sol

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5/17/2024, 5:58:52 PM

私は、夜しか会えないあなたに恋をした
あなたを好きな人なんて沢山いるだろうけど
それでも私はあなたが好きで好きで堪らない
あなたってとても複雑で、たまにしか顔をみせてくれないけど
そんな所も全部好き

私は、あなたと会うだけで輝ける
私の夜は脆くてとても短いけれど
あなたに会うためだけに
あなたに見つけてもらうためだけに
真っ白なドレスを身に着けて
お気に入りの香水を纏う

私、もうすぐあなたと逢えなくなるけれど
また来年、逢いに来てもいいかしら
きっとあなたは寛大だから
「いつでもおいでよ」
なんて優しく微笑むのかしら

私は恋する月下美人
宙に浮かぶ大きなお月様
私はあなたを好いています。
来年もここで、白いドレス身に着けて
真夜中に逢いに来ます。

それまで、どうか、私以外を好きにならないで。



【真夜中】



あとがき


私、その時期その時間しか見れないお花ってとてもロマンを感じて大好きなんです。
桜とか、紫陽花とか、向日葵とか、朝顔とか、月下美人とか
普段はそんなに花どうこういうタイプではないんですが
どうもこのロマンには逆らえず…
あなたにも好きなお花ありますか?
そのお花も誰かに、何かに恋をしてるかもしれませんね

5/15/2024, 10:55:28 AM

3度目の春、恋をする
隣の席、窓際のあなた
ぐっすり眠る横顔に
起きなくて大丈夫なのかな、とか
そんな顔他の人に見せないでね、とか
日々募る、秘める恋心

夏、距離が縮まる
「文化祭役員、俺とやろうよ」
「…へ?」
火照る顔は彼のせいかこの暑さか
私でいいのかなと思いつつ
選んでくれてありがとう。

秋は恋なんて言ってられない
「志望校、決めた?てか進学?」
その口振りは進学かな
あなたは?って聞けない私が
どこまでも嫌になる。

冬、もうここしか無いのに
もう、あなたと離れ離れなのに
勇気を出せない私の恋心は
このまま秘めたまま
受かったんだね、あの大学
遠くに、行っちゃうんだね
「おめでとう」
「そっちこそおめでとう」

ここで見る、最後の桜
「結局、言えなかったなぁ」
震える携帯電話
「ごめん、あと少し時間ある?」
聞き慣れた声、大好きなあなたの声
走る体育館裏

「呼び出してごめん、俺後悔したくなくてさ」
私は後悔することを選んだのに
あなたのそういうところが好きになったの
憧れで、大好きで

「あのね、私もあなたのことずっと…」



【後悔】



あとがき

甘酸っぱ!!!ずるい!!
もう何にも書くことないです!!
幸せになれ!!もう!!


5/14/2024, 1:14:41 PM

新卒社会人
その華々しさは名ばかりで
16年、人生の半分以上の時を過ごした
学校という規律ある狭いコミュニティから放り出される
それが社会人になるということ。

23歳、アルバイトの経験もない私
16年で積んだ知識の殆どが
今に生かされぬということを知る。

「商談…接待…生活…」
ポソポソと口から漏れるそれらは
学校でほとんど習わなかった物である

経済学を履修したところで、この世の経済が読めるようになる訳では無いし
化学を履修したところで、この世の謎を解明できる訳では無い。
私は知らなかった
習ったものその殆どが、必履修ではなく応用だったのだ

学んだことをどれだけ生かせるか
結局は己のポテンシャルの話なのである
「臨機応変ってわかる?あなたにはそれが足りない」
臨機応変の四文字は習っても、具体的なその活路は習っていない。

「自己主張と協調性のバランスを上手く取らないとやっていけないよ」
個性をのばし協調する方法は習っても、なんでも飲み込むことを協調性とは習ってないし、相手の顔色を伺いながらベストアンサーを放つことが自己主張とは習ってない。

