《I LOVE...》
夏。
夜。
線香花火。
独り。
寂しくはない。
...
......
.........嘘だ。
あいつが、ここにいたなら。
あいつが、あの頃のように笑ってくれたなら。
あいつが、僕と一緒にいてくれたなら。
あいつが、生きていてくれたなら。
今どれだけ幸せなことだったのだろう。
毎年、この時期になると線香花火をする。
あいつと毎年のようにしてたから。
あの時を思い出せるように。
あいつのことを忘れないために。
これは、あいつとの思い出が一気に蘇る瞬間。
あいつの声が、顔が、目の前に浮かんでくる。
泣きそうになってしまう。
だから寂しくないって嘘をつく。
昔、誰かに言われた。
ふと隣にいてほしいと思える人が、本当の友人だ。
と。
多分お前がそうだったんだろうな
お前がいないだけでどれだけ寂しいか。
きっとこの気持ちはお前への気持ちが詰まっているのだろう。
大好きだよ。本当の友人。
また来年。
呟く。
雨が降ってきた。
火を消す。
あいつが、今年もいなくなった。
でも、今年もあいつと会えた。
それでいい。
1/29/2024, 11:42:31 AM