紅猫

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1/29/2024, 11:42:31 AM

《I LOVE...》


夏。
夜。
線香花火。
独り。


寂しくはない。

...

......

.........嘘だ。

あいつが、ここにいたなら。

あいつが、あの頃のように笑ってくれたなら。

あいつが、僕と一緒にいてくれたなら。

あいつが、生きていてくれたなら。

今どれだけ幸せなことだったのだろう。


毎年、この時期になると線香花火をする。
あいつと毎年のようにしてたから。
あの時を思い出せるように。
あいつのことを忘れないために。

これは、あいつとの思い出が一気に蘇る瞬間。
あいつの声が、顔が、目の前に浮かんでくる。

泣きそうになってしまう。
だから寂しくないって嘘をつく。


昔、誰かに言われた。
ふと隣にいてほしいと思える人が、本当の友人だ。
と。


多分お前がそうだったんだろうな
お前がいないだけでどれだけ寂しいか。
きっとこの気持ちはお前への気持ちが詰まっているのだろう。




大好きだよ。本当の友人。




また来年。
呟く。



雨が降ってきた。
火を消す。

あいつが、今年もいなくなった。

でも、今年もあいつと会えた。

それでいい。

1/28/2024, 11:28:19 AM

街へ


街へ行こう。
あの人がいる街へ。
昔、あの人と一緒にいろんなことを学んだ街へ。

決断力と実行力が高い自分はすぐに出掛けた。
新幹線に乗り、聞き慣れた駅に向かう。

新幹線を降り、いつもの街へ帰ってきたのだと実感する。

どこに行こうか。
まずはあの頃の家?
それとも学校?
ああ、よく行ってた喫茶店もあったなあ、そこも行きたい。

そんなことを思いながら気ままに歩く。
どこに行っても懐かしいで溢れている。

後ろから「やあ」と聞こえた。
振り向く。
そこには「日常」があった。

ただいま。