蓮雪憶

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8/4/2023, 6:59:02 PM

【つまらないことでも】

夏休み

落ち着く扇風機の音。

暑さが増すセミの鳴き声。

1人スマホをいじりゲームをする

ふと、スマホから音がなり連絡が。

クラスのグループLINEだった。

連絡をしたのはリーダー格の吉沢だった。

連絡を見ると、来週の夏祭りに

みんなで行かないかという内容だった。

するとみんなの返事がどんどんくる。

家族で行く人もいれば、

一緒に行きたいという人もいる。

俺は後者だ。



夏祭り当日に集合場所へ行くと

俺は、とてもびっくりした。

友達といても、なにをしても

つまらなそうにしている

クラスの蘭さんだった。

俺は蘭さんが来るとは思わなかった。



夏祭り中、蘭さんに

「めずらしいね。祭り好きなの?」

と聞くと蘭さんは

「別に。友達にしつこく誘われたから。」

そう答えた。

会話を試みるもなかなか続かない。

ぎこちない空気が続く。

ふと蘭さんが口を開く。

「私と話していてつまらなくないの?」

俺はびっくりした。

「どうしてそう思うの?」

「だって私、楽しそうに話せないし。」

「話すの嫌い?」

「嫌いじゃないよ。
好きだけど、ただ反応とか難しいの」

「そうなんだ。たしかに反応するの
難しいのわかるなー」

「意外ね。」

「そう?」

俺たちはそんな会話をしてからは

ぎこちない空気が消えた気がした。



そのあとクラスの人たちと花火を楽しんだ。

そして花火が終わり、蘭さんが

「つまらないのに一緒にいてくれてありがとう」

と言い出した。

俺は、



"君にとってはつまらなくても
 俺にとってはちっともつまらなくないんだけどな"




と言いたかったがそっと心に閉まった。

蘭さんを困らせてしまうから。

そして

「そんなことないよ。花火綺麗だったね。」

蘭さんはニコッと笑い

「うん、また見たいな。」

そう言って俺と蘭さんは解散した。

解散するときに俺は

この気持ちもそっと心にしまっとこう。

そう思い蘭さんに手を振った。

8/3/2023, 8:39:03 PM

【目が覚めるまでに】

おはよう。

いつも通りの朝。

日が昇り初めた 5時15分

いつも通りの時間。

いつも通りの部屋。

いつも通りの置物。

いつも通りの生活。

そう思い俺は、少しごろごろしてから

ベットを出る。

シャワーを浴びたら

歯を磨いて、朝ごはん。

今日はなにを食べよう。

たしか、賞味期限がやばい豆腐があったな。

それと、昨日の白米とお味噌汁。

それでいっか。

今日の1日のスケジュールを再確認。

いつも通り。

…あ、今日はごみの日だった。

すっかり忘れてた。

そう思い急いでごみ捨て場へ。

近所の人と話したら、

もう少しで祭りらしい。

ここの祭りはとてもすごい花火が上がる。

いつも俺は、家のベランダから見ていた。

そう思いながら

家に着いたらもう 7時30分。

急いで支度をし会社へ。

あっという間に夕方になり、

俺は、少し買い物をして

俺はそのまま病院へ。

病室に入り、君と二人きり。

この生活も、もう10年。

君と暮らした1年より、

とても多くなってしまったね。

いつも通りの気持ち。



"君が目覚めるまでに、

  俺が老いて死なないといいな。"




俺はそう言って、

カスミソウとダイヤモンドリリーの

花をそっと君の隣に置いた。

「また、会いに来るよ。」

8/2/2023, 4:35:58 PM

【病室】

クーラーが効いた涼しい部屋。

ベットがたくさんある部屋。

空から一番近いベット。

小さい頃からの私の特等席。



空には、いろんなものが飛んでいる。

白い雲に暗い雲。

飛行機にヘリコプター。

鳥に虫。

花びらや葉っぱも飛んでいる。



私は、いつも空を見ている。

私には、それしか出来ないから。



私がいつものように、空を見ていると

そこには風船が飛んでいた。

白色の風船だ。



私は、その風船が

どこに旅に行くのかと思うように

この閉じ込められたこの部屋から

その風船を見ていた。



風船は段々私から離れていく。

どんどん離れていく。

私は、その風船を追いかけられない。

閉ざされた部屋から1人で外も歩けない。


その風船は

空へ空へと旅に行く。



私は、もう少しで

白い風船を追いかけに行くだろう。



ああ、

この閉ざされた部屋じゃなくて。

空のように、とても広い広いところを歩いて。

違う景色を見て。

友達を作って。

遊んで。

笑って。

泣いて。

喜んで。

そして空へ空へと行きたかった。






さようなら。
   私の特等席。
  









【あとがき(?)】
風船が多すぎて病室より風船のお題のようになってしまいました。
ごめんなさい。
でも読んでいたただけるとありがたいです。

8/1/2023, 8:15:15 PM

【明日、もし晴れたら。】

今日は夏休みに入って2週間は経った頃。
明日は町の夏祭りだ。
去年の夏祭りは雨で中止になってしまった。
今年は晴れてほしい。
なぜなら、明日もし晴れたら…



毎年、俺は友達と行っていた。
小中と同じ学校だった、中嶋と永瀬だ。
中嶋と永瀬とは、ずっと仲が良くずっと一緒だ。
高校も同じところを受験する。
そのくらい仲良しだ。
中学最後の夏祭りはこいつらと過ごす…のではなく、今年はとある女子と行くことになった。

夏休み中の話だ。
中嶋と永瀬、俺はサッカー部だった。
いつものように練習をして、3人で帰ろうと準備をしていると、マネージャーの雨宮が、俺に話しかけてきた。
「今度の夏祭りって行く?」
俺はびっくりした。
雨宮とは、中嶋と永瀬と同じように
小中一緒で、仲良かった。
でも、中学に入ってから雨宮とは話さなくなったからだ。
俺は、少しぽかんとしたが「うん」と答えた。
雨宮が「一緒に行かない?」と聞いてきた。
俺はまた、ぽかんとした。
雨宮が俺の顔を覗き込みながら俺の名前を呼ぶ。
俺は、ハッ!として「ごめん、いいよ行こう」と答えた。

中嶋と永瀬と行く予定だったが、
帰ってる途中に謝った。
もちろん、2人は許してくれた。
でも、そのあとからかってきてすごくうざかった。
俺は、2人を許さない。

明日がその日だ。
中学最後の夏休み。






明日、もし晴れたら
  俺の9年間の片想いが実るかもしれない。