せつか

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8/30/2024, 11:18:21 AM

自分に馴染みがなさすぎて、あの歌しか浮かばなかった(笑)。


END


「香水」

8/29/2024, 11:29:20 PM

リアルで欲しいのは、何気ない挨拶とお互いを労う言葉。
誰と誰が結婚したとか、誰の子供が進学したとか、何とか言うアイドルが好きでとか、そういう言葉は全部耳と頭をただ通り抜けていく。
それは『〇〇所属の××という仕事をしている私』に対しての言葉じゃなくて、相手がただ一方的にまくし立てて話したいだけにしか見えないから。
そんな言葉はいらない。

リアルでいらない言葉の数々は、ネットで欲しい言葉の数々でもある。
好きな作家の話、好きなゲームの話。そういう言葉なら一字一句逃さず頭に刻もうと思う。
それは『〇〇というゲームが好きな私』を相手が知っているからだ。相手の言葉に返す言葉を私がしっかり持ってるからだ。

リアルとネットの違いは多分、「今ここにいるのはどんな自分か」という認識の違いだろう。
ネットの方が心地いいのは、言葉が通じて、視点が近い人とだけ繋がっていられるからだ。

言葉はいらない、ただ私という人間を見て欲しい。
リアルで私に関係ない話をする人達も、自分という人間を知って欲しいという気持ちがあるのだろうか?


END


「言葉はいらない、ただ·····」

8/29/2024, 2:43:24 AM

突然の君の訪問。
外に出られない私は君の青い羽根と小さな歌で世界が変化していくものだということを知った。
窓辺で小さく首を傾げ、可愛らしい声で歌う君の姿。
鉄格子越しに見た君の姿に、私はどれだけ癒されたか。小さなパン屑くらいでしか感謝の言葉を告げられなかった私を許して欲しい。

君の訪問は鉄格子が冷たくなって来た頃、不意に終わりを告げたね。その頃にはもう、私は薄々気付いていた。世界が変わり続けるように、君の居場所もこの小さな窓辺ではなくなり、私の居場所もまたこの狭い部屋ではなくなる日が近いのだろう。
その日は少しずつ近付いてくる。
一歩ずつ、ひたひたと。
私は外で生きてはいけないそうだ。何が悪いのか分からないけれど、私は「悪いもの」らしい。
生まれた時からそう言われて、ずっとここで生きていたけれど、最近私に食事を運んでくれていた人が言っていた言葉でそれを確信した。
「そろそろ始末しないと手に負えなくなる」と。

――私は処刑されるのだろう。
それは私にとって、居場所が変わるだけのことだ。
どうやって殺されるのか分からないけれど、苦しみがなるべく少ないならいい。
あぁ、でも。
最期に君に、会いたかったな。

◆◆◆

「時間です。出て下さい」
それは初めて聞く声だった。
「·····」
金色の髪。青い瞳。あの羽根と同じ色をした、青い外套。
「本日午後〇〇時、貴方の刑を執行します」
春の風のような甘い声。
「·····」
「あぁ、その目が〝魔性〟と呼ばれる由縁ですね。ご心配なく、私には効きませんので。さぁ立って。身なりを整えましょう」
「·····あれは」
「はい?」
――あれは君だったんだね。

狭い部屋の片隅に、色褪せた青い羽根が一枚落ちていた。


END


「突然の君の訪問。」

8/27/2024, 4:14:03 PM

いつ降るかいつ降るかと人々をハラハラさせた空は夕方過ぎについに降り出し、夜には土砂降りになった。

男の花屋にも屋根を借りに来る者が入れ替わり立ち代り訪れていたが、この街で花を買う者はそう多くない。店主である男と目が合うと気まずそうに立ち去る者がほとんどで、取り繕うような笑みと共に思い付きで花の一輪でも買ってくれればいい方だった。

そんな平日の夜。
そろそろ閉店作業を始めようと、最後の雨宿り客を笑顔で追い出した頃だった。
「·····あれ」
一人の男が足早に近付いてくる。彼は雨から逃れるように店まで来ると、屋根の下で髪から垂れてくる雫を指で拭った。
男の髪も、肩も、服も全身雨に濡れている。だがその表情に不快さや疲労感は見えない。彼はそこが花屋だと気付くと店内に目を転じ、吟味するように花の一つ一つを見て回り始めた。
その背が実に楽しげで、店主の男は思わず閉店作業の手を止めてしまう。
彼はしばらく無言で店の中を歩いていたが、ガラスケースの中の白い花に気付くと立ち止まり、やがてふわりと微笑んだ。
「――」
その横顔は、男の胸にさざ波を呼び起こす。
「そろそろ閉店なんだけど·····その花、包もうか?」
声を掛けると、男は色素の薄い瞳を数度瞬かせた。
「·····あぁ、そうだね。お願いしようかな。出来れば全部欲しいんだけど·····いいかな?」
「勿論いいとも」
白い花を手際よく包む。――あぁ、そうだ。彼女は白い花のようなひとだった。本当に·····〝キミ〟はよく覚えている。

包んだ花を手渡した瞬間、不意に指が触れた。
「綺麗だ。ありがとう」
「いえいえ。それ、綺麗だけど何故か人気が無くてね。キミに見つけて貰えてきっと花も喜んでるよ」
「·····どこかで会ったことが?」
「ん? いや、気のせいだよ。·····うん、きっとね」
「それにしても、こんなところに花屋があるなんて気付かなかったな。また寄らせて貰うかも」
「いつでも歓迎するよ。今度は晴れの日にでも」
「ありがとう。·····あぁ、雨が上がった」
男の声に視線を上げる。
雲の切れ間から、丸い月が顔を覗かせていた。


END


「雨に佇む」

8/26/2024, 2:05:59 PM

ロクに続いた事が無い。
海外小説に出てくるような鍵のついた日記も、学校の友達と交換しようねと言って買った日記も、読書記録をつけようと思って買った文庫サイズの日記も、全部最初の数ページで終わった。

「日記」そのものが私に合わないのかもしれない。
·····違うな。多分、自分の字が好きになれないから読み返すのが嫌になって、書く気が失せてしまうんだ。
だって、このアプリや他の読書記録アプリは続いてるから。

やっぱり綺麗な字って憧れるなぁ。


END



「私の日記帳」

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