「逆転スペクトル」や「逆転クオリア」と呼ばれる思考実験がある。
なんのことかというと、同じ赤いトマトを見たとして、目に入る光や脳の処理までは客観的に観測できそうですが、それを感じる意識、再現して知覚する部分においては、それぞれパーソナルな感じ方なので、同じ赤ではないかもしれないということ。あなたの「赤」と、私の「赤」は同じとは限らない。人によっては青く感じていて、それを赤と表現しているかもしれない、ということです。
誰だよ、こんなこと考えたの!
そして、ある朝のことです。
目を開けた瞬間、世界が壊れていた。
カラフルだ!
チカチカする!
天井は黒いし、赤いパジャマは青く見え、目覚まし時計は黄色い。カーテンから差す光はいつもより緑。水道の水はよくわからない色、ご飯の色に至っては!
なんとか外に出てみると、見慣れたはずのものが全く違って見える。
そして……、他の人は普通にしているようだ。俺だけか、俺だけ何かが変わってしまったのか……。
ビックリしてるだけでは始まらない。
医者に行っても上手く伝えられない。
仕事もしなくちゃならないし、色が変でもごはんは食べなくてはならない。
ただこの現象、いつのまにか慣れてしまった。
今では、みんなが赤だという色は私も赤と呼んでいるが、頭の中では青い。そしてそれを暖かい色として感じている。
あなただって、赤と言っておきながら頭ん中で何色を感じているやら。
5/1/2026, 9:01:45 PM