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4/27/2026, 12:56:30 PM

生きる意味(オリジナル)

「生きる意味なんて、軽く考えた方が良いよ」
かつて友人が私に言った言葉が脳裏に蘇った。
当時、私は子育て真っ只中。
友人は独身だった。
私の生活は全て、子供を中心に回っていた。
世の母にとっては当たり前の事だと思う。
良い教育を受けさせたいし、いじめられないようそれなりの服や道具を買い与えないといけないし、能力を伸ばしてやりたいので興味のある事はやらせてあげたいし。
旦那の稼ぎだけでは足りず働きに出たし、旦那と子供のお弁当は10年続いたし、休日は子供の部活に連れていく足になったし、自分の事は全て後回しになってしまったけれど、それで良かった。
子供達が、私の生きる意味だった。
けれど。
思春期を過ぎたあたりから会話もなくなり、何を言っても疎ましがられ、子供が何を考えているかわからなくなった。
邪険にされ、遠ざかり、家を出て、音信不通。
あんなに大事に育ててきたのに。
あんなに自己を犠牲にして尽くしてきたのに。
あんなに忙しかった毎日が、今は。
私は空っぽになってしまった。
子供が全てだったので、今さら自分の好きに生きていいと言われても、何がしたいのか、何が好きなのかわからない。
リビングでひとり鬱々としていて、突然脳裏に蘇ったのが、昔の友人の言葉だった。
当時は、誰のためにも生きていない独身の友人の事を哀れに思っていたけれど、そうではなかったのかもしれない。
自由な彼女を羨む気持ちを押し殺し、自分は不幸ではない、幸せなのだと思い込みたかっただけなのかもしれない。
私は少しの懺悔と後悔を感じながら、久しぶりに彼女にLINEを送ってみた。
彼女は今も変わらず独身で、私が子育てを終えて自由になった事を喜んでくれた。
しばらくして、彼女の推しのコンサートに誘ってくれた。LINEにはこうあった。
「推しに会えるまで生きる!」
ああ、なんてささやかで短い生きる意味だろう。
けれど、生きる意味なんて、唯一や一番を作らなくても、一つに寄りかかる事なく、都度楽しみを未来に見出していく。こういう事で良いのかもしれない。
私の世界が、新たに生まれ変わった気がした。

4/26/2026, 11:54:06 AM

善悪(914.6)

善悪は時と場合によって異なる。
絶対的な善や悪はなかなかない。
アニメや漫画などフィクションでは、私は結構悪役側が好きだったりする。
現実にいたら身近にいて欲しくないし、友達にしたくないが、それはそれ、これはこれである。
世の人々に聞くと、大体好悪の視点が「身近にいたら」とか「旦那にするなら」というもので、びっくりした事がある。
私の方が変なのか??
オタクはみんな私側よね??
閑話休題。
小学校低学年までは善の主人公が好きだったが、高学年では友人ポジの報われないサブキャラを好きになり、大人になってからは壮絶な過去持ちの闇堕ち悪役を好きになる事が多くなった。
光に当たる、大きな声の善だけが善ではなく、善悪は立場や視点によって絶えず揺れ動くものであり、自分がそれを判断する時は、常に公平でありたいと思っている。
おかげで、常に反対意見も考えて、水を差してしまう事も多いのだけれど。
悪い事だとは思っていない。
こういう人もいて良いでしょう(ポジティブ)
今後も色んな善悪を疑って、自分なりに判断していきたい。

4/25/2026, 3:22:45 PM

流れ星に願いを(オリジナル)

