蓮雪憶

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【つまらないことでも】

夏休み

落ち着く扇風機の音。

暑さが増すセミの鳴き声。

1人スマホをいじりゲームをする

ふと、スマホから音がなり連絡が。

クラスのグループLINEだった。

連絡をしたのはリーダー格の吉沢だった。

連絡を見ると、来週の夏祭りに

みんなで行かないかという内容だった。

するとみんなの返事がどんどんくる。

家族で行く人もいれば、

一緒に行きたいという人もいる。

俺は後者だ。



夏祭り当日に集合場所へ行くと

俺は、とてもびっくりした。

友達といても、なにをしても

つまらなそうにしている

クラスの蘭さんだった。

俺は蘭さんが来るとは思わなかった。



夏祭り中、蘭さんに

「めずらしいね。祭り好きなの?」

と聞くと蘭さんは

「別に。友達にしつこく誘われたから。」

そう答えた。

会話を試みるもなかなか続かない。

ぎこちない空気が続く。

ふと蘭さんが口を開く。

「私と話していてつまらなくないの?」

俺はびっくりした。

「どうしてそう思うの?」

「だって私、楽しそうに話せないし。」

「話すの嫌い?」

「嫌いじゃないよ。
好きだけど、ただ反応とか難しいの」

「そうなんだ。たしかに反応するの
難しいのわかるなー」

「意外ね。」

「そう?」

俺たちはそんな会話をしてからは

ぎこちない空気が消えた気がした。



そのあとクラスの人たちと花火を楽しんだ。

そして花火が終わり、蘭さんが

「つまらないのに一緒にいてくれてありがとう」

と言い出した。

俺は、



"君にとってはつまらなくても
 俺にとってはちっともつまらなくないんだけどな"




と言いたかったがそっと心に閉まった。

蘭さんを困らせてしまうから。

そして

「そんなことないよ。花火綺麗だったね。」

蘭さんはニコッと笑い

「うん、また見たいな。」

そう言って俺と蘭さんは解散した。

解散するときに俺は

この気持ちもそっと心にしまっとこう。

そう思い蘭さんに手を振った。

8/4/2023, 6:59:02 PM