不特定多数

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7/15/2024, 5:23:38 PM

終わりにしよう

終わりにしよう。君と手を繋いで家を出る。夏の夜の生温い空気が妙に煩わしかった。しばらく歩いた後で明日が燃えるゴミの日なことを思い出したが、もうどうでもいいことだった。
小さい公園のブランコに二人して座る。この公園の遊具、昔はこんなに小さかったかなって笑い合う。
なんとなく、小学生の頃書いた未来への手紙を思い出した。あの時も嫌々思ってもいないことを書いていた気がする。私はそれから何も変わっていなかった。まあ、隣の君以外は。……でも、それも全部終わりだ。何だか楽しさすら感じてくる。
自販機で缶コーヒーを買う。君はグレープジュース。結局コーヒーを飲めるようにはならなかったね。
これからどうしようか。もはや誰にも分からなかった。

7/14/2024, 3:46:48 PM

手を取り合って

よく晴れた小春日和の日。読んでいた本のページを捲る手が止まる。ふいに遠くに行きたい、と思った。レースカーテンに透けた光がきらきらと光っている。
どこか、ここから離れたところで、誰も私を知らない、遠い場所に。どこかにサンドイッチを持って、帰りなんて気にせずに、手を繋いで、ピクニックがしたいと思った。
今に不満を持ったことはないし、与えられた本も面白い。それでも本当は、日向ぼっこしながら居眠りをしてみたかった。
「来ちゃった」
聞き慣れた声。振り返ると、あなたがいる。私がどうかしたのと聞くと、犬みたいな笑顔であなたが笑う。
「きみに会いにきたんだ。せっかくいい天気なんだから、遠くに出かけたいなって」
心臓がぎゅうっと締め付けられる。あなたと手を繋いで、ピクニックに行きたい。

7/13/2024, 12:20:39 PM

優越感、劣等感

殴ってやろうかと思った。
お前はいつも笑っている。いつ見ても、きれいな顔。お前は光、正しさ、救い、人生、それが嫌で嫌で嫌で、本当に好きだと思って、許せなかった。私は出会ってしまった。
私をめちゃくちゃにしたのはお前だけだったのに、お前にとっての私は私にとってのお前ではなかった。
その日夢を見た。夢で私は馬乗りになっていて、お前は身動きが取れないようだった。
優越感で満たされている。そのまま何度も顔を殴った。
ふと、腫れの奥でお前は笑っていた。それはそれはきれいに。
もう勝てっこないと思った。

7/12/2024, 6:52:06 PM

これまでずっと

朝起きて、ごはんを食べて、家を出て。
時々、知らないところに出かけたり人と遊んだりして。
新しいものを買って、すぐに飽きたりして。
引きこもってゲームしたり、外に出て運動したりして。
これまでずっと、そんな同じような毎日を続けている。そして多分、これからも。
でもそれも、案外悪くないかなって思う。

7/11/2024, 4:00:22 PM

一件のLINE

私のLINEには、ずっと前から一件の通知がある。もはやアイコンの一部になっているそれは、君からのチャットを知らせている。
既読をつけてしまったら本当に二度と返信が来ない気がして、そのまま見れないでいる。いや、もう返信が来ることはないんだけど。
別に感傷に浸っているわけでもない。ただ、君はいなくなった、それだけ。本当に、それだけだから。いつか二件になるんじゃないかって、思ったことなんてないよ。

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