紅猫

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3/29/2024, 11:35:19 PM

《ハッピーエンド》


あのね

出会ってくれてありがとう。

僕の人生にあなたという存在があってくれて。


あのね

あなたと会ったときまず不安があった。
何をしたらいいのかな
何を話せばいいのかな
とか。

でも、あなたと話したら分かったよ。
そんなこと考える必要がない。
たくさん話してくれるしたくさんわらってくれて、僕もスラスラと話題が出てくる。

なんて幸せな時間だったのだろう。


あのね

あなたと色んな物を見る時、あなたの隣で楽しみを共有できてることが何よりも幸せなことだったよ。

あのね

悩みを話してくれて嬉しかった。
自分にできることはなにかなって本気で考えれてそんな自分が嬉しかった。

あのね

僕の心をこじ開けてくれて嬉しかった。
誰にも言えなかったこと、全部吐き出しちゃった。
でも、そんな自分をきちんと見てくれて受け止めてくれて。
ああ、この人は。
どれだけ自分を好きにさせてくれるのだろう。
なんて思ったり。

あのね、

あのね、

あのね。

僕の大好きを理解してくれてありがとう。


幸せな一日が終わる。
目の前の大好きな人が帰ってしまう。

ずっと、ありがとう。

2/7/2024, 7:17:29 AM

《時計の針》


これは、親友から貰った時計。

高校卒業の時、悪ふざけで壊してしまった。

ずっと、あの青春を親友と僕と過ごしてくれた時計。

あの時を刻み続けてくれた時計。


今でも、まだ、あの時間を指している。

2/2/2024, 1:44:04 PM

《勿忘草》


ねえ。

ねえ。

気づいてよ。

僕はここにいるよ。

泣かないでよ。

こっちを向いていつもみたいに頭撫でてよ。

日向ぼっこしようよ。

猫じゃらしで遊ぼうよ。



いくら鳴いたって、つついたって、引っ掻こうとしたって、こっちを向かない。



ああ、そうか。

もう、戻れないのか。

また君と遊べるのはいつになるんだろう。

また遊ぶとき、君と話せるんだろうか。

忘れられてないだろうか。


怖い。

自分が、この大切な人の記憶から失くなってしまうのが。

自分が、ただの飼い猫だったものになってしまうのが。





空が赤に変わり始める。

君は泣きつかれて寝てしまった。

隣でうずくまる。

いつも感じていた温もりがない。


悲しいな。

落ちてく夕日を見ながらずっと考える。



夕日がなくなる瞬間、庭の何かが光った。

近づく。


それは、飼い主が大好きな花、勿忘草だった。

瞬間、それを咥えた。

...咥えられた。



そっと君の横に置く。



ありがとね。
君と出会って、幸せでした。

また、いつか。




月が昇る。





不自然に存在する勿忘草だけが、静かに揺れていた。








これはね、勿忘草って言うんだ。
花言葉は、真実の愛。
それと、私を忘れないで。

素敵じゃない?

この花はね、自分のことが人の心の片隅にあることを願ってるんだ。
常に考えるんじゃない。
ふと、思い出すような、そんな感じ。
寂しくなったら思い出すような。

こんな関係、最高だと思うんだ。

        ~一人と一匹の会話より~

2/1/2024, 3:27:08 PM

《ブランコ》


独りで山の中を歩く。

いつも感じる孤独が自然の中にいると忘れられるから。

気の向くままに、ただ歩いた。




キィ


どこからか聞こえてきた。

金属音。
どこか懐かしさを感じる音。

何。

音がした方に近寄ってみると、あったのはブランコ。
廃墟の近くにポツンとある。

草が絡まってもう使い物にならないほど錆びていた。

ただ独りで風に身を任せていた。



君も独りか。



思い、近づく。



草が邪魔だったが気にせず座る。



漕ぐ。

動かない。

草を無理矢理ちぎる。





キィ

キィ

静かな山の中、ただ響く。



孤独よ、飛んでいけ。

1/30/2024, 12:54:44 PM

《あなたに届けたい》


昔、人に助けられたことがある。

死にそうになったのを助けて貰ったとか、苦痛から救って貰ったとかじゃない。

ただ、転んだ僕に手を差し伸べてくれた。

一瞬の偽善だったのかもしれない。
でも、それは僕にとっては眩しすぎる優しさだった。

いいじゃないか。偽善で。
人に見返りを求めてたっていいじゃないか。
それで人が自分を見てくれるなら。
自分を優しいと認められるなら。


ありがとう。あの時の人。
あなたのお陰でこんなに優しい自分になれました。
偽善者になれました。

連絡先も名前も知らないけれど。
こんな自分になれたことをあなたが知ってくれたら。




追記:あまり自分で納得がいっていません。思い付いたら変えると思います。

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