太田エイ

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5/2/2026, 11:09:54 AM

優しさだけで、きっと何かがつながるなんて信じたく無いけど、人は優しさに堕ちる。
誰かに手を差し伸べるし、差し伸ばされた手はつかんで安堵する。
低い方に流れる水と同じで優しさは低い。
だが、その先に大海があると信じよう。

5/1/2026, 9:01:45 PM

「逆転スペクトル」や「逆転クオリア」と呼ばれる思考実験がある。
なんのことかというと、同じ赤いトマトを見たとして、目に入る光や脳の処理までは客観的に観測できそうですが、それを感じる意識、再現して知覚する部分においては、それぞれパーソナルな感じ方なので、同じ赤ではないかもしれないということ。あなたの「赤」と、私の「赤」は同じとは限らない。人によっては青く感じていて、それを赤と表現しているかもしれない、ということです。
誰だよ、こんなこと考えたの!

そして、ある朝のことです。
目を開けた瞬間、世界が壊れていた。
カラフルだ!
チカチカする!
天井は黒いし、赤いパジャマは青く見え、目覚まし時計は黄色い。カーテンから差す光はいつもより緑。水道の水はよくわからない色、ご飯の色に至っては!
なんとか外に出てみると、見慣れたはずのものが全く違って見える。
そして……、他の人は普通にしているようだ。俺だけか、俺だけ何かが変わってしまったのか……。

ビックリしてるだけでは始まらない。
医者に行っても上手く伝えられない。
仕事もしなくちゃならないし、色が変でもごはんは食べなくてはならない。

ただこの現象、いつのまにか慣れてしまった。
今では、みんなが赤だという色は私も赤と呼んでいるが、頭の中では青い。そしてそれを暖かい色として感じている。
あなただって、赤と言っておきながら頭ん中で何色を感じているやら。

5/1/2026, 1:54:41 AM

俺はもう嫌だ、こんな世の中。
だからタイムマシンに乗ってアダムがリンゴを食べるのを断固阻止するのだ。そうすれば、何も考えず、苦労もせず、死ぬこともない、永遠の楽園で暮らすことができるはずだ。

ウィーン、ゴゴゴゴぉ〜
着いた。

あれ、誰もいない。
見渡す限りの緑の中に、一本だけリンゴの木が立っている。

しかし勢いで来ちゃったから腹ペコだな。
俺はアダムじゃないから平気だな。
カプ、シャリ、シャリ……。

その時、雷鳴が轟き、世界全体に声が届く。
「お前はその実を食べたか?」
ああああ、違うんです違うんです、私はアダムじゃないんです!
「問答無用、この地から去れ」
あああ……

ウィーン、ゴゴゴゴぉ〜

あっ、やば、何もかも無い。
さっきのリンゴの芯でも、植えてみようか。

4/29/2026, 2:29:38 PM

俺ん家から道の向かいに友達の家があった。
大の仲良しだった俺たちは、いつでも連絡を取りたかったので、いろいろ考えて、紙飛行機でメッセージを交換することを思いついた。風に乗ってメッセージが届くのは楽しそうだった。

最初はうまく飛ばずに、お互いの家の周りが紙クズだらけになってしまい怒られたが、コツを掴むと2回に1回は届くようになった。諸条件があり、雨ダメ風ダメ、もちろん雪もダメ。お互い家にいて窓全開である。

それなら目の前の家なんだから行けばいいじゃん、というのは大人の発想。紙飛行機を飛ばすことが面白く、やがて白紙のまま飛ばすことになっていった。

それがきっかけか、友達は宇宙工学科へ行き、今度本当に宇宙へ行くそうである。
俺はといえば、宇宙に行った友達にスペース・バルーンとかでメッセージを伝えられるのではないかと、夢想するだけの人間になってしまった。
まあ、それもいいか。

4/28/2026, 10:41:43 PM

突然ですまんが、俺は「刹那」と言う言葉を実際に喋ってみたくなった。本などでよく見かける言葉だが実際口に出す機会はナカナカ無い。

「振り返った刹那、顔が青ざめてたよ」
「もうダメだと思った刹那に、アイデアが閃いた」
「信号が変わった刹那にアクセル踏んじゃった」
「その刹那、場の雰囲気が変わってしまった」

違和感ありあり、使わないよね。瞬間とか、一瞬を置き換えてるだけじゃん。思いつくシチュエーションは「刹那的な快楽に溺れるな!」なんて、ちょっと説教くさいもの。無い無い。

この「刹那」と言う言葉、仏教方面からやってきた、世界は一瞬一瞬で過ぎ去るものだ……、といった意味で、それをいろいろ解釈するのだが、私の貧困なる想像力がどうしても「刹那的快楽」に向かってしまう。
「刹那」と言う言葉に感じる仏教的な重みが日常にはそぐわない。そのバランスに打ち勝てるのが「快楽」なんじゃ無いかと思う。

そこで俺は、何をすべきかを悟った。
預貯金全て引き出して夜の街に繰り出したのだ。

「これが刹那か……、刹那バンザイ!」

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