生まれた時は「生きる意味」など考えない。
「生きる」と「意味」がわかってきてもまだ考えない。
それがつながって「生きる意味」になった頃も、遊びに夢中で考えない。
もう少し大きくなったら考え始めるが、それは哲学ごっこに過ぎない。
そして今、病院のベッドで真剣に考え始めた。
だがもう遅い。
意味を知った瞬間、多分人は死ぬ。
道を歩いていて目の前にお財布が落ちていたとしよう。
すると善悪の駆け引きが始まるよね。
ほわんほわんほわ〜ん
白い天使が囁く「誰かが落として困っているはすだから、拾って交番に届けなさい」
反対から黒い悪魔が囁く「拾うまでは天使に同意だが、貰っちゃいなさいよ」
天使「拾うまでは合意!」
悪魔「拾うまでは合意!」
悪魔「中身見るよね」
天使「いや、そのまま届けたほうが……」
悪魔「まだ、届けるとは決まってないぞ」
天「財布を開くと中に指紋が残って、変な疑いをかけられますよ」
悪「いやいや、中身を見て、財布が空なら盗る必要なくなりますからね」
天「いやいや、財布の中身がたくさんだったら、誘惑にかられるでしょう、誰だって」
悪「それを止めるのが天使の役目では?」
天「だからね、万が一そうならないよう、避けるように進言するのです」
悪「でもほら、この財布、薄いでしょう。いかにも中身が入っていなそうじゃありませんか、空っぽですよ」
天「そ、それが一番マズいのです。なぜ空っぽかというと、誰かが既に盗っちゃった後かもしれません。そうなればコトです。盗ってもないので、疑われ損です」
悪「まあ、損ですね、悪魔としてもお勧めできない」
天「疑われるなら逆に盗っちゃった方がマシ。損して得とれっていうじゃありませんか」
悪「損得の問題って……」
天「今日びモラルだけでは立ち行きできません」
悪「お前さん、本当に天使なの?」
天使が言うなら間違い無い。
中身を抜いて、交番に届けた。
流れ星に願いを、なんてロマンチック!
そんなこと言ってる暇はない。流れ星が見えるのは一瞬、願いなんか普通は届かない。もっと現実的に考えろ!
そもそも、キミは今までに流れ星見たことあるか? ほとんど無いだろう?
だから、まず、流れ星に巡り合うことだ。その確率を高めるために、夜という夜はいつも空を見上げてろ。土手とか公園とかに行け。明かりも少なく視界も広いところで、毎晩寝ずに夜空を見上げよ。
次に願い事は短くまとめておけ。
「あっ、流れ星」って考えてる時間はない。場合によっては、流れ星に「流れ星をもう一度」みたいな願い事になっちゃうからな。流れ星だなどと考えるな。
そうやって確率と運によってなんとか願い事ができたなら、そこでまずは満足するのだ。
叶うかどうかは、また別の話だ。がんばれ。
俺は寝るからな。
彼は子供の頃からルール好きだった。
自分で決めてそれを守る。
予定を決めるじゃないよ、もう、一度決めたらずっとそれを守ることにしている。そうしていると何かいいことがあるような気がしているのだ。
例えば、靴は必ず右足から履くとか。
なあんだ、そんなことか。
と思ったでしょう?
ズボンのチャックは上げてからもう一度下げてから戻すとか。
寝る前に北を向いておやすみなさいと念じるとか。
折れたシャーペンの芯を小瓶に集めるとか。
そんなのが、数えたことないけど100くらいはあるようなのだ。
大変ですよ、それを守り通すのは。
で、いいことあったかというと、まだ何もないそうだ。
ここでやめたら逆に悪いことが起きる気がするよね
(文章の最後に句点を書かないのは101番目のルール)
心模様アプリ知ってる?
あれヤバいよ。
画面に指で丸を描くと今日の心模様を壁紙にしてくれるの。ホント今すぐ壁紙にしたくなる、気分にマッチしてるのが出てくるの。私なんかいっつも明るい色の模様が出てくるわ。でもね、絆創膏した指で試してみたら、なんかくすんだ壁紙が出てきたのよ。
でね、猫ちゃんの肉球で試したら、これが、その、なんとも言えない壁紙が出てきたわ。楕円形の黒い粒がいっぱいなのよ。喉をゴロゴロさせる割にはちょっと不満もあるのかな? 今のカリカリあまり美味しくないのかも。
先日、親友の指で試したらさ、いつも笑い合ってる仲だけど、なんか暗い壁紙がでてきたわ。え? とか思って、私の指でもう一度なぞったら、また、別の暗い壁紙が出てきて……。
さっきまで笑い合ってたのに、その日はなんだかぎこちないまま別れた。
これ実はヤバいかも。
ちょっと怖くなって、そのアプリは消したわ。