明日が来なければいいと思ってた。

今も。毎日じゃないけど。

なぁ、生きるの、しんどいよ。
元気になれること全然ない。
でもさ、死にたくない。

辛いまま死にたくない。
とりあえず生きてりゃ、なんか、ちっぽけでもいいことあるかもしれない。それか、不慮の事故とかでさ、ね。

誰も悪くない事故で終われたらいいなって。
まだ全然若いからさ、そんなこと望むなんて贅沢だって言われるじゃん。でも辛いよ。何もかも。

かみさま、もしいるなら、おれをじごくにおとしてね。
あぁやっぱりいきてるころってしあわせだったんだなめぐまれてたなって、おもいたいから。

明日に向かってあるく、でも。
明るいとは限らない。

ねぇ、だけど俺この言葉も好きだよ。気休めにしかならないかもだけど、今つらいひとに届くといいな。

夜明け前が、いちばんくらい。

ながいながいよるを、いっしょにこえよう。
そうしていつか、あさやけをみよう。

Next