流れ星に、願いを叶える力なんてないと思う。
そもそも、流れ星なんて数秒で消えてしまうのに、その刹那に何を願えると言うのか。
そして何より、僕は神の存在を信じていない。
神が本当に存在するのなら、僕はこんな風になっていない。
僕は夜の山道を、トボトボと下っていた。
小学校から家までの帰り道である。
今日は塾がある日だったが、行けなかった。
学校で焼却炉に落とされて気を失っていたからだ。
僕が気絶した事で怖くなったのか、焼却炉の蓋が開きっぱなしだったので、ゴミの山を詰み、なんとか外に出る事ができた。
辺りは真っ暗だった。
両親は共働きで、家には遅くに帰ってくるが、もしかしたらこの時間、母親が家にいるかもしれない。
僕は心配になり、臭くなった衣服を誤魔化すために水道で全身を濡らした。
この方がまだ、ふざけて遊んだと言い訳できる。
僕はいじめられていた。
それも、正義感からいじめっ子を庇った事により、標的にされてしまった。
僕は全然悪くない。
なのに、いじめっ子は罰せられるどころかいじめをエスカレートさせ、先生もクラスメイトも知らぬふり。
天罰が下る様子もなかった。
お天道様はいつも見ているのではなかったのか?
バチが当たるとは何だったのか?
神様が何もしてくれないのなら、神様なんていないのも同じ。
正しいものが報われず、正しくないものが罰せられない世界なんて間違っている。
僕の髪からポタポタと水滴がしたたり落ち、僕の目からも涙がこぼれ落ちた。
「クソッ」
こんな事で泣くのも悔しくて、僕は顔の水滴を袖で拭って、空を見上げた。
と、そこに流れ星。
とっさに願ったのは、

こんな間違った世界、滅びますように。

だった。
こんなに短い時間でも案外願えるものだな、と、考えを改めるとともに、神を信じていなくても、やっぱり何かに願おうと思うものなんだなと、ぼんやりと思った。

4/24/2026, 11:36:15 PM

ルール(オリジナル)

世界と平和はルールでできている。
「ルールを破りましたね」
どこで見ていたものか、取締官が翼を広げて空からやってきた。
私は無駄な抵抗を試みる。
「何のことです?」
「神は全てを見ています。あなたはさっき、人によって対応を変えました。全く同じものを、異なる値段で売ったそれは、争いを生む行為です。この世界のルールに反しています」
もちろん、それは私も知っていた。
「けれど、彼は貧乏だったんです。命の危機にありました。私は善意から行動したまでです。それでも罰せられるのですか」
「貧乏なのは彼の責任です。それに、高く買った者がどう思うか考えないのですか。安く買えた者も味をしめて今後、人の情に寄生するようになるかもしれません。それは果たして善でしょうか」
「……そんな。彼は今回の事で命を繋いで感謝して、貧乏から脱する道を目指すかもしれないじゃないですか。全員が必ずそうなると決まっているわけではないものにルールを定めるのはおかしいと思うのですが」
「そうでしょうか。学校にも職場にも守るべきルールがあります。世界も同じ。なぜそれがわからないのですか」
取締官は険しい表情でそう言って、私を更生施設に収容したのだった。

「主よ、世界に綻びが生じてきております」
取締官は神に報告した。
ルール違反者が増大している。
世界に平和をもたらそうと、己を賭してこの世界を作った創造主様。
争いを生まないようルールを定め、それを遂行できる人格に人類を矯正してきたのだったが。
世代交代が進むたび、矯正力が薄れてきているようだった。
「争いはどうあっても免れないというのか……」
姿は現さず、主は落胆したように呟いた。
「もはや皆が争いを選ぶのであれば、好きに滅ぶが良い」
「主よ、諦めないでください。人類を見限らないでください。我々が神の代行者として精一杯努めますから」
取締官の心は正義に燃えた。
世の争いの種を滅すべく、より一層の働きを神に誓うのであった。

4/23/2026, 11:22:27 AM

今日の心模様(914.6)

嬉しいとか悲しいとか。
明るいとか暗いとか。
「心模様」と聞いて、当初そんな単純なものが浮かんでいたのですが、「模様」は複雑なのもアリなわけで。ハートでも曼荼羅でも良いわけだ。

今日、Xのポストで、心臓にもニューロンがあり、脳の指令とは別に独自に動くらしいと見ました。
本当か嘘か、心臓移植で移植者の性質が移るとも。
心は脳にあるか心臓にあるか問題に一石を投じる研究だなぁと興味深く思いました。
そんな「心模様」は心臓の模様なのか脳の模様なのか。

面白い。

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