屁理屈なのだ、所詮は屁理屈
私はこの世に馴染むことを心のどこかで拒んでいる
怖いのだ、本当に放り出されたと認めるのが

認められ、認める。それがこの世で1番大切なこととは分かっていても
私がこの世に必要なのだと認められ
私はこの世の歯車のひとつなのだと認める

私は今日も風に身を任せる
いつか誰かに認められ、私が私を認めるまで
私はこの世を否定しながら、私自身を否定しながら。



【風に身を任せ】



あとがき

珍しく終わりのないお話です。
彼女はいつか気付けるでしょうか
流れることだけが全てでないこと
焦ることが最善でないこと
幼子の様な焦燥や我儘を大人の言葉で書き連ねた
皆さんも通ったことがある道かもしれませんね
今この道を通っている方
そんなに焦らなくても上手にやらなくても
時間は進んでいくものです
いつの間にかそれも蓄積され、学び
いつかのあなたに繋がります。
今のあなたと、環境と向き合って
どうか、あなたのままで。


5/13/2024, 12:18:22 PM

「あたし、あんたとはもうやっていけない」
「…勝手にすれば」
何年か前に、すごく些細なことで、大好きな音楽を辞めた。
高校2年、軽音部。
多感な年頃だったから、と言いたいところだけど
単にあたしが子供なだけだった。
それからは、弾かないし、聴かない。
意地を張ってたんだと思う。

今さらになってすごく後悔してる
意地がいつの間にか罪悪感になって
未だにギターを触れてない。
心にぽっかりと穴が空いて
しばらくはなんにも楽しくなかった

時間が経ってある程度恋愛して
社会人になって
穴は、まだ塞がらずにそこにいる。

「お母さんさぁ、音楽とかちっとも分からないけどさ」
母が箸を置いた。
「辞めた理由も教えてくれないし、辛そうだったからずっと言わないようにしてたけど」
「…うん」
「音楽やってた頃のあなたが、1番素敵だったと思うんだよね」
「…だね」
ハハッと乾いた笑いが出た

私もわかってるんだ
音楽を辞めてから、人生がちっとも楽しくない。
音がなきゃ世界が輝かない。
「っ…いった…Fコードってこんな難しかったけ」
痛くて堪らない、嬉しくて堪らない。
初心者みたいなこと言って、馬鹿みたい
すっごく楽しい。

「……もしもし、?久しぶり…元気だよ、あのさ」

失った時間はもう、戻らない。
だからってその時間が無駄かって言ったら
違う。あたしは失って初めて気付けたんだ
でももう、気持ちを、夢を、音楽を
あたしは見失わない。

「聴いてください、!私の、私達の、!」

音楽を。



【失われた時間】


あとがき

私は正直、楽譜を全く読めないほどの音楽音痴なのですが
楽器を弾ける人、歌える人って凄くかっこいいなって思うんです。
音楽に限らずですが夢に、自分に、素直な人って凄く素敵だなとも思うんです。
あなたにも【失われた時間】ありますか?
それは必ずしも悪いことじゃないかも知れません
もし自分を責めている人がいるなら、見失わないで。






5/12/2024, 2:30:15 PM

あなたしか居ないと思ってた。
だから私すっごく嬉しくてね
「僕と結婚してください、!」
なんて、周りの目もはばからず顔真っ赤にしちゃって
「…喜んで。」
私の言葉に迷いはなかった。
そしたら貴方、子供みたいに泣き出して
「僕っ、僕っ…幸せだよ…」
「ふふっまだこれからがあるでしょ」
なんて

あなたの子供で良かった。
私、沢山迷惑かけちゃったけど
「幸せになりなさいね。」
お母さん、昨日も泣いたでしょ
綺麗な顔が台無しだよ?
「ずっと、幸せだよ」
私の言葉に偽りは無い。
そしたら何故か、私も泣けてきちゃって
「ありがとうね、生まれてきてくれて」
なんて、ゆっくり撫でられて
私もまだまだ子供だななんて思ったり。

彼が囁いた
「僕と結婚してくれて、ありがとう」
「生まれてきてくれて、ありがとう」

2人で泣いた、泣きじゃくった。
嬉しくて、幸せで。
これからも私達、子供のままだけど
これからも、ずっと。



【子供のままで】



あとがき

前々回、前回に続き三部作になってしまいました。
これで終わりになります、笑さすがに笑
なかなか大人になれない私ですが
いつか胸を張って大人と言えたらななんて
きっと無理ですね笑





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