しるべにねがうは

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貴方への贈り物

「お誕生日に風邪を引いた尾上君、なにか欲しいものはありますか」
「スポドリ、氷枕、風邪薬、あと休み」
「笹本が全部用意してくれました、良かったですねぇ…」
「わぁい笹本さんありがとう…」
「私からはすりりんごを」
「えっ真面目にうれしいありがとう」
「後日ちゃんとしたお誕生日会があります、お楽しみに」
「ごめんクリスマスに馬で寺社仏閣連れ回された身としては何も楽しみにできない、詳細を…、今のうちに詳細を把握させて…」
「蛸嶋くんが『震えて待て』と」
「いやだ!!絶対いだ!!」
「ケーキもありますよ大丈夫」
「ケーキ以外に何があるんだよ」
「これ以上はちょっと…」
「言えよ俺の誕生日会だろ!?」
「サプライズが鉄板だとお聞きしましたので」
「誰だよそんな怖えの入れ知恵したやつ」
「物部君が」
「アイツ意外とミーハーなの…!?」

「何にせよ、尾上君がびっくり間違いなしのお誕生日会を計画しておりますので、お楽しみに」

不敵な笑顔を残して、いや他にもスポドリやら氷嚢やら氷枕やら手拭いやらあるけど、まぁその辺を残してお嬢の足音が遠のいていく。

「……まぁ、クリスマスよりは普通だろ」

病み上がりの人間用にしてあるか、完全復活してからの開催かは知らないが、まぁそこそこ期待するとしよう。

俺は呑気に構えて、布団に潜るのだった。


後日。


「いや盆と正月とクリスマス合体させてんじゃねーよ!!!」
「お祝い事全部やっときゃ間違いないって蛸嶋くんが言いました」
「とりあえず如月号とお散歩行こうぜ」

以上、お疲れ!!!

1/22/2025, 10:57:10 PM