難しくて、照れくさくて、何個もあって、正解がない。
これが正しい愛かは分からなくとも
僕から君へのこの愛が本物だということが
君に伝わりさえすれば、それでいい。
僕は叫ぶ
「僕と結婚してください、!」
震える手には3ヶ月以上の愛を
「…喜んで。」
はにかむ君の頬には一筋の輝き。
僕は叫ぶ
「娘さんと、結婚させてください、!」
汗ばむ拳を勢いよくぐっと見つめた
「私以上に、大切にしてくださいね。」
はにかんだ顔がそっくりで
ほっと胸を撫で下ろす
僕は叫ぶ
「…誓いますか?」
「誓います!!」
「ちょっと、!」
笑う君は誰よりも綺麗だ。
僕は囁く
「結婚してくれて、ありがとう。」
「生まれてきてくれて、ありがとう。」
【愛を叫ぶ】
あとがき
前回のお話の別視点と言ったところでしょうか。
「給料3ヶ月分の指輪」とはよく言ったものですが
愛はお金には変えられませんよね。
彼の真っ直ぐな愛が、色んな人に伝わって
結果彼が1番幸せなのかもしれませんね。
これを最後まで読んでくれたあなたにも、幸あれ。
羽ばたいていく、私の愛しい子。
何年も繋いできたあなたの手
今日、私の元を離れていく。
小さかったその手は
いつの間にか私よりも大きくなって
私の手は細く小さくなっていく。
広い控え室
あなたは私の手を優しく握り
「お母さん、産んでくれてありがとう。」
感情が、涙が、思い出がゆっくりと湧き上がる。
「幸せになりなさいね。」
「ずっと、幸せだよ。」
羽ばたいていく、世界で一番愛しい子。
白いベールに包まれた
あなたは私のモンシロチョウ。
【モンシロチョウ】
あとがき
人生で1番幸せな日を迎えた親子のワンシーンを切り取ったお話です。
モンシロチョウって身近だけどすごく素敵な蝶ですよね。
このお話を読んだ皆さんにも、小さな幸せを届けられますように。
俺は許さない
お前にはじめて会った時
助けてくれとも頼んでないのに
「私がたすけてあげるね」
なんて、濡れたくらいどうってことは無いのに
俺は許さない
助けてくれると言ったのに
「こんなに冷たくなって!おふろはいろ!」
また濡らしてくるなんて
俺は許さない
あんなにスマートな体だったのに
「もふもふぷにぷにでかぁいいね〜!」
腹に顔を埋めてきやがって
俺は許さない
ずっと一緒だって言ったのに
「ごめんね、大好きだよ」
俺らにごめんねは要らなかったのに
俺は忘れない
お前が愛してくれたこと。
例え次の飼い主が愛してくれようとも
俺は、お前を、いつまでも。
【忘れられない、いつまでも】
あとがき
化け猫の男の子のお話です。
初めて愛してくれた飼い主さんに対する愛を
彼なりに綴ったツンデレ手記です。