殻斗あや

Open App

一体何回僕は死んでしまったんだろうか...この世界でも上手くいかなかった僕は果たして次の世界でも上手くいくのだろうか...でも、期待するしかないよな?だってお前みたいなやつが次の世界に入るかもだもんな。そう言って僕はそこら辺に落ちていた木の棒を思いっきり喉に突き刺した。ほのかに香る血の匂いとは裏腹に、僕の呼吸はパタリと止まる。死ぬことに慣れてしまうなんて、なんて終わっている人生なんだ。いや、もう終わっているのか...何回も。そう思いながら僕は思い切り突き刺さった棒を抜いた。

ズシャッ

嫌な音だ。そして僕は木陰に寄り掛る。あー次こそはちゃんとした生き方を送れるのだろうか...視界は心とともに暗く染まっていった。もうすぐ着くからね、いつか会えるはずの君へ

【日陰】

1/29/2025, 12:07:36 PM