殻斗あや

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2/2/2025, 10:02:28 AM

この手紙を読んでいるということは私はもうこの世にはいないということだと思います。でも、安心してください。すべてあなたのせいですから

あなたも一緒です

【隠された手紙】

1/29/2025, 12:07:36 PM

一体何回僕は死んでしまったんだろうか...この世界でも上手くいかなかった僕は果たして次の世界でも上手くいくのだろうか...でも、期待するしかないよな?だってお前みたいなやつが次の世界に入るかもだもんな。そう言って僕はそこら辺に落ちていた木の棒を思いっきり喉に突き刺した。ほのかに香る血の匂いとは裏腹に、僕の呼吸はパタリと止まる。死ぬことに慣れてしまうなんて、なんて終わっている人生なんだ。いや、もう終わっているのか...何回も。そう思いながら僕は思い切り突き刺さった棒を抜いた。

ズシャッ

嫌な音だ。そして僕は木陰に寄り掛る。あー次こそはちゃんとした生き方を送れるのだろうか...視界は心とともに暗く染まっていった。もうすぐ着くからね、いつか会えるはずの君へ

【日陰】

1/28/2025, 11:31:29 AM

私はオシャレな帽子を貰った。これまでオシャレなんてで着てこなかったから嬉しかった。14歳の誕生日プレゼント。14年間で1番と言っていいほど嬉しかった。買ってくれたお父さんとお母さんには感謝しかない。だって、こんなにも可愛くて、美しくて、私のいい所だけを見せてくれるような、そんな帽子だったから。でも、その帽子を貰ってから3年間が経ち、その帽子をかぶる頻度も減ってきていた。少し色も褪せてしまったし、外に出る機会も減ってきていてしまったからだ。まぁ、これまでもそこまで外に出る方のタイプじゃなかったから、そこまで問題は無いんだけどね。でも、まるで小説の中の主人公のような気持ちになれるその帽子は私の大切な宝物であることに違いはなかった。でも、そろそろその帽子も被れなくなってしまうらしい...手術をしないといけないから。だから、約17年過ごしたこの病室ともお別れかもしれない...そんなの寂しいね。ついに明日はその手術の日。私は少しだけの決心を胸に眠れない夜を過ごした。
「ゆっくり眠れたかい?」
「正直...眠れていないです。」
「そうだよね、不安でいっぱいだと思う。でも、僕はきっとこの手術を成功させる。だから、安心して欲しい。」
「...ありがとうございます。」
「では、そろそろ手術の時間だけれども移動、お願いできるかな?」
「はい、えっと...あのー」
「ん?大丈夫かい?」
口ごもる私に先生は少し戸惑う。でも、ずっと私は何事もないように言った。
「この帽子、かぶっていってもいいですか?」



【帽子かぶって】

1/26/2025, 11:21:22 AM

わぁー!!
その声の主はいつも貴方だった
周りに人がいる時にでも、ところ構わず
貴方は私の元に駆け寄ってきた
私を見つけると両手を広げながら、
いくら私が嫌がろうとも、
いくら世間が変な目をしようとも、
あなたは私に付いてきた
そんな貴方だからこそ私のことは
人一倍わかっていたのかな?
私は先に向こうに行っているけれど、
あなたはそんなに急がなくてもいいからね

【わぁ!】

1/25/2025, 11:47:00 AM

その子は近所の女の子で僕より1歳年上だ。そしてどうしてかはわからないけれど、その子は亡くなってしまった。でも、僕はその子のお葬式から帰ったその瞬間からその子が死ぬ直前までタイムスリップしていたんだ。
「...え?」
傘を差し夜道を歩いていた僕は、次の瞬間には真昼の自室に居た。もちろん室内だからさっきまで傘を握っていた右手には何も無く、黒色のコートじゃなくて緑色のパーカーを着ていた。そして、僕はその瞬間に外に走り出した。その子に会うために。

その子はこれまでと同じように家の前の公園に居た。この頃少なくなってきた公園でもちょっとした田舎のこの街にはまだ当たり前のようにそこにはあった。木陰が彼女にシマシマのような模様をつけていた。
「けいこ!」
「え?」
そう言って立ち上がった彼女は読んでいた本を閉じながらこちらに歩いてきた。
「良かった...」
そう言って僕が彼女の方に向かおうとした時、彼女の方に向かっていく何かが...

バコーン

それは野球ボールだった。次の瞬間僕の目の前に赤くなったものが倒れる...

...え、なんで?もしかして...僕の、せい?

次の瞬間僕の手には雫が落ちた。



「あれ?雨?」
隣にいたお母さんがそう言った。
「念の為傘もっておいてよかったわね。」
2本あるうちの1本が僕に渡された。
「ありがとう」
そう言って僕は傘を差した。僕はその子の葬式の帰り、夜道を歩いていた。でも、
「...え?」
次の瞬間には真昼の自室にいた。もちろん室内だからさっきまで傘を握っていた右手には何も無く、黒色のコートじゃなくて緑色のパーカーを着ていた。そして、僕はその瞬間に外に走り出した。その子に会うために。

その子はこれまでと同じように家の前の公園に居た。この頃少なくなってきた公園でもちょっとした田舎のこの街にはまだ当たり前のようにそこにはあった。木陰が彼女にシマシマのような模様をつけていた。
「けいこ!」
「え?」
そう言って立ち上がった彼女は読んでいた本を閉じながらこちらに歩いてきた。
「良かった...」
そう言って僕が彼女の方に向かおうとした時、彼女の方に向かっていく何かが...そこで僕は悟った。

...あれ?ループしてる?

次の瞬間全てを理解した、目からは涙が溢れていく。

バコーン

それは野球ボールだった。次の瞬間僕の目の前に赤くなったものが倒れる...

次の瞬間僕の手には雫が...

【終わらない物語】

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